MOT 働きながら技術経営が学べる1年制大学院 日本工大MOT

【No.47】パンデミックと5G

NIT MOT Letter

No.47 / 浪江 一公(専任教授)

 

今、世界中が新型コロナビールスによるパンデミックのさなかにあり、皆さんも日々の活動に大きな影響を受けているのではないかと思います。職場などでの他人との物理的な接触の回避が奨励され、在宅勤務をされている方も多いでしょう。 

一方で、新型コロナビールスのニュースでメディアでの取り扱いもだいぶ減っていますが、皆さんもご存じの通り、今起こっている大きな動きに5Gの導入の開始があります。

この2つの関係は何か?それは、新型コロナビールスによるパンデミックをきっかけとして、5Gの活用がより広範囲に、かつより短期間で拡大し、それに伴い社会が急速に変容する可能性が大きくなったということです。この2つの出来事により、5年後には社会は大きく変わっているでしょう。

今回のパンデミックは、それへの対処の必要性という極めて強力な『目的』を生み出しましたが、一方で、それへの対処において5Gは新しい極めて強力な『手段』を提供するものです。この極めて強力な『目的』と『手段』のセットが、今後社会の大きな変化をもたらすということです。

この『目的』と『手段』の組み合わせが生み出すキーワードが、『リモート』(遠隔)です。新型コロナビールスの感染のリスクにより、他人との物理的な接触を避けるために、地理的な距離や物理的なスペースを越えて『リモート』でコミュニケーションをする必要がありますが、それを有効に実現するのが5Gであるということです。既に、遠隔会議、遠隔学習、遠隔医療、遠隔監視、遠隔操作といった遠隔が付く4字熟語はありますが、世の中にはまだない遠隔から始まる遠隔○○(遠隔面接、遠隔生産、遠隔設計、遠隔調理、遠隔建設、遠隔運転、遠隔スポーツ、遠隔飲み会、遠隔演奏、遠隔お見合い等)といったことは、今回のパンデミックの教訓から、今後人間の様々な活動の局面において必要とされるようになります。  

 

5Gによる『リモート』のコミュニケーションの実現は、コミュニケーションを質と量の両面において大きく拡大します。5Gの普及とパンデミックは、2つとも世界中で共通し、かつ大きなインパクトを持って起こっていることです。そのため、今後世界中のほとんどの人が、5G技術やそれが実現するインフラに低コストでアクセスできるようになり、またパンデミック再発の脅威は、人々にそのような技術やインフラを周到に準備し、使う必要を強く迫るようになります。

そのようなインフラが構築された状況においては、世界中の人達また世界中に散らばる様々な装置は、ボーダレスどころか、物理的な距離を越え極めて低いコストでコミュニケーションできるようになります。その結果、世界中の数多くの人達や装置の間で、5Gを介したコミュニケーションが爆発的に増えます。そのようなコミュニケーションは、今後長期に渡り様々な社会的、経済的、文化的な価値を生み出すことになるでしょう。

もちろん今起こりつつあるパンデミックは人類にとって極めて大きな脅威ですし、個人のレベルでも、極めて深刻な影響を生み出し、とにかく今緊急に対処しなければならないものではあります。しかし、同時にパンデミックを機会とも捉え(多くの方々が大変な状況にあることを考えると、不適切に聞こえるかもしれませんが)、当面はパンデミックに対処し打ち勝つことを最優先するのは当然ですが、このような出来事を所与として積極的に受け入れ、ビジネスの様々な面での機会を自分達のものとするような思考や活動が求められるのではないでしょうか。

 

浪江 一公(専任教授)

 

次号(No.48)は 萬代 憲司教授 が執筆予定です。

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