中小企業技術経営基礎 PDF

Basic of Management of Technology for SMEs

単位数

2単位

開講学期

春学期

開講曜日・時限

土曜日 1・2時限目(隔週)

位置づけ

中小企業技術経営コース分野 基礎段階

科目紹介

科目の重要性・必要性

技術経営を、技術を活かしイノベーションを重視した価値創出と、それを加味した組織経営として考えていく。本科目は全体をカバーしつつ組織経営に着目する。組織(企業・部署・チーム)は、方針として戦略を描き、人モノ金情報といった経営資源を、プロセスや組織を通じ有効に活用し、戦略を実現することで成果を上げるとうサイクルで廻っている。皆さんは組織の中で、個人の活動とともに、チームや組織をリードしその経営に携わる役割も担っている。より良い組織経営への貢献のために、基礎段階でその主要な項目を体系的に理解し、変革のための適用方法を修得することが大切である。

科目の目的

業種、企業規模やグローバル化の度合いで組織経営の基本が変わることはない。ただ中小企業は多くの制約の中で規模の小ささの特徴を活かした組織経営を行っている。小さな規模の組織がネットワークを持って活動することは、多くの企業で取り入れ始めていることでもある。中小企業の制約と特徴を活かした組織経営を理解する事で、より実践に近づけることと目的とする。

到達目標

各回の授業では組織経営の主要な項目を対比する形で説明する(例マーケティングとイノベーション)。これら項目について、他の項目との関連を踏まえて説明できるようになる事、さらにそれを自分の組織や役割に当てはめ実際の問題の把握やその解決策を記述出来るようになる事を目指す。

受講してもらいたい院生

中小企業技術経営コースを問わず技術経営全般(特に組織経営)の理解を深めたい院生。

授業計画

1 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:テキストを事前に読み要点を理解する(授業では。ディスカッションに時間を取るため、テキストはサマリーのみ説明(他の授業回も同様))。MOT入学時の思い・志と学びたいこと実現したいことを再確認(各自授業で紹介)。
復習:学び実現したいことに、自分が強化すべき、スキル、行動・思考特性、価値観(授業で説明)を加えてレポートとしてまとめる(小課題:レポート作成の基本の提出)。

授業内容

<技術経営の全体像>

・技術経営の概念、確立された経緯、今日的な意味合いや、企業・組織の課題と技術経営での解決の説明。
・ 基本スキルの体系と、アイデアの言語化、コミュニケーション、論理的思考及びレポーティングの基本ルールの説明。
・修了生教員より:MOT見聞録の内容の実際とその後の経験の紹介。事例に基づくディスカッション。加えて皆さんはスキル、行動・思考特性、価値観など何を強化するか。
・カリキュラム全体の説明(SPRO、両利きの経営)
・個人の思い・志とクリエティブテンションの大切さ、中小企業の特徴と本科目の位置づけ。次回に向けてのガイド。※用語は「その他」項目参照。

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

2 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:経営とは何か、担当者でも経営の視点は必要か。自分(自事業)は儲かる機会と強みでの差別化どちらを選ぶか。

復習:自組織のミッション・ビジョン・バリュー(MVVと、自社の事業単位/事業ポートフォリオや自事業の5F、競争戦略とKFSや、VRIOについて整理。 (④⑤回での課題として提出)。

授業内容

<歴史で紐解く戦略論とポジショニング・コアコンピタンス>

  • 予習に基づくディスカッション。
  • 経営の語源、孫子の兵法、クラウゼビッツ戦争論、ドラッカーのマネジメント論の紹介。戦争とビジネスの違いと3C、MVVの重要性、事業単位や事業ポートフォリオによる大まかな戦略について説明。
  • 修了生教員より:NB社のMVV、事業単位と戦略。
  • 事例に基づくディスカッション。加えて皆さんの自組織MVV、事業単位と戦略はどんなことか。

3 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため前回と同じ。

授業内容

・予習に基づくディスカッション。
・戦略論の変遷。成長戦略の基本アンゾフ・マトリックス。ポジショニング(儲かる機会)とコアコンピタンス(強みでの差別化)。5F、3つの競争戦略と成功要因(KFS)。強みの切り口(VRIO)の説明。
・修了生教員より: NB社の儲かる機会と強みでの差別化紹介。さらに皆さんは自社の5F/競争戦略/KFSやVRIOをどう考えるか。
・ダイナミック・ケイパビリティの紹介。
• 企業・組織の方向の描き方。中小企業にとっての意味合い
・次回に向けてのガイド。

4 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:・自事業の顧客へ提供する価値は何か、価値をもっとも生み出している業務は。自社の川上と川下の製品・サービスとは。

復習:自事業の機能と事業連鎖作成しその意味合いを検討する。自社はどんなプラットフォームを持っているか。(これまでの②③④⑤課題の提出)

授業内容

<バリューチェーン(価値連鎖)とプラットフォーム(価値の交換の場)>

・予習に基づくディスカッション。
・利益を目指すことは正しいか。社会課題解決との関係は。
・業務プロセスと価値を生み出すバリューチェーン。特に機能と事業連鎖の考え方の違いや、デジタル時代に重要となるプラットフォームの説明。これらを如何に戦略検討に活用するか。
・基本スキル:分析的思考の説明。
• NB社のプロセスと、バリューチェーン及びプラットフォームの紹介。事例に基づくディスカッション。皆さんの自事業と競合のバリューチェーン比較。自社のプラットフォームについて。
• バリューチェーンとプラットフォームの応用的な活用方法。エコシステムについて紹介。 中小企業にとっての意味合い
・次回に向けてのガイド。

5 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため前回と同じ。

授業内容

連続授業のため前回と同じ。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

6 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:マーケティングとイノベーションの違いとは。
復習:自事業のPEST/3C、STP、4Pを自事業に当てはめ機会と脅威を洗い出す。SWOTと5Fを検討する。
・5つの要素の新結合として活用出来る要素を考える。自社の過去の変遷をイノベーションストリームに当てはめて見る。 (⑧⑨回での課題として提出)。

授業内容

<マーケティングとイノベーション>
• 予習に基づくディスカッション。
・技術革新とイノベーションの違い。マーケティング(PEST、3C、STP、4P)とイノベーション(シュンペーターの3つのポイント)の基本手法の説明。両利きの経営としてのイノベーションストリームの紹介。
•NB社のマーケティングとイノベーションの活動の紹介。事例に基づくディスカッション。皆さんの自社のマーケティングとイノベーションの取り組み。
• 最近のマーケティングとイノベーションのトピックス。(例デジタル技術のインパクト)
・価値創出活動と基本フレームワーク
・中小企業にとっての意味合い。次回に向けてのガイド。

7 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため前回と同じ。

授業内容

連続授業のため前回と同じ。

8 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:技能と技術は何が違うか。

復習:自組織の技術を体系的にリストアップする。今後どんな技術を強化するか。(⑥~⑨課題提出)

授業内容

<有形・無形資産と技術・資源>

• 予習に基づくディスカッション。
・有形資産と無形資産。7つの経営資源について。
・技術の4つの特徴(道具仕組みから技術へ。市場と技術のマッチング。大型GPTと特定目的の技術。知的資産、知的財産と無形資産)
・技術のマネジメント(技術と無形資産、技術とコアコンピタンス、技術と範囲の経済、技術リストと技術ポートフォリオ、コア技術について)
・スキル編ー概念的思考力
• 修了生教員より: NB社の技術と強み、特許とMFT。NB社の技術と企業・事業活動の関連。重視している技術者倫理の紹介。皆さんの自事業技術とは。
・技術経営とは(清水の定義)。GPTとしてのデジタルのインパクト。 中小企業にとっての意味合い
・次回に向けてのガイド。 
※「技術・イノベーションマネジメント」と共通の内容を含む

 

9 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため前回と同じ。

授業内容

連続授業のため前回と同じ。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

10 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:リーダーとマネージャー(L/M)の違い。いつ実感するか。
復習:自分のL/Mの現状と課題を確認。自組織の計画・評価の仕組みを確認。

授業内容

<人、組織とプロセス>
・ 予習に基づくディスカッション。
・業務プロセス、組織や人材マネジメントの基本的な考え方、組織経営のPDSサイクル、リーダーとマネージャーの違い、MOTリーダーの知識・スキル・行動特性について説明
・修了生教員より: NB社の人と組織(組織、経営PDS、人の能力と育成)と、終了前と修了後の自身のリーダー・マネージャーとしての変化。事例に基づくディスカッション。
・皆さんのL/Mの現状と課題と自組織の計画・評価の仕組みの活用について。
・学習する組織の重要性。 中小企業にとっての意味合い
・次回に向けてのガイド。

 

11 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため前回と同じ。

授業内容

連続授業のため前回と同じ。

12 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自事業のSPROとは。自社は既存深化と新機会探索を如何に両立しているか(していないか)

復習:SPROと両利きの経営を自社に当てはめる。

授業内容

<SPROを繋げて考える、両利きの経営へ>

• 予習に基づくディスカッション。
・戦略の組織・プロセスを通じた資源配分による実現とは。
・既存ビジネスの強化と新しい機会の探索の両立のための問題とその解決とは。
・修了生教員より: NB社のSPRO及び既存深化と新機会探索のチャレンジ。皆さんの自組織SPROと自社両利き経営について。
・技術経営と両利きの経営。 中小企業にとっての意味合い
・次回に向けてのガイド。

13 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため前回と同じ。

授業内容

連続授業のため前回と同じ。

14 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:これまで解らなかったこと、ピンとこなかったことは何か?
復習(期末課題):課題シートの作成。

授業内容

・全体についての振り返りと補足
・価値創出と組織経営:両利き経営の探索・深化。
・個人と組織の関係:クリエーティブテンションと学習する組織。
-個人の活動を組織全体につなげる 人、経営資源、戦略、組織とプロセス。
・修了生教員:NB社の課題シートの事例紹介。全体を通じてのQ&A、復習ディスカッション(期末課題のイメージづくり 
・M-SPRO-V フレームワーク紹介。
・中小企業の特徴と技術経営
・技術経営の要点とMOTリーダーの知識・スキル・行動特性について。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

15 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため前回と同じ。

授業内容

連続授業のため前回と同じ。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

授業方法

専任教員と修了生教員の2名が担当する。予習に基づくディスカッションで問題意識を持ち、専任教員による理論・手法の説明と、修了生教員が自身と企業(NB社)の事例紹介を行う。ディスカッションは、最初は紹介事例について行い、さらに受講生自身やその組織に当てはめて行う、このステップを繰り返すことで理解と適用のイメージを持つ。加えて授業の最後に関連する最近のトピックスや、中小企業の特徴を活かす切り口を紹介する。ディスカッションに時間を取るため専任教員のテキストは事前学習が前提。授業ではサマリーのみを説明。

テキスト

毎回パワーポイント形式の資料を配布。
(この授業では、修了生教員のテキストを除き、事前にテキストを電子ファイルで提供。紙のテキストが必要な受講生は各自プリントのこと)

参考図書

授業で適宜紹介。

成績評価

評価の視点
評価
ウェイト
備考

中間・期末課題による理解と自社への適用の評価。

60 %

中間・期末課題レポートで技術経営の主要項目を個別にまた全体のストーリーとして理解して適用出来ているか。

授業への参画姿勢の評価。

40 %

予習や復習の実施(内容は問わない)。ディスカッションへの参画。中間・期末課題レポートへの取り組み。その他貢献。

合計
100%

受講生へ授業科目のアピールポイント、必要な基礎となる科目の履修や知識・スキル

専任教員の理論・手法と修了生教員の実践事例をタイアップさせる授業はユニークな授業と言える。特段の準備は必要ないが、授業で紹介する書籍のうち1冊は読み理論・手法の背景を深く理解して欲しい。

その他

略語(これを理解・活用できるようにすることが授業の目的の一つでもある)
PEST:Politics,Economy,Society,Technology、  3C:Customer,Competitor,Company、 STP:Segmentation, Targeting,Positioning、4P:Product,Price,Place, Promotion、SWOT:Strength, Weakness,Opportunity, Threat、KFS:Key Factor for Success、M-SPRO-V:Mission-Strategy.Process,Resource,Organization-Value) GPT:General Purpose Technology

CONTENTS

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