MOT 働きながら技術経営が学べる1年制大学院 日本工大MOT

日本工大MOTを詳しく知るための用語集

本用語集では、日本工大MOTで学ぶ主要科目のキーワードについて、担当する教師などが執筆した簡単な説明を記載しています。

また、本MOTが特に対象としている中堅・中小企業や立地する神田地域に関連のある用語も取り上げています。ご活用下さい。

日本工大MOTを知るための用語集

あ行

1年制

専門職大学院の課程の標準修学年限は、通例2年であるが、専攻分野の特性により、特に必要があると認められる場合は、1年以上2年未満も認められている。この1年で修了可能な大学院を1年制大学院と呼んでいる。ただし修了するには、1年制も2年制も各専門職大学院が定める30単位以上の修得が必要になる。

本大学院は1年間で修了可能な1年制大学院であり、修了に必要な単位数は34単位、1週間のスケジュールは平日夜間(18時30分~21時40分:2コマ)、土曜(9時30分~20時:6コマ)で春・夏・秋・冬の四学期制を採用している。

イノベーション

イノベーションとは、企業が新製品を創造して発売したり、製品の新しい工法を創造して劇的なコストダウンを実現したり、新しいビジネスの仕組みや新しい企業組織を創造してライバル企業に差をつけることで、企業価値を飛躍的に高めることである。

本大学院では経営戦略、技術経営、イノベーションを起こすための組織活性化、製品開発プロジェクトをマネジメントするなど、様々な観点からのイノベーション関連科目が豊富に取り揃えられており、また各科目とも演習やケーススタディを通して、イノベーションを企業の中で起こすにあたって直面する課題を、自分の頭で考えて自分自身で解決する力を養えるように工夫してある。

イノベーター

イノベーションを提唱した経済学者のシュンペーター※は、イノベーションの5つの要素を従来の延長のままでなく、新たに結合し直すことを実現する人を起業家(アントレプレナー)と称した。このアントレプレナーと創造的破壊※が経済発展には不可欠だと言っている。

技術・イノベーションにおいては、①対象市場や技術の領域選定と関連する知見の獲得、②必要な資源の獲得・活用のための社内外の人や組織と関係づくり、②アイデアの創出、蓄積と活用、③技術の革新と製品・サービスの開発、④利益最大化のための製品・サービスと価格、拡販、チャネルの組み立ての4つのマネジメントが重要である。アントレプレナーのマインドを持ち、適切な技術・イノベーションマネジメントによりイノベ―ティンブな製品・サービスを生み出し、新結合と創造的な破壊を実現する人材をイノベ―ターと位置付ける。
(※本用語集の技術・イノベーションマネジメントの項目参照)

関連科目

オペレーションマネジメント

企業の活動を大きく分けて言えば、本社の活動と現場の活動に分けられる。本社の活動とは経営の視点からの企画、計画、意思決定であり、現場での活動はそれら上位の決定に基づき、実際の生産やサービスの提供を行う活動である。この後者の活動を、オペレーションと言う。

現実には、企業の価値を直接的に生み出すのは生産やサービスの現場においてであり、それゆえオペレーションは企業において大変重要な役割を担っている。また、多くの企業においては、現場の活動・オペレーションに直接的に関与する人員数の割合は圧倒的に多いのが普通である。したがって、このオペレーションを効率的・効果的に行うことは、企業の収益に大きな影響をもたらす。

オペレーションマネジメントとは、このような現場での活動に焦点を当て、いかに効率的・効果的な活動を設計し、計画し、実行していくかを考える知識体系である。

オペレーションマネジメントにおいては、生産を主要な対象として様々な方法論や工夫が考えられてきた。その代表的な事例が「トヨタ生産システム」である。しかし、オペレーションマネジメントの対象は、生産に限定せず、その他のサービス(例えば、ホテルやレストランの運営、物流会社の運営、病院の運営など)も対象とし、また基本的な方法論・工夫の視点には共通性がある。

関連科目

か行

金型

金属製の型の総称であるが例外もある。金型は、量産品を生産するための道具で、それ自身はあつらえ品である。基本的には新しい製品(商品)を量産するときに需要が発生する。

金型産業は、身の回りのありとあらゆる工業製品が金型から生産されている裾野の広い多品種産業である。日本の金型産業は質・量ともに世界のトップレベルに位置しているが、1991 年までほぼ右肩上がりで推移していた金型生産額が、同年の1兆9575億円をピークにその後減少と回復の乱高下を繰り返しながら推移している。今後、収益向上のための技術・技能を活かした経営、健全な取引慣行、海外展開、多様な製品群に対応したスマート生産、人材育成等、現状に即した対応が必要である。

日本工業大学では金型教育に力を入れており、学部等の指導の他、金型企業の社員教育向けのプログラムとして、『高度金型人材育成講座 : http://nit-kanagata.com』を開講している。また、本専門職大学院でも多くの金型関連企業の経営者や幹部候補生が学んでいる。

価値創造型経営

外部環境が激変する変革の時代、過去の成功体験に安住する事無く常に時代の変化を先取りし、徹底した顧客視点で新たな価値を創造し続け、次代の子供達に豊かな未来を創って行く事を目的とした経営展開。"自社の常識が顧客の非常識になっていないか"常に振り返る事を大切に、果敢に事業変革を推進し、顧客創造と市場創造に常にコミットする事を旨とする。企業主導型から顧客主導型に経営パラダイムがシフトした中で、"成功の決め手"が変化した。"良い製品を安くご提供する"(内部基準)=>"徹底した顧客視点で、新たな価値を創造し、顧客欲求にお応えする"事がポイントとなっている。"価値創造型経営の展開"こそが、今や事業変革推進の決め手と言えよう。具体的には、以下の三つの問いかけに答えを出す事が肝要である:

  1. 提供すべきは顧客価値、
  2. 満たすべきは顧客欲求、
  3. 残すべきは顧客満足。

関連科目

企業の社会的責任(CSR)

企業は営利組織であり、利潤を継続的に確保し存続していくことが求められる。そして、このことにより雇用を創出し、税金を払い、取引を通じて経済の活性化に寄与する。健全な企業は、事業活動によって利潤を追求すると言っても、その事業自体が顧客に支持されているからこそ利益を生む事ができ、上記のように社会経済にも貢献している。しかし、このような経済活動を通じてでは、貢献すべきであるが直接的に貢献することの難しい分野がある。法令順守は当然のことではあるが、自然環境の保護や人権、貧困等の分野に対しては、経済活動とは別の活動として取り組まなければ貢献することが難しい。そこで、企業は単に利潤追求の経済活動を通して経済社会に貢献するだけでなく、CSR(Corporate Social Responsibility)として、自然環境の保護や人権活動、貧困の撲滅などに寄与すべきだと考え行われているのがCSR活動である。大手企業等はCSR部門を設置し、社員のボランティア活動見組み込みながら、当該企業の理念に即して計画的にCSR活動を実施している。

しかし、近年、企業の本来業務とは切り離して社会貢献活動を行うのではなく、事業活動そのものの中に社会的な責任を果たすような仕組みを構築するべきだという考え方が出てきている。また、そのような事業活動が可能であることも先進的な事例を通して研究が進んできた。それが、マイケル・E・ポーター等が中心に提唱しているCSV(Creating Shared Value)の考え方で、「共通価値の創造」と訳されている。貧困地域の農業生産力の向上を図り、当該地域で生産される農産物を用いた加工食品を生産地近隣の工場で生産するといったことは、このCSVの考え方に基づく事業活動と言える。

関連科目

技術経営

技術経営とは、MOT=Management Of Technologyの日本語訳である。技術を事業の中核とする企業が、技術のライフサイクル(選択、開発、事業化)を戦略的、組織的にマネジメントすることにより、中長期的に企業価値の最大化をはかる経営概念とその手法である。

本大学院では、中堅・中小企業に焦点をあてた技術経営教育に特化したカリキュラムを構成しており、技術経営そのものの原論、総論は勿論、戦略、技術、財務、マーケティング、人と組織などあらゆる経営領域に関する科目を幅広く学ぶことができる。さらに、特定課題研究を通じて、ソリューションを開発する実践力の育成にも注力している。

また、この技術経営の考え方・手法は、製造業や建設業のみならず農業から流通業、サービス業にいたるまで多様な産業でその成果を取り入れるようになってきている。本大学院でも情報関連企業や流通業・サービス業企業、更に公的団体の職員も学んでいる。

技術・イノベーションマネジメント

イノベーションとは、これまでなかった新しい製品・サービスを創造し、市場の需要を生み出し世の中の進歩や産業の成長につなげていくことである。そのためには①市場・顧客が求めさらにその要望を超えた、②製品・サービスを、③技術・資源を活用し、④組織や、⑤業務プロセス・生産工程を通じて生み出していく必要がある。イノベーションの重要性を語った経済学者のシュンペーターは、この5つの要素の新たな結合を新結合と称し、従来とは異なる形での新結合が従来の製品・サービスを駆逐とすることによる創造的な破壊が、経済発展には重要であると提唱した。様々な新結合と創造的な破壊が繰り返されながら産業が生み出されていくということだ。

科学の発展にともなう技術の革新はイノベーションの重要な要素であり、技術の革新とイノベーションの双方をマネジメントすることが重要である。これを技術・イノベーションマネジメントと呼ぶ。この"技術を活かしたイノベーションを重視した経営"が技術経営の重要な目的となる。

関連科目

キャリアアップ

キャリアは英語のcareer(経歴・成功・出世)のこと。キャリアアップは和製英語で、ビジネス上の地位や収入を現在よりも上げること。日本ではバブル崩壊以降に企業業績が長期に低迷する中で、各企業に成果主義人事が浸透し、また各企業が「リストラ」を進める中で、若年層の間では1社で定年まで勤め上げるという志向は薄れてきており、生涯を通じた自己のキャリアパスをデザインし、明確な目標に向かって自己のビジネス能力を意識的、計画的に磨いていこうという意識が高くなっている。

本大学院では特にキャリアアップと銘打った授業はないが、本大学院の授業そのもので培ったビジネススキルがキャリアアップに繋がることが期待される。

共創

⇒市民や社会との共創・Co-Creation

金属加工

原材料に加工を施し、目的とする形状や性能を有する製品を作り出すことであり、切削、研削、研磨、鋳造、鍛造、粉末成形、塑性加工、放電加工、板金加工、プレス加工などの素形材加工および熱処理、表面処理、溶接(接合)など多種多彩である。ものづくりにおける重要な基盤技術である。

川中産業として部品製造を担う中小企業が、川上産業が供給する原材料を使って、ユーザー(組立産業)である川下産業が求める要求や製品ニーズに応えていくためには、金属加工技術のなお一層の高度化や製品の高付加価値化が求められている。さらには、低コスト化、短納期化、高品質化などの技術マネジメント体制および競争力を活かして利益の出るビジネス経営体制の構築も求められている。

グローバルニッチトップ企業

グローバルニッチトップ企業とは、世界レベルのニッチ市場(小規模な隙間市場)において相対的に高い市場シェアを持つ中堅・中小企業を言う。ドイツは、グローバルニッチトップ企業が世界の中で最も多く集積し、外貨獲得に大きく貢献をしていることが指摘されている(「隠れたチャンピオン」サイモン教授)。ニッチ市場の製品・部品は、ロット規模が小さく量産効果を活かしにくい、大規模市場へと成長する可能性は低く市場的魅力が低い、顧客との強い信頼関係や木目細かい対応が必要、専門性の高い技術を必要とする、などの特徴を有している。そのため、ニッチ市場は大手企業が積極的にニッチ市場に参入するケースは少なく、中堅・中小企業が中心となっている。

このニッチ市場で高い市場シェアを有するニッチトップ製品は、価格競争よりも製品・部品の機能やデザインなどによって競合製品との差別化を実現しており、相対的に高い付加価値を実現している。ただ、日本のニッチトップ企業の多くは、国内市場の収縮と新興国などの海外市場拡大を背景に海外市場の開拓を目指しグローバルニッチトップ企業への脱皮が課題となっている。

関連科目

経営のPDSサイクル

会社・組織の成長や利益創出のためには、その方向性(戦略)を考えそれを人や組織の役割分担を含めた計画とし様々な人や組織の連携のもと実行の上で成果を上げ、次の計画に反映するために評価する。こういった計画(Plan)・実行(Do)・評価(See)のシステマチックな仕組みが必要である。

"組織は戦略に従う"という言葉にあるように、各部門や個人がまちまちに活動するのではなく、戦略に従って皆が力を合わせて活動する必要がある。戦略を計画として具体化した上で実行することは勿論、実行した成果を振り返り皆の処遇に適切に反映し、さらに張り切って仕事ができるような活性化した組織を作る必要がある。また人が力をつけ組織の連携が強まりながら大きな成果に繋げることは、毎年毎年の活動の積み重ねで成し遂げられていく。人と人が仕事をする組織を血の通ったものにするためにも、経営のPDSサイクルを理解し整備することは大切である。

関連科目

顧客価値

変革の時代の下"顧客の存在"を再定義する事が重要である。顧客主導型の経営戦略の時代に於いては、顧客とは"自らが期待する価値に対して、喜んで対価を払いたいという欲求を持っている存在"と再定義すべきである。従って、企業側が顧客欲求の本音の代弁者となり、最大の顧客価値をソリューションとして顧客に提供し、顧客の課題(お悩み解決、自己実現の欲求に応えている)を解決する経営展開が要となる。そして、顧客が、自らの可能性の開花に、喜んで"投資"をして頂く状況を作る事が大切だ。

一方、顧客価値は、"高品質、低価格、間違いのない納期、安心安全"というQCDSの良し悪し程度のレベルだけに留まっていると、それは内部基準から脱却出来ていない証拠と言えよう。ポイントは、"お客様の受け止め方"に目を向ける経営感覚。 QCDSレベルの顧客価値では、良い仕事をする"前提"は踏まえているが、成功の"決め手"になっていない。変革型経営リーダーは、徹底した顧客視点で事業を推進する経営感覚を磨き上げ、事業変革の"決め手"を、顧客価値の最大化の視点から、打出す事が期待される。

関連科目

さ行

事業承継

事業継承とは、企業の経営者の継続的指名、株式所有の円滑な移行などを通じて企業・事業を存続させて行くことであり、企業にとってきわめて重要なテーマである。特に、中堅・中小企業においては、適切な後継者候補を欠くことも稀ではなく、企業の存亡が危機に陥ることも少なくない。近年、中小企業数が減少傾向にある深刻な一因ともなっている。

本大学院では、この問題への対応として、科目として「中小企業の事業承継ケーススタディ」を設け、実際のケースに即して事業継承に必要な知識を解説する。

関連科目

事業戦略

組織の戦略とは、組織が長期的に成功をおさめていくための基本的な方針である。今日の多くの企業は、同時に複数の事業を並行して行っているが、資源特に資金の制約がある。従って、企業戦略は自社のどの事業分野にどれだけの資源を配分し、結果としてどれだけのリターン(収益)を目指すのかという視点からの戦略である。これに対し、事業戦略は、特定の事業分野について、成功をおさめるために行うべき方策をより具体的に設定し、事業の成果を追求する。ここでも、資源と時間の制約があるので、多くの実行可能性の中から、真に成功に資する方策を選びだし、また効果の薄い方策を除外する判断が重要である。事業戦略には、どの様な市場にどの様な商品を提供するのかという市場戦略、市場の中でどの様に競争優位を勝ち取るのかという競争戦略、そして組織の能力をどの様に高めるのかという能力向上に関する戦略等の分野がある。

関連科目

実務家教員

専門職大学院には、担当する専攻分野に関し実践的な知識と実務経験の豊富な高度の教育上の指導能力があると認められる専任教員を専攻ごとに一定数置くものとされている。このような専任教員を実務家教員と呼ぶ。専任教員に含まれるべき実務家教員の範囲については、専門職大学院設置基準等により、担当する専攻分野に関する(1)高度の実務能力、(2)高度の教育上の指導能力、(3)実務の経験、の3つの観点から定められている。

本大学院の実務家教員は、全専任教員の約半数を占めている。

社員教育

人材育成の具体的な手段として、OJT、社員研修、セミナーへの参加などの社員教育がある。バブル崩壊以降の社員教育は、社員本人に自分のキャリアデザインを意識させ、自らの問題点や課題を気付かせ、主体的・積極的に学習する意欲を持たせた上で、効果的に人材育成を行なおうとする傾向にある。

本大学院には企業において具体的な研修プログラム体系のあり方を講義する授業はないものの、人材育成の項で触れているように、人材育成の制度設計に関わる授業、社員のスキルアップをもたらす具体的な方法に関わる授業など、多面的なプログラムが用意されている。

社会人

職業をもって実社会で働いている人を意味し、日本特有の言葉と概念である。社会人そのものを指す単語は欧米にはない。一般的に社会人の始期は学業を終え、就職した時点であり、終期は、定年に達することなどによって退職を迎えた時点である。社会人には、実社会での常識・責任・行動規範を持ち、変化の時代に柔軟に対応できる現実的な思考法・能力開発・スキルの向上・ビジネスマインドの養成が常に求められている。

近年では社会人のスキル向上やその他の理由で、学部や大学院(修士、博士課程)に入学するケースが増えており、特に高度の専門性が求められる職業を担うための学識および能力を培うことを目的として、働きながら1年制や夜間のMOTやMBAなど専門職大学院をめざす社会人も少なくない。

新5S

日本の多くの中小企業は、取引先から指示されるスペックに従いQ(高い品質)、C(低コスト)、D(短納期)を実現するため、工場内では生産システムの基盤となる5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の徹底を推進してきた。近年では、従来からのQ・C・Dのみならず、新たな差別化のポイントとして、以下に挙げる新5Sの強化が課題となっている。こうした新5Sのうち少なくとも2つを推進している中小企業は相対的に元気である。

  • Solution(課題解決・提案):取引先への設計変更の提案、コンサルテーションの展開などで差別化
  • Specialty(技術専門・特化):競合他社には対応できない高度な専門技術で差別化
  • System(連携・組合せ):共同受注、産学連携による開発など社外機関・人との連携で差別化
  • Speed(迅速な意思決定・単納期):競合他社よりも早い意思決定、納期で差別化
  • Service(アフターサービス、付加サービス):製品に関わる各種サービスで差別化

関連科目

人材育成

人材育成とは、企業が教育によって社員の業務遂行能力を高めていくこと。経営者が高い経営能力を持ち、高いスキルを持った社員が多くいれば企業の業績は必ず向上する。従って人材育成は企業が長期的に企業価値を向上させる上で根幹に位置する。特に日本企業にとっての先行モデルがなくなり、自らイノベーションを起こさないと競争優位を保てなくなった現在、社員一人ひとりの能力向上は企業にとって死活問題である。

本大学院では、人材育成の制度設計に関わる授業、社員のスキルアップをもたらす具体的な方法に関わる授業など、多面的なプログラムが用意されている。

神保町

神田神保町は多くの書店や出版社が所在し、世界最大級の古書店街としても知られている。またスポーツ用品店や登山用品店も多く立ち並ぶ。さらに神保町とその周辺には本大学院をはじめ多くの大学や専門学校が集まっており、学生街としての一面も持つ。そのため書籍のほか、マニアックな音楽媒体やアイドル関連の物品を売る店舗が充実し、カレー店、中華料理店など安くておいしい飲食店が充実していることも町の特徴である。

アクセスは、都営地下鉄・新宿線及び三田線、東京メトロ半蔵門線の神保町駅やJR水道橋駅や御茶ノ水駅が利用できる。古本屋街の中心に位置する本大学院も、地下鉄・神保町駅から徒歩約2分、JR水道橋駅から徒歩約10分の交通至便な場所に立地する。

スキルアップ

一般にスキルは学習や訓練を通して獲得した、課題解決能力や業務を遂行するのに必要な能力のこと。ビジネス上のスキルは、課題設定、分析、創造、コミュニケーション、プレゼンテーション、交渉、目標設定、段取り、判断、自己のストレスマネジメントなどの、ビジネススキルやヒューマンスキルのことを言う。スキルアップはこれらのビジネススキルなどを向上させること。

本大学院では、スキル系科目のように、直接スキルアップを目指す授業があるが、他の科目においても、日常業務を抱えながら限られた時間の中で授業を受け、レポートなどの課題をこなし、結果を授業で発表する過程で、受講者は自ずと自らのビジネススキルを磨くことになる。

生産財マーケティング(B2Bマーケティング)

歴史的に見ると、マーケティングは一般消費者を対象とする製品・サービスである消費財を主な対象として方法論が考えられ、また普及してきた。しかし、マーケティングの重要性は、消費財以外の財であろうと変わることはない。

一般消費者以外の企業や組織を対象としたマーケティングを表す言葉として、生産財マーケティング、B2Bマーケティングなどの言葉がある。生産財というと、正確には生産に関わる原料、部品、生産設備、その他サービスを言うが、企業において生産以外の目的で使われる製品やサービス(例えば金融機関向け情報システム)、また企業以外の公的機関(官公庁、病院、学校等)向けの製品・サービスを含む。類似の言葉としてB2Bマーケティングがあるが、B2BとはBusiness to Businessを意味し、製品・サービスの提供先を企業(Business)と考えるものである。この場合も、企業以外の公的機関なども一般的には含まれる。基本的に生産財マーケティングとB2Bマーケティングは同義と考えて良い。

生産財/B2Bマーケティングにおいては、消費財マーケティングとの対比の中で、顧客が明確な目的を持って製品・サービスを購買する、購買は比較的合理的な判断に基づいて行われる、個人ではなく組織で購買の決定を行う、顧客は購買する対象製品・サービスについて専門的な情報・知識を持っている、対象の顧客数が消費財に比べて少ない、サプライヤーと顧客の関係がより密になる、また両社の関係も長期的な視点から構築・維持される、取引当たりの購買金額が多額になる、などの特徴がある。生産財・B2Bマーケティングにおいては、このような特徴を重視してマーケティング計画・活動を行う必要がある。

関連科目

製造業

製造業は、原材料などを加工することによって製品を生産・提供する基幹的な産業で、自動車産業から食品産業まで広範囲にわたる。製品の生産には原材料や機械設備などを必要とするため、ある製品の生産が増加した場合、製品に関連する他の産業の生産活動にも影響を与える。このような波及効果は、自動車のように大量の部品、大規模な工場を必要とする製品において顕著となる。さらに、設備投資は乗数効果を通じて総需要を増大させるため、製造業の動きが景気に影響を与える。かつては大量生産とくに少品種多量生産が主流であったが、90年代後半から多品種少量生産の高付加価値製品の生産が主流になりつつある。

専門職大学院

専門職大学院とは、学校教育法(第99条第2項)によれば、大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするものである。すなわち専門職大学院は大学院のうち、高度専門職業人の養成を行うものである。専門職大学院には法科、ビジネス、技術経営、会計、公共政策、公衆衛生、教職等、多くの種類が認められ、設立されている。

本専門職大学院の属する「技術経営大学院」はMOT(技術経営)を専門とする大学院であり、この課程を修了すると技術経営修士(専門職)の学位が授与される。標準修業年限は、通例2年であるが、専攻分野の特性により本大学院のように1年以上2年未満も認められている。

た行・な行

大学院

大学院とは、学校教育法(第65条~第68条)によれば、大学(短期大学を除く)の学部課程の上に設けられ、大学(短期大学を除く)を卒業した者、およびこれと同等以上の学力を有すると認められた者を対象に、学術の理論および応用を教授研究し、文化の進展に寄与することを目的とするものである。

大学院には、博士前期課程、博士後期課程、一貫制博士課程、後期3年博士課程、4年制博士課程、修士課程、そして本大学院が属する専門職学位課程などと通称される多数の課程がある。

第二創業

第二創業とは、従来事業の衰退或は伸び悩みに対処するため、従来とは異なる事業領域を対象に新たに事業を起こすことを言う。例えば、自動車部品、電気・電子部品などを手掛けていた中堅・中小企業が、医療、宇宙・航空などの新事業分野へ進出するケースである。

日本の中堅・中小企業は、取引先工場の海外展開により国内の受注量は減少する一方で、国内では海外からの部品調達などが進み価格競争が激化して受注単価の引き下げ要請が強まっている。そのため、取引先企業の要請に対処するためグローバル展開、コスト低減化などが課題となっている。こうした取り巻く環境下において、グローバル展開、コスト競争などに対応するといった従来事業の強化を図るだけでなく、新たな成長市場分野への進出、自社製品の開発など第二創業を目指す中堅・中小企業が多く見られようになった。第二創業は、社内技術を活かした新たな事業領域(シーズ指向)を設定するケース、産業・社会のニーズに対応した新たな事業領域(ニーズ指向)を設定するケースがある。

関連科目

中小企業

経営規模が中規模以下の企業で、製造業、卸売業、サービス業、小売業等多岐にわたる業種を営んでいる。中小企業基本法によれば、業種別に量的指標の規定が異なっている。製造業では資本金3億円以下又は従業員数300人以下となっている。中小製造業の経営行動をみると、市場環境の変化に対して経営戦略を立案し、実行するという企業が多いが、自社のもつ目標を高く掲げ、資源を最大限に活用し、主体的に市場に働きかけていく戦略的経営の展開を図ってきている企業も少なくない。国内外の経済構造の変化が影響し、存続が困難になっている企業がある一方、創出されたビジネスの機会も多様多彩であり、拡大している中小企業も少なくない。

チャイナプラスワン

チャイナプラスワンの元々の語源は、「グローバル化が進む製造業において、その製造を中国本土だけで行うリスクを回避する為に、中国以外の周辺諸国に製造拠点を"もう一カ国別に持つ"ための投資を行うという経営戦略」から来たものである。しかし、現在の"チャイナプラスワン"の使い方としては、「中国以外の他の国への投資の場合でも"一カ国集中生産"は避けるべきである」という動きの象徴としても使われる事が多い。

本大学院では「標準化とユニット化」の授業において、一カ国集中生産のリスク解説とともに、一般的に言われている「チャイナプラスワン」候補国であるインドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム・フィリピン等の"モノづくり"の現状について解説し理解度を深めている。

関連科目

千代田区神田

千代田区は東京23区のほぼ中央に位置し、区の中央に皇居があり、また国会、最高裁判所、首相官邸・中央省庁などの国家機関の中枢が集中している。さらに丸の内や大手町は大企業の本社が集中し、この区は日本の政治・経済の中心の場所といえる。

この千代田区の一部に神田地区がある。神田地区には本大学院が立地する神田神保町、本学校法人の開学の地である神田錦町をはじめ、神田駿河台、神田小川町というように神田を冠した町名が26町あり、冠してない町名は猿楽町、三崎町などわずかである。

内部監査

内部監査とは、組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営諸活動の遂行状況を検討・評価し、これに基づいて意見を述べ、助言・勧告を行う監査業務、および特定に経営諸活動の支援を行うアドバイザリー業務である。

これらの業務では、リスクマネジメント、コントロールおよび組織体のガバナンスの有効性について検討・評価し、この結果としての意見を述べ、その改善にための助言・勧告を行い、または支援を行うことが重視される。

内部統制

内部統制とは組織の業務を有効かつ効率的に行うための一連の管理プロセスを実行するための組織が備えるべきプロセスおよびシステムである。

組織が持続的・安定的に成長するためには、組織の目的を達成できない可能性であるリスクをコントロールしなければならない。

リスクをコントロールのためには、管理対象となる事象を認識・評価し、その事象への適切な対応を決定し、その決定に基づいて行動するという一連の対応をしなければならない。この一連の対応(活動)を「プロセス」という。また「システム」とは、このような事象をコントロールするための組織の制度あるいは仕組みである。

二代目

二代目とは、親が創業社長として起業し、発展させてきた企業のトップを継承した者、または継承を予定している者のことであり、中小企業に多く見られる。創業社長の強いカリスマ性、社内外に発揮してきた強力なリーダーシップや人脈、個人固有の技術など数多くの壁が存在し、その円滑な継承には多くの悩み、苦労を伴うことが多い。

本大学院では、これまで多くの二代目学生が学び、技術経営を学ぶことにより各々の次世代経営戦略を立案し、実践している事例も少なくない。また、二代目の経営者としての育成のための社員教育についても、多くの科目を通じて有効な知識、ヒントが得られる。

は行

働きながら学べる

働きながら学べる大学院レベルの教育システムの代表には、夜間大学院(平日の夜間と週末中心に開講する大学院)、通信制大学院がある。また最近は、昼夜開講制度(一つの研究科の中に「昼間主コース」と「夜間主コース」が設けられ、どちらのコースでも同程度の教育を受けることができる制度)を採用する大学院や長期履修学生制度(諸事情で定められた修学年限では修了できないことが、あらかじめ予想される者に対し、入学時の申請により長期の履修を認める制度)を採用する大学院も増加傾向にある。

本大学院の教育課程は、夜間1年制を採用しており、科目等履修生度を活用すると1年数か月~2・3年前後で学べるなど、まさに働きながら学べる体制を整備、運用している。

バリュー・チェーン

バリュー・チェーンとは、マイケル・ポーターが著書「競争優位の戦略」の中で用いた言葉であり、日本語としては「価値連鎖」と訳されている。

一般的には「個々のシステムを独立させて構築するのではなく、それらを連結させて"新しい価値"を生み出すべきである」と考える基になっている言葉である。

例えば"農業の六次産業化(一次産業+二次産業+三次産業)"も「価値連鎖」を有効に作用させた"新しい価値創造"の一つと考えられる。"モノづくり"分野でも今までの様な独立した個々のシステムの構築状態から脱却し「価値連鎖を有効に使った"新しい価値創造"経営に走るべきである」と言う傾向が出始めている。

本校では「標準化とユニット化」の授業を通じて"価値連鎖"を構築する為の「標準化のあり方」について解説している。

関連科目

ビジネス・エコシステム

グローバル化、ボーダーレス化の進展により、自社事業のポジションを業界の中で考えていれば今後の事業展開の方向・戦略が明らかになるということはない。業界内のパートナーや競争相手、取引相手を超えて、広範囲で多様な組織が影響しあって、事業活動が行われるようになってきている。そのため、このような多様な産業のプレイヤーが参画するネットワーク中で自社事業のポジションを定め、展開方向を決めなくてはならなくなってきている。このようなネットワークを、その生成・発展、さらには死滅・再生といった変化の中で捉えるのに、生物学上の「エコシステム(生態系)(ecosystem)」概念が活用されるようになった。従来の産業の枠組みを超え、様々な産業にまたがり、多様な企業群や関係する機関群からなるビジネス・エコシステムの考えである。

1990年代半ばに、James F. Mooreによる提起から始まり、Marco Iansiti と Roy Levienとが"The Keystone Advantage"(『キーストーン戦略~イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム~』翔泳社)を著し、広く知られる概念となった。

ウニ個体群による海藻の過剰摂取がもたらす海底の荒廃を、ウニを多く食するラッコが防いでいる。自然界では、このラッコのように個体数は多くなくてもその生態系におよぼす影響が大きい種のことをキーストーン種と呼ぶ。ビジネス・エコシステムでの典型的なキーストーン企業は、マイクロソフトの提供するOSがパソコン業界のデファクトスタンダードとなったときのソフトウェア生態系におけるマイクロソフトをあげることができる。

しかし、その後のインターネットの普及・発展、クラウド化の進展は、キーストーン企業を同定できないビジネス・エコシステムの生成をもたらしてきている。そこで、最近は、必ずしもキーストーン企業がいなくても構わないという形で、加えてイノベーション・エコシステムなどの概念も包含し、「新しい価値創造の実現に対して、人工物の開発・生産などによって貢献するエージェントの集合体」(椙山泰生、高尾義明)とエコシステムを定義する考え方もある。

関連科目

ビジネスモデル

情報通信技術の発展とその普及により、多様で複雑なネットワークの中でビジネスを行う必要が生じてきた。そこで、事業活動を構想し実現するための仕組みなどを示すビジネスモデル概念が生み出された。このビジネスモデル概念の中心にあるのは、事業活動によって提供する商品・サービスを企画・生産し、顧客に提供するための仕組みをどのようにするかということであり、ビジネス・システム(事業の仕組み)に近い概念といえる。

ビジネスモデルを設計するツールとして最もよく利用されている「ビジネスモデル・キャンバス」では、ビジネスモデルを構成する要素を大きく3つの要素に分けている。

一つ目は、企業が「その事業を通じて、誰に、どのような価値を提案し、どのような経路で提供していくのか、更に事業者は価値の受容者をどのようにして獲得・維持するか」といったことであり、「企業組織が外部の顧客に提案・提供する価値のあり方」ということになる。

二つ目は、この外部の顧客に対して行う事業をどのようにして実現していくかについて明らかにしたものである。詳しくは、「企業がこれまでに蓄積してきたいかなる経営資源を活用するのか」、「パートナーとして他のいかなる組織とどのように連携するのか」、そして「実際に企業としてどのような活動を進めていくのか」を明らかにしたものである。

三つ目は、利益方程式といわれるもので、収入を何で得るのか、そしてコストとしてはどのような項目があるのかを明らかにし、基本的に「収入-コスト」で示される利益の流れを明らかにするものである。

日本企業は技術力に優れているが、ビジネスモデルの構想とその実現において劣っている企業が多く、日本におけるMOT(技術経営)教育の眼目は、如何に優位なビジネスモデルを構想し、それを実現できる人材を輩出するかにあるといっても過言ではない。

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標準化

「標準化」の定義としてISO規格では、「国際的な技術の互換性確立のためのフレームワークを提供する技術的合意である」と記されている。現在"モノづくり"現場ではグローバル生産が活発化しており、ほとんどの生産品は一企業若しくは一カ国で完成品を作る事はせずに多くの企業や国をまたがって生産する「国際分業化」が通常になっている。一方、コスト低減を目的とした、構成部品の多量集中生産方式による寡占生産化も活発化している。この様な状況で要求されるのは多くの企業や組織・国における互換性担保の為の「標準化」であり、今後の"モノづくり"ではこれを欠かす事が出来ない。加えて「標準作成のリーダーになる事」がすなわち製造業における"勝ち組"になる傾向もでて来ている。

本大学院では「標準化とユニット化」の授業の中で今後の"モノづくり経営"では、「標準化」は最も大切な企業経営要素の一つである事を、世界で実際に起きている例を挙げながら解説している。

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プログラムマネジメント

プログラムマネジメントは、事業戦略や巨大システム開発など、複雑で大きな命題の達成を目的として、複数のプロジェクトを有機的に組合せた「プログラム」を効果的・効率的に遂行するための業務である。プログラムでは、プロジェクトだけではなく定常業務もその主要な要素として含む場合がある。

今日、ある戦略目標の達成、例えば市場での競争優位の実現には、一つの製品や技術の開発だけではなく、並行して生産技術の開発、生産ラインの改革、サプライチェーンの再編、販売チャネルの整備など、多様なプロジェクト活動の連携活動であるプログラムが必要である。プログラムでは、使える資源と時間の制約が存在するため、最初にその成功の本質は何か、その為に何を行うのか(そして、何を行わないか)というミッション定義が重要で、そこからより具体的な複数の達成目標の設定を行う。これらの目標は、多くの場合それぞれに対応するプロジェクトにより実現される。プログラムマネジメントは、これらの目的・目標の適切な設定、実行シナリオの選定そしてプログラムを構成する多数のプロジェクトの遂行を推進・統合することで、事業による価値創造を実現する。

関連科目

プロジェクト価値

プロジェクトを立案して実行するとは、何らかの価値を生む必要がある。当初計画した価値を実現して初めて、プロジェクトは成功と言える。設定したQCDを遵守してプロジェクトを完了しても、価値を生まなければ、あるいは価値を獲得しなければ、本当の成功とはいえない。例えば、当初の予定通りに建設や開発を完了した橋やビル、システムなど、投資に見合った使われ方をしなければ、価値を生んだとは言えない。P2Mにおいては、この価値の設計・評価と、価値の獲得が重要である。

価値の設計評価においては、投資評価の手法が使われる。投資した額と回収した額を比較することで評価される。新たに価値を生むことを期待される新事業や新製品開発などにおいても、投資評価手法で、評価することができる。この価値の設計評価は、P2Mでは、構想・計画段階(スキームモデル)で行われる。設計した価値は、最終的に獲得する必要がある。これが価値の獲得で、運営・終結段階(サービスモデル)で行われる。

関連科目

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの目的を所定の期限までに確実かつ効率的に達成するために、必要な計画を立案し、これを実行し、実行過程をコントロールする一連の業務である。

組織が行う事業活動には、量産商品の生産や販売のように日々反復して行う定常業務と、同じことを繰り返すことがないプロジェクト業務がある。プロジェクトとは1回限りの非反復的な事業活動で、一般に完了期限があるという有期性を持つ。プロジェクトには、新製品や新技術の開発、ITシステムの開発、建物・道路・トンネルなどの建設、生産ラインの整備や更新、オリンピック開催などのイベント、映画製作のような創作などさまざまな事業が含まれる。

定常業務での仕事は基本的に昨日と同じだが、プロジェクトでは、個々の作業内容を事前に明確に定めて、適切な担当者に割り当て、その作業に必要な資源(資材・人員・技術など)を事前に準備する必要がある。この計画と実行の過程でのマネジメントは、反復業務の実績に基づくのではなく、基本的に計算、推定、経験からの類推などの思考判断を基礎としているため、プロジェクトマネジメントには固有の知識・経験が要求される。

関連科目

  • P2Mプログラムマネジメント演習

ベンチャー企業

ベンチャー企業とは、一般的には創業間もない企業で、イノベーションによって将来の飛躍的な発展を志し、実際に成長著しい企業のことである。しかし日本ではこうした定義に当てはまる企業は数多くはないと考えられる。

本大学院では、いわゆるベンチャー企業ばかりでなく、既存企業の第二創業や飛躍的成長は志してはいないが起業を志す人のために、ビジネスプランの書き方、販路開拓の方法、創業時に見舞われる課題の解決方法、公的支援制度の活用による資金調達など、実際の起業時に必要なノウハウを学ぶことができる各種の授業を用意している。各授業は、演習や受講者同士による討議を通じて実践力が身につくようにプログラムが組まれている。

ま行・や行・ら行・わ行

マーケティング

"マーケティング"という言葉ほど、各社各様に使われている言葉はない。先ず認識すべきは、マーケティングの本質的な意味とは、部分最適的な考え方ではなく、経営の意思決定や事業推進そのものに直結する"全体最適的"な考え方であるという事である。マーケティングの定義としては、米国ノースウエスタン大学経営大学院教授のフィリップ・コトラー博士のそれが有名である。即ち、 価値を創造し、提供し、他の人々と交換する事を通じて、個人やグループが必要とし欲求するものを獲得する、社会的・経営的過程である。 この中で、マーケティングの本質を表す四つのキーワードとは、

①価値(Value),②創造(Creation),③交換(Exchange),④欲求(Wants)と言える。

従って、マーケティングとは、ターゲット顧客に最大の価値を提供し、顧客と共に成長し、お客様から選ばれ続ける事業を確立する事が主たる目的である。その実現に向けた、価値創造戦略の立案と展開こそがマーケティングの大きな意義と言える。

関連科目

マネジメント

企業活動が複雑化、分業化するにつれて、経営資源を計画的、有機的に配分、管理するしくみが必要となり、1920-30年代に"マネジメント"の概念が起こり、近代経営学の根幹をなすコンセプトとなった。"マネジメント"とは、その計画と管理の行動そのものを指すとともに、それを実行する人のことも言う。

本大学院では、教えるテーマがMOT(Management Of Technology)であり、"マネジメント"は教育内容のキーワードそのものである。多くの科目において、戦略、技術、事業、財務、人と組織などあらゆる経営分野のマネジメントについて幅広く学ぶカリキュラムが豊富に用意されている。

ものづくり

ものづくり(ものつくり、モノづくり)とは製造業とそこで使われる技術、人材のことを指し、その精神性や歴史を表す大和言葉である。日本の製造業の繁栄は、海外から入ってきた技術だけで成り立っているのではなく、日本の伝統文化、固有文化に源を発し、伝統技術の延長上にある、という史観・認識で使われる言葉である。脱工業化の傾向が顕著になりだした1990年代後半から産官学の組織やマスメディアの間で製造を意味する言葉として盛んに使われるようになった。マニュアルにない情報の活用と高付加価値分野の創出によって、基幹的な産業である製造業を活性化し、生産の拡大、貿易の振興、新産業・雇用の増大等経済のあらゆる領域にわたり、日本の強みを再生させるといった戦略的な見方も存在する。

リーダーシップ

リーダーシップとは、個人の持つスキル、コンピテンシーを実践の場で発揮して、企業の業績、価値に結びつける能力と見ることができる。

本大学院の「人・組織のマネジメント基礎(リーダーシップ)」では、代表的なリーダーシップ論を学ぶことにより、各人のリーダーシップのあり方を確立し、実践に活かすことを目指している。また、リーダーシップ自己診断も行い、強み、弱みを認識した上で、今後の努力目標も明確にする。その他多くの科目においても、リーダーシップを強化するためのノウハウの修得や演習の場が豊富に設けられており、強力なリーダーシップの育成が期待できる。

関連科目

英文用語

B2Bマーケティング

⇒生産財マーケティング

CSR(企業の社会的責任)

⇒企業の社会的責任(CSR)

市民や社会との共創・Co-Creation

共創(Co-Creation)は、顧客、ユーザ、経営者や従業員、さらには市民など、様々な関係者が協力して、製品やサービスを開発する活動である。User-Innovationもユーザとの共創という活動とみなせる。これまでの企業の中だけで価値を創造して提供するのではなく、様々な関係者が価値を創造する取り組みが広がっている。ここでは、共創という取り組みを、ユーザ・消費者や顧客だけでなく、市民や社会にまで拡大した取り組みとして、欧州で広範に行われているLiving Labという活動を紹介する。

これは、ユーザ、市民・社会をイノベーションの源泉とし、イノベーションプロセスに参加し、開発者がそのアイデアや知識にアクセスし、ユーザ等と一緒に、実際の利用環境の中で、新製品・サービスを創出するUser-centric/drivenな手法/活動である。新ICTサービスの開発や利用に関する知を収集する活動であり、比較的初期段階のニーズの分析や繰り返してデザインを改良することを通じて、ユーザと一緒に製品やサービスなどのソリューションを開発する活動である。

Living Labの主なコンセプトは3つある。①参加者にプロトタイプや製品化前のテストサンプルなどを使ってもらい意見や利用行動に関するデータを集める。製品やサービスのプロトタイプを活用・評価したり、活用を実際の利用環境で行動観察した結果を解析したりするという意味では、Living LabはTestbedの性格を有する。②参加者が新しい製品やサービスを企業に直接提案する。イノベーションの初期段階に関与させることで参加者から暗黙的な知識を獲得し、新しいソリューションのインスピレーションを得るだけでなく、様々な関係者製品やサービスに提案するという、企業や行政のような製品やサービスのサプライヤに対して能動的に価値を提供(Living Labという場は企業や行政などが中心となって提供されるのではあるが)するというユーザ主導のイノベーションといえる。③参加者として、一般市民、顧客、企業、地方自治体、大学など多様な関係者が活動に参加することである。生み出す製品やサービスの分野は、ICT、医療、インフラ、観光など多岐にわたり、ICT企業や行政など、様々なサービス構築に貢献している。
(「User Innovation」を参照のこと)

(参考図書)

  • Gaurav Bhalla(2011)"Collaboration and Co-Creation: New Platforms for Marketing and Innovation",Springer
  • Venkat Ramaswamy and Francis Gouillart(2010)"The Power of Co-Creation" Free Press(尾崎正弘・田端萬監訳『生き残る企業のコ・クリエーション戦略 ビジネスを成長させる「共同創造」とは何か』徳間書店(2011))

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IFRS

IFRSはInternational Financial Reporting Standardsの略で、イファースあるいはアイファースと呼ばれている。日本語では「国際会計基準」または「国際財務報告基準」と訳される。世界共通の会計基準を目指し活動している国際会計基準審議会(IASB)が策定した。

我が国は2000年以降、自国の会計基準をIFRSとの差異をなくすように改訂する「コンバージェンス(統合)」を実施してきた。そして将来はIFRSを全面採用する方向で進む予定であったが、IFRSの持つ様々な問題点が明らかになるにつれ、国内でも反対意見が強くなり、また米国も全面採用を差し控えたため、現状では海外での活動を活発に行っている少数の企業で任意適用という形で採用されているにすぎない。

関連科目

MOT

MOTとは、Management Of Technologyの略語であり、日本語では「技術経営」と訳される。技術を事業の中核とする企業が、技術のライフサイクル(選択、開発、事業化)を戦略的、組織的にマネジメントすることにより、中長期的に企業価値の最大化をはかる経営概念とその手法である。

本大学院では、中堅・中小企業に焦点をあてたMOT教育に特化したカリキュラムを構成しており、MOTそのものの原論、総論は勿論、戦略、技術、財務、マーケティング、人と組織などあらゆる経営領域に関する科目を幅広く学ぶことができる。さらに、特定課題研究を通じて、ソリューションを開発する実践力の育成にも注力している。

PDS

⇒経営のPDSサイクル

P2M

プロジェクト&プログラムマネジメント(Project & Program Management)の頭文字からとった略語で、日本発信のプロジェクトマネジメントの標準知識体系である。オーナーの立場から見たプロジェクトマネジメントのアプローチで、米国発信型の受注者中心のプロジェクトマネジメントの標準知識体系とは、一線を画している。

特徴として、

  1. 構想・計画段階(スキームモデル)、詳細計画・実施段階(システムモデル)、運営・終結段階(サービスモデル)の3段階に時系列でわかれている。
  2. 全体使命のもとにプロジェクトを束ねたものとして、プログラムを定義している
  3. オーナーの立場でのプロジェクトであるため、価値創造のアプローチとして捉えられている。

を持っており、様々な投資活動や、企業改革、研究開発、事業開発などに適用できる。

企業では、損益計算書に関する販売・生産・購買の活動に対して、貸借対照表に関する活動として投資の一環で捉えることができる。

関連科目

QCDのトレードオフのマネジメント

プロジェクトマネジメントの基本として、QCDのマネジメントがある。QCDは、品質(Quality(Q))、予算(Cost(C))、納期(Delivery(D))の3つの指標の英語の頭文字を束ねたものである。プロジェクトを立案したら、価値(投資)評価を行い、実行に値するとなったら、この3つの指標QCDを目標として設定する。この目標を遵守(達成)するようにプロジェクトを遂行することがプロジェクトマネジメントの基本となる。

この3つをバランスよく管理することは、難しい。あちら立てればこちら立たずのトレードオフの関係にある。例えば、品質を高めようとすれば、費用が増えて予算をオーバーするとか、納期を短くしようとすれば、費用が増えて予算をオーバーするか、品質を落とす必要があるとか、3つの目標を調和させてマネジメントすることが難しい。この3つを管理して、目標を遵守できれば、プロジェクトは成功とみなされるので、QCDのトレードオフの遵守は、最低限の目標となる。

関連科目

Smart Factory/Digital Factory

生産現場のデジタル化が急速に進みつつある。これまでも生産現場では様々な機械化や自動化が推進されてきた。製品によっては無人工場も誕生している。しかし、最近では、PLMとSCMの世界を一貫・統合させて、製品のライフサイクルの全段階をシミュレーションやモデリングし、Computer Aided Analysisを利用し、生産から消費までの過程を統合的に把握し、効率的な生産管理を追求して、自律生産・自律制御システムを構築する取り組みが進められている。このような取り組みは究極的には、マス・カスタマイゼーションではなく、マス・パーソナライゼーションを実現することになる。

ここでは、実際に製品を作る生産現場や製造プロセスと、厳密にシミュレーションしたり、モデリングしたりする仮想世界をシームレスにつなぐ、物理的な世界と仮想的な世界の両方の製造世界を(完全に一致する世界)を実現することを究極の目的としている。この物理的な世界と仮想的な世界を一致させるシステムとして、Cyber-Physical Systemというコンセプトが提唱されている。そして、生産機械が製品を加工するという考えではなく、作られる製品が機械に作業を指示する世界、設計変数の決定時期をできる限り後ろにすることが想定されている。

米国ではAdvanced Manufacturing、EUは、ドイツでは"Industrie4.0"など、海外では国が積極的に支援をして新しい製造・生産システムの構築にむけた取り組みが行われている。工場や機械の自動制御・自己最適化を最大限進めるものであり、現在のMESをリアルタイムで様々な生産工程を制御し、クラウドでアプリケーションを伝送する世界が想定されている。例えば、2013年に出されたドイツの"Industrie4.0"では、次のようなコンセプトが提示されている。①製造される(加工される)製品の役割を拡大し、生産システムの一部と位置付けており、製造される製品は、タスクや製造の要求が格納されたメモリを受け取り、製品自身が自身の製造を制御する。②製造現場にある機械が、現場で制御できるようにインテリジェント化された自動化部品となり、他の機械や生産ライン、製品との間で(自動的に)コミュニケートする。③コンテキストを理解した情報提供、現実・仮想情報で現実の情報を高めることで、生産プラントの中心で人を支援する。

このような取り組みは、すり合わせが強みを発揮してきた自動車の世界でも導入にむけても進められている。また、企業1社で実現するものではなく、業界を超えた取り組みであり、標準化にむけて、グローバルな連携による取り組みとなっている。

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User-Innovation(イノベーションにおけるユーザの役割の拡大)

これまでは、製品やサービスの提供者(サプライヤ)がイノベーションのために資源を投入するという考えが中心であった。そこでは、ユーザや消費者は、サプライヤが開発・提供する製品やサービスを文字通り利用・消費するという受動的な存在として位置付けられていた。サプライヤ側のイノベーション活動において、ユーザは、その行動の観察やマーケティングなど、ユーザのニーズを探索・獲得する対象であった。これまでも、イノベーションにおけるユーザの役割は重要と考えられてきたが、実際には、(提供)企業は、往々にしてニーズを提供せず、サプライヤ主体の取り組みがなされ、(提供)企業が自身の資源を使い、コストや質を決めて製品やサービスを開発してきた。

ところが、実際にはユーザが様々なイノベーションを行ってきた。例えば、Eric von Hippelが指摘した「リード・ユーザ」の存在である。リード・ユーザは、独自にあるいは製造企業との接触なしに、イノベーションのプロセスを改善しようとする意欲を持っている人であり、イノベーションを生み出すうえで、実現に関心を持つユーザである。そして、ユーザや消費者としてだけでなく、サプライヤにアイデアを提供し、新しい製品やサービスの開発や改良、改善に貢献する存在としてイノベーションに重要な役割を果たしてきた。あるいは、ユーザが自分のために新製品やサービスを開発することや、サプライヤとの間でやり取りするだけでなく、ユーザ間・内でのやり取り、ユーザが開発した新製品やサービスを他のユーザが評価して、拒絶・複製・改良することも行われている。このようなイノベーションにおけるユーザの役割は、特に用途開拓を通じた製品やサービスの価値の拡大に大きな貢献をすると思われる。

ICTが普及して広く活用できるようになり、生産技術ですら、これまでよりも安価に手軽に利用できるなど、イノベーションが益々ユーザや消費者に開放される時代にある。生産技術の民主化の流れは、アイデアだけでなく、個人の開発力の活用(Personal Fabrication, Production)が重要になるといえよう。ユーザは、個人としてだけでなく、Linuxの開発のようにユーザ・コミュニティとして活動も行われるようになり、ユーザによるイノベーションンの普及や影響の大きさは、これまでよりもはるかに大きくなる。

サプライヤは、このようなユーザの活動に気づかないことが多く、仮に気づいていたとしても、アプローチする手段が少なかった。リード・ユーザなど活動的なユーザは、自身のイノベーションを秘匿や権利化するのではなく、広く普及することを求める場合が多く、サプライヤとしてはこうしたユーザ(コミュニティ)の特徴を積極的に活用していくことが必要となる。ICTを活用して、自社製品やサービスのユーザや消費者だけでなく、広範なユーザとのネットワークの構築が必要となる。

(参考図書)

  • 小川進(2013)『ユーザーイノベーション』東洋経済新報社
  • Eric von Hippel(1987) "The Source of Innovation", Oxford University Press(榊原清則訳『イノベーションの源泉』ダイヤモンド社(1991))
  • Eric von Hippel(2005)"Democratizing Innovation", MIT Press(サイコム・インターナショナル監訳『民主化するイノベーションの時代』ファーストプレス(2006))

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