6月25日、今年度よりパイロット科目として導入された「MOTフィールドワークⅠ」の第2回現地実習が行われました。今回の訪問先は、本大学院の石井宏宗教授が代表を務めるサンシン電気株式会社(東京都練馬区)です。
オーナー経営者の「原風景」と「創造」の精神
プログラムの白眉は、石井教授による「オーナー経営者の精神」についての講義でした。石井教授は、幼少期に経験した父親の会社の倒産という「原風景」が、自身の経営への強い執念の源泉であると語りました。
経営の本質を「創造」と捉え、理念・事業・仕組み・未来という「4つの創造」を実践してきた軌跡、そして専門商社から開発・海外・コンサル機能を持つ「技術商社」へと転換させた25年前の戦略的決断について、熱く説かれました。特に、中国古典(四書)に根ざした「徳のある商人」という概念は、単なる営利追求ではなく、社会に価値を提供し、獲得したキャッシュを未来へ再投資するサイクルを生むという高い志を指しています。
「徳のある商人」を育む仕組みと修了生の活躍
続くプログラムでは、同社が推進する人的資本経営の核心であるEVP(従業員価値提案)について、執行役員の川口あすみ氏より解説がありました。社員を「徳のある商人(価値創造者)」として育成するための「サンシン大学」や、AIを活用した教育プログラムなど、石井教授の哲学が具体的な「仕組み」として実装されている様子が示されました。
また、本研究科の修了生(19期・20期)である執行役員の清原幸雄氏、FAE次長の古屋裕之氏も講師として登壇しました。MOTでの学びを武器に、第一線でリーダーシップを発揮する先輩方の姿は、院生たちにとって大きな刺激となりました。
現場のリアリティを体感する
講義の後は、洗練されたオフィス内覧に加え、教養を重んじる同社ならではの「ワイン研修会」も行われました。理論、技術、そして文化が三位一体となった経営現場を肌で感じる、非常に濃密な実習となりました。
参加した院生の気づき
今回の訪問は、院生が教室で学んだ「価値創造」や「人的資源管理」の理論を、経営者のパッションが溢れる「現場のリアリティ」にぶつける貴重な機会となりました。
【訪問協力】 サンシン電気株式会社(東京都練馬区) [URL: https://sanshin-ele.com/]
