日本設計工学会誌(2024年第59巻第6号)に掲載された論文は,「先端半導体における高度設計・技術融合と技術経営戦略(AI/自然言語処理の活用事例)」です.
本論文では,初めにStokesの4象限モデルから事業価値を提起,次に産業の成長曲線を数理パラメータに落とし込み,新事業創成における全体最適のストーリー組み立ての重要性を論じています.
特に,目的とする市場領域での特許情報をもとにした回帰分析やAI・自然言語処理を有効活用したクラスタ分析を駆使した戦略立案のあり方に言及しています.
具体例として,岡本教授の専門である半導体産業に論点を移し,従前,先導技術として進められてきた微細化技術から,当該技術だけでは一義的に達成できない新分野が求められ,AI活用による計測技術,そしてChiplet・高度実装技術との融合のコンセプトを論述しています.
日本でもサブ2nm世代へ展開予定にある先端半導体について,高度設計の視点から広く技術経営思想の重要性まで最新情報をもとに分かりやすく解説されています.