中小企業のプログラム立案ケーススタディ PDF

Case Study on Program Planning for SMEs

担当教員

単位数

2単位

開講学期

秋学期

開講曜日・時限

水曜日・土曜日
※開講時限は授業カレンダーをご参照ください

位置づけ

プログラム&プロジェクトマネジメント 発展/ケーススタディ

区分

基幹科目

科目紹介

科目の重要性・必要性

企業は社会の変化に企業経営を対応させつつ、市場・顧客のニーズに応えていく必要がある。また、持続的経営には、自社の経営基盤の強化と競争力の維持が不可欠であり、継続的な経営革新の努力が欠かせない。企業は、自社の経営課題と社会のパラダイムシフトなどを踏まえながら、様々な形での経営革新の実現のため、戦略を立案し、それを実行していくことが重要である。本科目では、経営者や特定目的の組織のリーダーなどの視点から、自社、自組織の課題、経営環境の変化を把握して、経営革新などのためのプログラムを立案する方法と関連する思考法について、ケーススタディを通じて習得することを目指す。一連の授業を通じて、経営革新などの観点から重要と考えられる昨今のパラダイムシフトを理解し、その環境下でどのように経営に変化を与え、新しい価値を創造するのか、自社変革のためのプログラム立案のためのアプローチを理解するとともに、昨今の国際社会のトレンドでもあるSDGs、ESG投資、インパクト投資、インパクト評価、多様性、ウェルビーイング経営、など、自社の社会的価値の向上や持続発展性に不可避のテーマについての理解を深める。

本科目では、経営を考える上で不可避の統計データ・数字や国内外の新しいトレンドを可能な限り取り込む授業を目指している。

科目の目的

企業の経営課題と社会のパラダイムシフトを考えながら、自社の経営革新のためのプログラムをどのように立案するのか、様々なケースを学びながら、その方法とプロセスを理解し、自分自身でもプログラム立案しながら、実践で活用できるようになることを目的とする。春学期、夏学期で習得したプログラム&プロジェクトマネジメントの知識を自社、自組織、自身の変革、社会課題などの解決という実践に生かすために必要な知識、手法などを習得する。

到達目標

自社あるいは、自分が抱える課題を踏まえ、実際に経営革新のためのプログラムの立案ができるようになり、プログラム&プロジェクトマネジメントを経営の視点から実践で応用できるようになることを目標とする。本授業では、昨今のパラダイムシフト、社会の動向などを分析した上で、プログラムの立案に必要な知識・情報を学びつつ、個々にテーマを設定し、実際のプログラム立案までを行う。

受講してもらいたい院生

実際の経営に経営者あるいは、幹部として参加している院生、企画担当で新しい事業展開、技術革新などの取り組みを担う院生、新しいビジネスモデルで起業したい院生、あるいはSDGs、ESG投資や社会課題の解決などのテーマを自社の取り組みに取り入れたいと考えている院生、など。

授業計画

1 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

春学期のミッション達成型事業マネジメント概論及び夏学期のミッション達成型事業マネジメント実践化演習の授業の全体像を再確認するとともに、現在自社を取り巻く環境の中で経営課題として認識すべきことにどのようなものがあるかを洗い出してみることをした上で授業に臨む。受講後、講義資料を復習し、授業で提示した問題提起と視点の内容につき理解を深める。

授業内容

イントロダクション/企業を取り巻く状況/企業変革・新しい価値創造のための視点・発想法


イントロダクションとして、授業の全体像と講義に臨む上での基本姿勢を説明した上で、現在の企業を取り巻く状況を統計データなども交えながら概観し、経営に影響を与えるパラダイムシフトについて考えながら、この科目を通じての問題提起を行う。同時に企業経営とプログラムの関係について再確認し、プログラム立案に向けた基本的枠組み、経営理念と経営戦略、企業の能力(生産性、イノベーション、競争力、ブランド力)、企業理念の具体事例など、企業変革、新しい価値の創造に向けた取り組みを考えるための視点や発想法を理解する。

課題有無

課題フィードバック方法

その他

フィードバック内容

授業中に説明する個人発表を準備し、第3回・第4回の授業で発表の上、発表資料を提出。個人発表ごとにクラス討議を行い、その際担当教員からフィードバックのコメントも行う。

2 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため、第1回の記載事項と同じ

授業内容

連続授業のため、第1回のところに、第1回・第2回の内容を記載

3 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

個人課題の発表の準備を行う。自社あるいは自身が現在関心のあるテーマ(技術、企業や自身の課題、社会課題、その他関心のあること、など)を決め、そのテーマの概要についてプレゼン資料にまとめる。受講後、自身の発表に対する他の院生や教員の意見などを通じて得られた気づきなどを次のステップのプログラム立案に向けて整理しておく。また、他の院生の発表内容で自身の気づき、学びになった点についても整理しておく。

 

 

 

授業内容

個人発表/新しいビジネスプログラムを考えるためのフレームワーク

 

前半は、個人発表、質疑応答、クラス討議を行う。後半では、今後企業変革などを目指すプログラム立案を考える上で有益なビジネスフレームワークや国内外の動き、事例などについて学ぶ。

4 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため、第3回の記載事項と同じ

授業内容

連続授業のため、第3回のところに、第3回・第4回の内容を記載

5 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

CASE、DX、GX、SXという国内外の大きな動きについて、自身の問題意識を予め整理した上で授業に臨む。受講後、講義資料を復習し、経営環境の変化として認識が必要なこれらの国内外の動きについて、自身や自社に与える影響などを考えながら、理解を深める。

 

 

授業内容

経営環境の変化として影響のある動き(CASE、DX、GX、SX)

 

CASE、DX、GX、SXといった多くの企業の経営環境の変化として認識が不可避なパラダイムシフトの現状について理解するとともに、実際の取り組みの事例より、どのような動きや考えるべき視点があるのかについて理解する。後半の部分では、これらをテーマとしてクラス討議を行う。

 


 

6 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため、第5回のところに、第5回・第6回の内容を記載

授業内容

連続授業のため、第5回のところに、第5回・第6回の内容を記載

7 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

SDGsの理解を確認しつつ、自身や自社とSDGsとの関係SDGsとの関係でやってみたい活動などを予め考えてみた上で授業に臨む。授業後は、ゲストスピーカーの講演内容の振り返りとともに、講義資料を復習し、企業と社会課題、非財務的価値、無形資産などについての理解を深める。

 

 

授業内容

企業のSDGsへの取り組み/企業と社会課題・非財務的価値・無形資産

 

前半は、ゲストスピーカー(中小企業のリソースによるSDGsへの取り組みを予定)の講義、質疑応答、クラス討議を行う。後半は、企業とSDGsの取り組みについての考え方、企業と社会課題、非財務的価値、無形資産といった内容について学ぶ。

 

 

 

8 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため、第7回のところに、第7回・第8回の内容を記載

授業内容

連続授業のため、第7回のところに、第7回・第8回の内容を記載

9 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

人的資本とは何か、今後目指すべき組織像とはどのようなイメージか、という点を予め考えた上で授業に臨む。授業後は、ゲストスピーカ―の講義内容を振り返るとともに、講義資料を復習し、人的資本、組織について考えるべき視点について理解を深める。

 

 

 

授業内容

人的資本・多様性・業務改革/ESG

 

前半はゲストスピーカーによる講義(人的資本・多様性・業務改革を予定)、質疑応答、クラス討議を行う。後半は、経営課題としての人的資本、組織のあり方、組織を取り巻く関係者を含むエコシステムについて学ぶ。

 

10 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続事業のため、第9回のところに、第9回・第10回の内容を記載

授業内容

連続授業のため、第9回のところに第9回・第10回の内容を記載

11 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

まずは社会課題にはどのようなものがあるか、自身の生活や自社に関連しそうな課題をいくつか抽出してみる。その上で自身や自社がその社会課題の解決にどのようなことができるか、あるいはビジネスとして解決する余地がないか、少しイメージを整理した上で授業に臨む。ゲストスピーカーは修了生で社会課題をビジネスで解決するテーマを取り上げている。今回の内容は、特定課題研究で取り組んだ上で、さらに修了後に試行錯誤しながら仕事を通じて取り組んでいる内容を含んでいる。自身の特定課題研究にも参考になる部分があると考えられるところ、自身が特定課題研究にて直面している課題などについても整理しておき、修了生の講義に関連する部分があれば、適宜質問をすることも可能。授業後は、ゲストスピーカーの講義内容を振り返るとともに、講義資料を復習し、自身や自社と社会課題というテーマについて、理解を深める。

授業内容

企業経営と社会課題

 

前半は、ゲストスピーカ―による講義(高齢化社会問題に取り組んだ修了生の特定課題研究に修了後のフォローを加えた内容を予定)、質疑応答、クラス討議を行う。後半は、様々な社会課題の実情について把握しつつ、ビジネスを通じて社会課題を解決するというテーマにつき、事例も学びながら、理解を深める。

12 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため、第11回のところに、第11回・第12回の内容を記載

授業内容

連続授業のため第11回のところに、第11回・第12回の内容を記載

13 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

個人発表(プログラム立案内容)
第3回、第4回で個人課題として取り上げたテーマに基づき、自社あるいは自身の変化のためのプログラムを立案するプレゼンを準備する。プログラムはロジックモデルのフレームワークなどを活用し、現状からあるべき姿を導く、シナリオを提案する。受講後、クラス討議を通じて得られた意見なども踏まえ、プログラム立案からの学びを確認・整理しておく。

授業内容

個々のプログラム立案内容を発表し、その内容に対してクラス討議を行う。クラス討議を通じて出て来た質疑の内容や意見からの気づきを適宜個人のプログラム提案書に反映する。他の院生の発表に対し、積極的に質問、意見を述べるとともに、様々な気づきを自身の学びとする。

課題有無

課題フィードバック方法

その他

フィードバック内容

個人発表に対し、クラス討議を行うとともに、適宜担当教員からもコメントする。

14 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

連続授業のため、第13回のところに、第13回・第14回の内容を記載

授業内容

連続授業のため、第13回のところに、第13回・第14回の内容を記載

課題有無

課題フィードバック方法

その他

フィードバック内容

個人発表に対し、クラス討議を行うとともに、適宜担当教員からもコメントする。

15 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

第1回~第14回までの講義の内容を振り返りつつ、自身の理解を確認し、理解不足があると認識される部分があれば、必要に応じ第15回の授業において質問を行う。

授業内容

全体の振り返りと総括ディカッション
中小企業のプログラム立案の方法とプロセス、授業で取り上げたケース、昨今のパラダイムシフトなど、授業の全体のまとめを行うとともに、クラス全体で今後の発展に向けた総括的ディスカッションを行う。

 

 

授業方法

経営戦略に影響を与える昨今の動き、特にパラダイムシフトについては、可能な限り新しい情報で授業の中で提示する。その内容も参考にしつつ、各院生は個人の課題を定め、個人発表とクラス討議により、その課題を考察していき、最終的に自社の変革のためのプログラムを立案する。プログラム立案のヒントになるような事例の紹介を目的としてゲストスピーカーへの講演依頼も予定している。ゲストスピーカーについては、現在のシラバスでは2としているが、授業の進捗や受講者のニーズを踏まえ、3名となる可能性がある。また、受講者の設定する課題を踏まえ、授業の内容については一部シラバスからの変更があり得る。

テキスト

パワーポイントなどの資料配布を行う。

参考図書

プログラムマネジメントの関係図書として次のようなものがあるが、その他、本授業に関連する参考図書は授業中に適宜紹介する。

  • 「実践プログラムマネジメント」(吉田邦夫・山本秀男、日刊工業新聞社刊 ISBN978-4-526-07227-7)
  • 「P2Mプログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」(日本プロジェクトマネジメント協会編、日本能率協会マネジメントセンター刊、ISBN978-4-8207-4887-8)

成績評価

評価の視点
評価
ウェイト
備考

第3回・第4回の時の個人発表の内容

30 %

授業を通じて2回発表を行う。1回目は、第3回・第4回の授業行う。課題を設定し、その設定理由、課題の概要と論点についてプレゼンを行う。2回目は、1回目に設定した課題を解決するプログラムを立案し、発表を行う。課題把握の的確性、論点の明確性、提案内容の説得力などを評価する。ただし、大学のルールに従い、クラスの平均値を75点とする相対評価(達成度ではなく、クラスの中での相対順位)にて評価を行う。

第13回・第14回の時の個人発表の内容

50 %

授業を通じて2回発表を行う。1回目は、第3回・第4回の授業行う。課題を設定し、その設定理由、課題の概要と論点についてプレゼンを行う。2回目は、1回目に設定した課題を解決するプログラムを立案し、発表を行う。課題把握の的確性、論点の明確性、提案内容の説得力などを評価する。ただし、大学のルールに従い、クラスの平均値を75点とする相対評価(達成度ではなく、クラスの中での相対順位)にて評価を行う。

授業への参画姿勢、クラス討議への参画姿勢などを評価する。

20 %

本科目では、教員と院生、院生同士の積極的な意見交換を重視している。2回想定されている発表では、発表に対する質疑応答だけでなく、発表者からクラスのメンバーに逆に質問を投げかけるなど、双方向での活発な意見交換を期待している。ただし、大学のルールに従い、クラスの平均値を75点とする相対評価(達成度ではなく、クラスの中での相対順位)にて評価を行う。

合計
100%

受講生へ授業科目のアピールポイント、必要な基礎となる科目の履修や知識・スキル

自社の経営に影響を与えると思われる様々な国内外の動きを新聞やネット情報などを通じ注視しつつ、世の中でどのようなパラダイムシフトが起きているのか、その環境下で自社はどう変化する必要があるかなど、自分なりの意見を持ってから、参加することを期待している。各院生が自分自身が関心のあるテーマについて、問題提起するとともに、クラスでの討議を通じ、そのテーマに対する考察を深め、その討議の成果も踏まえて、プログラムを立案していくことを想定している。活発なクラスの議論がより各院生の提案内容のブラッシュアップにつながっていくような活力のある授業運営を考えている。

その他

春学期の「ミッション達成型事業マネジメント概論」、夏学期の「ミッション達成型事業マネジメント実践化演習」は、基礎→応用→ケーススタディという一連のつながりのある科目であるため、一緒に受講していることが望ましい。

<受講方法について>

中村が担当する授業では、個人の多様性と個々の院生の多様な事情を尊重する立場をとっています。体調、育児、介護、家事、仕事などの様々な事情との両立が可能となるよう対面・オンラインのいずれの受講形式を選択してもそん色の無い授業デザイン・運営に心がけています。所定の出席回数が確保されれば、受講形式によって成績評価上も影響しません。受講形式を個人の事情に応じ、選択しながら、授業と個人の様々な事情との両立を実現してください。

CONTENTS

おすすめコンテンツ

技術経営専攻

本大学院では、キャリアアップを目指すビジネスマンが「技術経営(MOT)」を学んでいます。どのコースにするか悩んだら専攻ナビをやってみよう!

入試情報

オープンキャンパス

日本工大MOTは、どのような学びの場なのかを直接確認できる場として開催