今日の経営では、イノベーションの視点で経営戦略などを検討することが技術経営に限らず重要なことになっている。加えて、製造業においては製品開発戦略や知的財産戦略に活かすことも求められている。更に、これらの視点を経営計画レベルまで落とし込んでいくことも求められている。
技術経営におけるイノベーションの考え方を学び、それを経営戦略立案や経営計画策定に活かせるように基本を学ぶ。特に、製造業における製品開発戦略、知的財産戦略についてもイノベーションの視点で考えることができるように学習を進める。加えて、経営計画立案に際して既存統計を活用することも多いので、その見方と利用の仕方についても学習する。
中堅・中小企業の経営のコンサルタントを目指す院生。
予習:中小製造業における製品開発について、留意点を列挙してくる。中小製造業が活用できる支援施策、特に製品開発に係る支援策を調べておく。
・製品戦略(講義とディスカッション)
中小企業ならではの製品開発の考え方。
ニーズとシーズの関連性を考える。
復習:製品開発における外部資源の活用方法について整理しておく。バイヤーニーズが最終消費者ニーズとどのような関係にあるかを整理する。
・製品開発プロセス(講義とディスカッション)
経営資源が乏しい中小企業における製品開発の進め方。
支援施策など外部資源の活用。
有
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予習:製品アイデアの出し方について整理してくる。中小製造業における知財戦略のポイントを整理してくる。
・製品開発プロセス
(ワークショップ)
具体的な事例をもとに新製品のアイデアを考える。
復習:身近な事例で新製品開発のアイデアを出してみる。中小機械製造業が知財面で留意すべき事項を整理する。
・知的資産のマネジメント(講義とディスカッション、ワークショップ)
事例をもとに知財をキーにした経営戦略の立案
有
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予習:技術とイノベーションについて自分なりに定義してみる。「技術で勝ってビジネスで負けた」の例を考えて見る。
復習:授業で紹介した価値創造と組織経営を自分なりに体系化して記述してみる。
技術経営とは
技術とはイノベーションとは何か、日本企業でよく言われる「技術で勝ってビジネスで負けたとは」、そして技術経営として価値創造と組織経営の全体像を説明する。加えて、技術経営として重視すべき経営理論について紹介する。
予習:企業や事業(部署・チームでも)を経営するために考慮すべき要素を考えて見る。
復習:SPROを自分の知っている組織に適用し現状を記述してみる。
組織経営のPDSサイクル
戦略・プロセス・組織・経営資源の組織経営の枠組み(SPRO:Strategy/Process/Resource/Organization)と、PDSサイクルを廻すために必要な仕組みを説明する。変革のための戦略、人、仕組みの3つの起点を紹介する。
予習:身近な製品(例:ドリル)のニーズ、機能とそれを実現する技術を考える。
復習:身近な製品についてMFTツリーと技術リストを記述してみる。
価値創造 アイデア~チャリンの価値創造の押えどころ
無形なアイデアからチャリンと鳴らすステップと、技術経営として重要なビジネスプラン、市場と技術のマッチング(M-F-T:Maket-Function-Technology)、技術リストと技術ポートフォリオの3つの視点。
予習:自分の知っている組織でどんな経営資源が不足しているかを考える。
復習:自分がコンサルタントとしてどんな計画の枠組みを持つかを記述してみる。
変革を実現する計画のために
中小企業の組織経営の問題と計画上の留意点、特に人モノ金情報の経営資源の育成・配分重視した検討と、価値創造のために厳しさに加えて緩い組織文化の重要性を説明する。また、中期計画での変革の積み重ねの大切さを紹介する。
予習:自社の新商品開発方針、成長戦略をあらかじめ検討しておく
復習:講義で習得したノウハウ、スキル、教訓を自社で活用できるように考える。
「イノベーショナルな新製品・新事業開発法」
中小企業が、成長してゆくためには、差別化されたユニークな新商品の開発、独自の販売方法を構築するとともに海外に目を向けグロバル化を推進しなければならい。そのために、独自に開発した、イノベーショナルな新商品の開発方法のノウハウを修得する。
予習:自社の新商品の概要、これから考えている新商品の構想
復習:新商品コンセプトの大切さを認識したうえで、自社の新商品コンセプトの見直しを行ってみる
「差別化された経営計画の策定」
経営計画のなかでも、新商品の事業計画を作成するうえで一番重要なのは「新商品コンセプト」である。新事業コンセプトの作成の方法を独自のノウハウを活用しワークショップ形式で習得してもらう。
予習:経営戦略の形成で学習した経営戦略構築の考え方・方法についての復習しておく。
復習:立案した経営戦略を戦術レベルまで検討しておく。
経営戦略の策定①
事例に基づき経営戦略を策定する演習。
予習:経営戦略の形成で学習した経営戦略構築の考え方・方法についての復習しておく。
復習:立案した経営戦略に基づく経営計画立案の条件整理
経営戦略の策定②
事例に基づき策定した経営戦略を戦術レベルまで落とし込む。
予習:立案した経営戦略に基づく経営計画立案の条件整理
復習:立案した経営計画の妥当性の確認
経営計画の策定①
経営戦略に基づく経営計画を立案する。
予習:経営計画立案のための条件設定に係る既存データの活用について情報源を整理する。
復習:経営計画策定上の龍院展の確認
経営計画の策定②
経営戦略と経営計画の整合性確認と修正、共有化、も策定上の問題点整理
有
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予習:国勢調査や経済センサス調査について調べておく。
復習:経済センサスと工業統計を利用した製造業の事業所数の推移や出荷額等の推移について整理しておく。
統計情報の活用方法
公的統計上の仕組みと読み方
予習:RESASのサイトを開いて、構成を確認しておく。
復習:RESASを用いて、自分が住んでいる市区町村の特徴を理解する。
RESASの見方と活用方法
有
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講義とグループでの検討・作業を交えて行う。
教材のプリントを配布する。
授業の中で適時指示する。
授業参画度
60 %
授業中の積極的な発言とその内容、演習の際の的確な指摘や考え方の整理・発想など
課題レポートの内容と発表する場合はそのプレゼンテーション力等
40 %
経営戦略を策定後、それを基に具体的な計画を策定する必要がある。その場合、数字で将来予測をする必要があるので、その方法についても修得してもらいたい。更に、経営を取り巻く環境変化の激しさを踏まえると、そこにイノベーションの視点を組み込む必要がある。イノベーションについても基本の修得だけでなく、実際の経営戦略の中に活かすようになってほしい。