2単位
夏学期
授業スケジュール参照
応用段階
中小企業経営コース コース基本科目
今日の経営では、イノベーションの視点で経営戦略などを検討することが技術経営に限らず重要なことになっている。加えて、製造業においては製品開発戦略や知的財産戦略に活かすことも求められている。更に、これらの視点を経営計画レベルまで落とし込んでいくことも求められている。
技術経営におけるイノベーションの考え方を学び、それを経営戦略立案や経営計画策定に活かせるように、その基本を学ぶ。特に、製造業における製品開発戦略、知的財産戦略についてもイノベーションの視点で考えることができるようにする。加えて、経営計画立案に際して既存統計を活用することも多いので、その見方と利用ができるようになることも目指す。
中堅・中小企業の経営のコンサルタントを目指す院生。
予習:技術とイノベーションについて自分なりに定義してみる。「技術で勝ってビジネスで負けた」の例を考えて見る。
復習:授業で紹介した価値創出と組織経営を自分なりに体系化して記述してみる。
技術経営を理解するコンサルタント(清水)
技術経営とは。技術とはイノベーションとは何か。日本企業でよく言われる「技術で勝ってビジネスで負けたとは」。そして技術経営として組織経営と価値創出の全体像を説明する。加えて、技術経営として重視すべき経営理論について紹介する。(両利きの経営、市場と技術のマッチング、技術リストと技術ポートフォリオ)
有
予習:企業や事業(部署・チームでも)を経営するために考慮すべき要素を考えて見る。
復習:組織経営のSPROを自分の知っている組織に適用し現状を記述してみる。
中小企業の特徴と組織経営(清水)
戦略・プロセス・組織・経営資源の組織経営の枠組み(SPRO:Strategy/Process/Resource/Organization)と中小企業の状況を把握し、その状況にあった処方で支援するための考え方を説明する。
予習:第一回、第二回の講義キーワードの再確認(技術とは何か、技術経営、価値創出等)
復習:本授業で説明する二つのトピックスを参照し自身の事業をモチーフに分析する。本科目の目的である経営計画、製品開発(計画)の作成と関連付けて分析することが望ましい。
技術の構造的な理解(浅見)
MOTで技術を応用した製品やサービスにより企業成長や持続性を高める手法について体系的に学ぶ中、「技術とは何か」をフォーカスします。「技術」についての理解を深めるために2つのトピックスを説明します。
(1)4つの要求段階(顧客欲求・機能要求・設計要求・製造要求。曖昧な顧客欲求から物理的な機能を定義する)
(2)デザインストラクチャ(製品のモジュール分離分析、全体機能価値へ強く影響を及ぼす部分モジュールの抽出)
予習:日頃の組織活動において、組織の成果を最大化するためにどのような工夫をしていますか?(事前リポート等の提出は不要です)
復習:自身の所属する組織において、共感度を高め集団成果を最大化するための方法について考察する。第一回講義で説明された組織経営と関連付けて分析することが望ましい。
企業倫理と職業倫理の重要性(浅見)
企業行動は投資家、消費者などのステークホルダーに大きな影響を与えます。倫理観の欠如した企業行動は社会や環境や従業員に甚大な被害を与えることがあります。故、企業倫理、職業倫理を理解することは重要です。
初めに、企業倫理、職業倫理の重要性について触れます。そして、倫理学の伝統的なテーマである最高善、中庸、責任の連続性について説明します。倫理学のFundamentalな立場を知ることにより企業倫理、職業倫理の意味や価値が腑に落ちやすくなります。
そして、企業や社会が直面する課題とその課題解決に向けたテクノロジー との関係について考えます。また、倫理学のレンズから見える経営手法として「共感力」をモチーフに組織の成果を最大化する方法、集団戦闘力を最大化する方法について紹介します。
中小製造業における新製品開発について、自社または取引先などの「事例」をメモにまとめて講義に臨むこと。
「なぜ新製品開発が必要なのか」(石井)
・フレームワークからみる新製品の必然性
・講義概要
・講師紹介
イノベーションに繋がるアイデア創出について、自社または取引先などの「事例」をメモにまとめて講義に臨むこと。
「イノベーションの源泉としてアイデアをいかに生み出すか」(石井)
・イノベーションの概観
・イノベーションの源泉となるアイデア創出のプロセス
・アイデア創出から新製品を実現した事例
有
個別フィードバック
新製品をいかに事業化するか、そのプロセスについて、自社または取引先などの「事例」をメモにまとめて講義に臨むこと。
「新製品の事業計画を策定する」(石井)
・クロスSWOTからの事業戦略
・必要な経営資源の抽出
・事業化のための計画策定
新製品事業の評価方法について、自社または取引先などの「事例」をメモにまとめて講義に臨むこと。
「その新製品は利益を生み出すか」(石井)
・新製品事業計画の見積損益計算書作成と評価(ワークショップ)
・新製品事業評価の発表
予習:経営計画が求められる場面と計画書の種類について想定してくること。
復習: 経営計画作成ニーズと計画作成に向けた体系を整理すること。
予習:外部環境分析、内部環境分析の方法について復習してくること。
復習:ビジョンの作成と内部環境分析、外部環境分析の方法を整理すること。
予習:財務分析の指標について復習してくること。
復習:計画策定に向けた財務分析のポイントについて整理すること。
予習:経営計画作成に向けた体系を復習してくること。
復習:経営戦略の立案について整理すること。
予習:講義で触れた経営計画作成までの流れを理解してくること。
復習:立案した経営計画を見直すこと。
有
個別フィードバック
予習:立案した経営計画を見直してくること。
復習:経営計画作成における全体像を整理すること。
予習:講義で触れた経営計画作成までの流れを理解してくること。
復習:立案した経営数値計画を見直すこと。
事例をもとにした中期経営数値計画の立案①(小林)
事例をもとにして経営数値計画を作成する
予習:講義で触れた経営計画作成までの流れを理解してくること。
復習:立案した経営数値計画を見直すこと。
事例をもとにした中期経営数値計画の立案②(小林)
事例をもとにして経営数値計画を作成する
講義とグループでの検討・作業を交えて行う。
教材のプリントを配布する。
授業の中で適時指示する。
授業参画度
63 %
授業中の積極的な発言とその内容、演習の際の的確な指摘や考え方の整理・発想など [1回~2回]13% [3回~4回]13% [5回~8回]13% [9回~16回]24%
課題レポートの内容と発表する場合はそのプレゼンテーション力等
37 %
[5回~8回]12% [9回~16回]25%
経営戦略を策定後、それを基に具体的な計画を策定する必要がある。その場合、数字で将来予測をする必要があるので、その方法についても修得してもらいたい。更に、経営を取り巻く環境変化の激しさを踏まえると、そこにイノベーションの視点を組み込む必要がある。イノベーションについても基本の修得だけでなく、実際の経営戦略の中に活かすようになってほしい。