#Small and medium-sized enterprises
中堅・中小企業におけるMOT(技術経営)
- 日工大MOTは中堅・中小企業を対象としており、一般的なMOTとは少しばかり意味を異にしております。中堅・中小企業は、大企業に較べて木目細かい対応・サービス、迅速な意思決定、部門間の障壁が低い、経営者の交替が少ない(弱みになるケースもあります)などで強みを持っています。反面、大企業に比べてヒト(人)、カネ(資本)、コト(事業、技術の多様性)、信頼度・ブランドなどで大きな弱みがあります。こうした中堅・中小企業の強みを活かしながら弱みを克服することが、中堅・中小企業の経営マネジメント、「経営者の腕の見せどころ」ともなり、MOTのベースとするところが異なっています。
- 中堅・中小企業は大企業のように大規模投資を伴う技術開発、技術を活かす用途開発等には限界があります。大学等のシーズを活かした新事業に挑戦(シーズ主導)しても用途開発が思うようにできず、多くの場合、成功といえる領域までには辿り着けていません。中堅・中小企業で新事業に成功している多くの事例は、社内外の課題に対処できる機器・システムなどを開発し、それを自社製品として外販しているケースです(ニーズ主導)。また、近年では、ニーズに自社技術のみで対応が難しくなれば必要な技術を持つ中小企業を探索、連携して補完しやすくなってきました。近年では、大企業もニーズ主導的な対応やオープンイノベーション指向が強まっており、MOTの考え方も徐々に変化しつつあるようです。