中小製造業の診断・指導を行う場合、事業特性に見合った的確な手法を選択した客観的な現状把握と、改善案の具体的な立案見本を示すことが必要となる。そのためには正確かつ具体的に現状把握することが求められる。
現状把握は、企業から提出される資料ばかりではなく、一次情報を企業等から取り寄せることに加え、自ら測定して集計分析することも必要となる。この科目では、主要な測定集計分析手法の、現場での応用の仕方について学ぶ。
工場診断で定石となる基本的な手法について、その理論を理解した上で、診断の場面で応用して活用できる様にすることを目的とする。
講義の中では、基本となる理論を説明した後に、単純化したビジネスゲームやケース課題を使った実務演習を行う。現実の診断の場では、さらに応用する必要がありますが、実務演習によって理論を応用する能力を獲得することを目的とする。
中小企業・小規模事業者に対して、工場の製造・事務の現場に関する問題発見を促し、自ら改善できるように導けるようになることを目指す。
QC的問題解決、作業の合理化、レイアウト改善、コスト改善、原価計算の現状把握と改善案を考えて提案できるようになることを目標とする。
実務的な生産管理を全般的に学びたい院生
(予習)診断実習の経験から、機密に触れない範囲で製造業の現状把握に使った手法とその結果何がわかったかを整理してきてください。(自分が担当したことではなく、班全体として)
(復習)診断実習の留意点と全体のプロセスについて復習してください。
工場診断の進め方・QC的問題解決(1)(講義とワークショップ)
・工場診断の概要
工場診断の全体プロセス、設備型工場と労働集約型工場での工場の診断の視点や、現地調査での具体的な手法との関連性を学ぶ。演習方法としては、工場診断の場合大局的な視点から工場の特性に合わせた重点を絞り込み。加えて管理目標と手法として、QCD、4M、PQCDSME、5S、3S、5W1Hと歩留と直行率といった基礎知識の確認を行う。事前に提供される財務状況を分析し、その事業特性に応じた仮説を立案、仕入れた素材に付加価値をつけて出荷する流れについて学ぶ。
(予習)中小製造業の問題点について予習しておいてください。
(復習)QC7つ道具と新QC7つ道具について復習してください。
工場診断の進め方・QC的問題解決(2)(講義とワークショップ)
・現状分析の手法
QC7つ道具と新QC7つ道具の分析対象と場面について学ぶ。演習方法としては、中小製造業における分析ケースを活用し、それぞれの手法の活用について理解する。
(予習)中小製造業の問題点について予習しておいてください。
(復習)QC7つ道具と新QC7つ道具について復習してください。
工場診断の進め方・QC的問題解決(3)(講義とワークショップ)
・QC7つ道具①
演習を通して、ヒストグラムの作り方、見方、規格・目標との比較方法について学ぶと共に、パレート図の作り方、主な分析項目、度数項目、見方について学ぶ。
また散布図、特性要因図の使い方についても学ぶ。演習方法としては、中小製造業における分析ケースを活用し、それぞれの手法の活用について理解する。
(予習)中小製造業の問題点について予習しておいてください。
(復習)QC7つ道具と新QC7つ道具について復習してください。
工場診断の進め方・QC的問題解決(4)(講義とワークショップ)
・新QC7つ道具
演習を通して、親和図法、連関図法、系統図法を学び、数値化が難しい問題に対する発想方法を考察する。演習方法としては、中小製造業における分析ケースを活用し、それぞれの手法の活用について理解する。
(予習)製造業における動作の合理化や動作の適正化について予習しておいてください。
(復習)製造業における動作の合理化や動作の留意点について復習してください。
製造システムの管理・改善(1)(講義とワークショップ)
・製造システム①
動作の合理化や動作の適正化、材料・工具の置き方、動作負荷軽減など作業員の動作の合理化について学ぶ。演習方法としては、ケースを活用して実施。製造業だけでなく、非製造業のケースも用いる。
(予習)作業の合理化や工程編成の改善について予習しておいてください。
(復習)作業の合理化や工程編成の改善について復習してください。
製造システムの管理・改善(2)(講義とワークショップ)
・製造システム②
作業の合理化や工程編成の改善について学ぶ、工程編成の改善では、生産形態からの品種別編成と機能別編成の違いについて学ぶ。演習方法としては、ケース問題を活用して実施。
(予習)製造業における職場レイアウトについて予習しておいてください。
(復習)製造業における職場レイアウトの改善点について復習してください。
製造システムの管理・改善(3)(講義とワークショップ)
・生産システム職場レイアウトと運搬改善①
職場レイアウトの基本策と改善方法について学ぶ。
運搬改善では、顕在的運搬と潜在的運搬の違いと活性示数、運搬の改善方法について学ぶ。演習方法としては、ケース問題を活用して実施。
(予習)製造業における職場レイアウトについて予習しておいてください。
(復習)製造業における職場レイアウトの改善点について復習してください。
製造システムの管理・改善(4)(講義とワークショップ)
・生産システム職場レイアウトと運搬改善②
職場レイアウトの基本策と改善方法について学ぶ。
運搬改善では、顕在的運搬と潜在的運搬の違いと活性示数、運搬の改善方法について学ぶ。演習方法としては、ケース問題を活用して実施。
(予習)製造業における職場レイアウトについて予習しておいてください。
(復習)製造業における職場レイアウトの改善点について復習してください。
製造システムの管理・改善(5)(講義とワークショップ)
・生産システムの改善①
第5回目から8回目の講義で取り上げた動作の合理化と、レイアウト改善について事例問題をチームで検討する。事例問題については、金属精密加工業の現場VTRを使用する。
(予習)製造業における職場レイアウトについて予習しておいてください。
(復習)製造業における職場レイアウトの改善点について復習してください。
製造システムの管理・改善(6)(講義とワークショップ)
・生産システムの改善②
第9回目の続き。金属精密加工業の現場VTRからを使用する。作業の合理化や工程編成の改善について事例問題をチームで検討し、発表する。発表後に講師講評を通じて理解を深める。
(予習)多能工化について予習しておいてください。
(復習)多能工化のプロセスについて復習してください。
管理システムの管理改善(1)(講義とワークショップ)
・能率管理
能率管理の指標と生産性向上の基本的な考え方を学ぶ。多能工化を進めるための手順と、分析手法についてケースを通じて学ぶ。
(予習)生産活動に直接的に関連する財務面の主要な指標について予習しておいてください。
(復習)生産活動に直接的に関連する財務面の分析方法について復習してください。
管理システムの管理改善(2)(講義とワークショップ)
・コスト管理手法
生産活動に直接的に関連する財務面の主要な指標と、生産性の主要な管理指標について学ぶ。財務面の指標としては、売上高利益率、売上高原価係数、限界利益率、従業員効率について取り上げ、生産性の指標としては時間稼働率、不良率、納期延滞率、在庫回転率について取り上げる。
(予習)原価計算の計算方法について予習しておいてください。
(復習)原価計算の留意点について復習してください
管理システムの管理改善(3)(講義とワークショップ)
・原価管理
現実の工場診断で活用できる原価計算について学ぶ。
具体的には、標準原価、実際原価、直接原価計算の違いと算出方法について学ぶ。演習方法としては、ケース問題を活用して実施。
(予習)原価計算の計算方法について予習しておいてください。
(復習)原価計算の留意点について復習してください
管理システムの管理改善(4)(講義とワークショップ)
・原価管理に関するケース演習
中小製造業の企業情報をもとに財務諸表から原価計算まで分解していく実務を学ぶ。演習はケースを活用しチームに分かれて実施。
有
全体へのフィードバック
(予習)原価計算の計算方法について予習しておいてください。
(復習)原価計算の留意点について復習してください
管理システムの管理改善(5)(講義とワークショップ)
・原価管理に関するケース演習
第15回目講義の続き。
中小製造業の企業情報をもとにした演習問題をチームに分かれて発表し、講師講評を通じて理解を深める。
有
全体へのフィードバック
(予習)中小製造業にむけた生産マネジメントの実行計画についについて予習しておいてください。
(復習) 中小製造業にむけた生産マネジメントの実行計画について復習してください。
管理システムの管理改善(6)(講義とワークショップ)
・管理システムの管理改善についてのまとめ
中小製造業にむけた生産マネジメントの実行計画について学ぶ。実行計画においては計画、指導、実行におけるそれぞれの課題について中小企業製造業の特性から考察する。
有
全体へのフィードバック
基本的な内容の講義の後に、個人またはグループで演習を行い、
その後成果について発表し、最後にフィードバックする。
・和菓子製造、販売小売業D社のケース(工場診断の進め方)
・機械金属加工業の製造現場VTRを使用(製造管理システムの管理・改善)
講義は担当教員が作成したオリジナルテキストを使用する。(なお、資料によっては必要に応じOffice365に事前・事後アップする。)
演習ケースについては、適宜配布します。電子媒体で配布する場合もあります。
現場管理者のための7つ道具集 実践経営研究会監修 日刊工業新聞社 978-4526030024
原価低減七つ道具 実践経営研究会編 日刊工業新聞社 ISBN:978-4526034602
目で見て進める工場管理 岡田貞夫著 日刊工業新聞社 ISBN:978-4526035562
QC七つ道具 細谷克也著 日科技連 ISBN:978-4817104182
QC的問題解決法 細谷克也著 日科技連 ISBN:978-4817104403
発表内容(グループ討議、個人取り組み課題) 発表内容の合理性、論理性、独自性について評価する。わかりやすくビジュアル表現できているかも評価する。
60 %
グループ討議への参画度合い、取り組み姿勢 自分のアイデアを積極的に出せているかを評価する。雑務を引き受けたりする貢献については評価しない。
40 %
分析集計などでパソコンを使いますので、エクセル等表計算ができるパソコンを持参してください。
表計算を多用しますので、エクセルの使い方の基本的なことはマスターしておいてください。
シラバスの講義内容は、一部変更する場合がある。
変更の場合は、各教員の講義初日に改めて説明を行う。