(コンサルタントのコミュニケーションスキル)
中小企業診断士は、クライアントの伴走者であり、決して上下の関係ではない。経営者の真意、ビジョンや想い、悩み・迷いなどを十分に把握することが的確な提案と前向きな実行に繋がる。そのため、コンサルティングにあたっては、経営者・従業員との信頼関係を構築するための円滑なコミュニケーションが重要となる。本科目では実務で用いるためのコミュニケーションスキルを学ぶ。
(コンサルティングプロセス)
中小企業を取り巻く環境は、複雑かつ多様化し、中小企業診断士の支援のあり方も変化している。従来の課題解決型の支援方法に加えて、企業(経営者)が抱える本質的な課題設定を共に考える姿勢が求められ、重要とされている。本科目では、伴走支援の具体的なプロセスを会得し、企業の自走化を促すスキルを身に付ける。
本科目では、中小企業診断士や経営コンサルタントとして中小企業を対象とした経営診断や助言の業務に携わっていくために、知っておくべき経営診断の手順やコミュニケーションのスキルを修得する。
(コンサルタントのコミュニケーションスキル)
果的な診断・伴走支援には、コミュニケーションスキルが重要であることを理解する。また自身のコミュニケーションスタイルを意識しつつ、コンサルタントに求められるコミュニケーションスキルを習得する。そして支援の場で効果的なコーチングやファシリテーションができるようになる。
(コンサルティングプロセス)
本科目前半で習得するコミュニケーションスキルを踏まえ、経営者の問題課題意識形成のフェーズに合わせたコンサルティングプロセスを理解する。またケース事例をもとに、実践的な支援とは何かを体得する。
(コンサルタントのコミュニケーションスキル)
コミュニケーションスキル習得の必要性を理解し、効果的な関係構築ができるようになる。また経営者との対面の場、グループミーティングの場で的確なリードが取れるようになることを目標としている。
(コンサルティングプロセス)
中小企業診断士として、中小企業支援の多様なケースにおいて、自力で支援方針を立てることができるようになる。また支援時の起こる想定外の出来事を俯瞰し、柔軟に方向転換できるようになることを目標としている。
コンサルタントとして、中小企業の支援を希望する院生
【コミュニケーションスキル】
予習:初回は予習不要
復習:授業中に学んだ内容について、自身でも調べて理解を深めておく
コミュニケーションスキル(1)(講義とディスカッション)
・インタビュースキル①
中小企業への診断におけるコミュニケーションの進め方を確認し、診断のためのInput/Throuput/Outputとコミュニケーションスキルの全体像について把握する。
連続授業のため前回と同じ
コミュニケーションスキル(2)(講義とワークショップ)
・インタビュースキル②
中小企業への診断におけるインタビューの進め方を学ぶ。仮説の設定、インタビューの設計、有効なインタビューのための雰囲気づくり、質問のパターンなどを理解し、言葉の選び方、「伝えた」と「伝わった」との違いについて考察する。演習方法としては、ロールプレイングで実施。
予習:連続授業なので前回と同じ
復習:授業の内容を振り返る
コミュニケーションスキル(3)(講義とワークショップ)
・インタビュースキル③
中小企業への診断におけるインタビューの進め方を学ぶ。具体的には、診断実習におけるインタビューの進め方(仮説構築→項目設定→予約→実施→検討)を一つひとつ確認する。演習方法としては、ロールプレイングで実施。
予習:連続授業なので前回と同じ
復習:授業の内容を振り返る
コミュニケーションスキル(4)(ワークショップ)
・インタビュースキル④
中小企業への診断におけるインタビューの進め方を、演習を通して学ぶ。
診断実習におけるインタビューの進め方(仮説構築→項目設定→予約→実施→検討)について、仮説の設定、インタビューの設計、有効なインタビューのための雰囲気づくり、質問のパターンなどチームに分かれてロールプレイングで実施する。
予習:連続授業なので前回と同じ
復習:授業の内容を振り返る
コミュニケーションスキル(5)(講義とディスカッション)
・インタビュースキル⑤
インタビューを実施する際の聞き取りと質問の技術について学ぶ。通常のインタビューとコーチングやファシリテーション型のコミュニケーションの活用場面の違いを理解する。診断実習におけるコーチングやファシリテーションを使った場面を想定しコミュニケーションスキルについて学ぶ。
予習:連続授業なので前回と同じ
復習:授業の内容を振り返る
コミュニケーションスキル(6)(講義とワークショップ)
・インタビュースキル⑥
インタビューを実施する際の聞き取りと質問の技術を、演習を通して学ぶ。
演習方法としては、診断実習におけるコーチングやファシリテーションを使った場面を想定し、コミュニケーションスキルについて、チームに分かれてロールプレイングで実施する。
有
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予習:連続授業なので前回と同じ
復習:授業の内容を振り返る
コミュニケーションスキル(7)(講義とディスカッション)
・プレゼンテーションスキル①
プレゼンテーションの進め方について学ぶ。
事前準備3P(目的、相手、場所)、シナリオの作成、資料の作成、インタラクション準備の仕方について学ぶ。演習方法としては、ケース問題を活用してチームで実施。
有
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予習:連続授業なので前回と同じ
復習:授業の内容を振り返る
コミュニケーションスキル(8)(講義とワークショップ)
・プレゼンテーションスキル②
プレゼンテーションスキルにおける言葉の選び方、言葉の届け方、ボディーランゲージの使い方について学ぶ。演習方法としては、ケースを活用して実施。
予習:初回は、なし
復習:コンサルティングプロセスの基本について振り返り、ケースについての理解を深める
コンサルティングプロセス(1)(講義とディスカッション)
・コンサルティングプロセスの全体像の把握
中小企業診断士の企業への活動領域と、標準的なコンサルティングプロセスの全体像ついて学ぶ。
連続授業のため、前回と同じ
コンサルティングプロセス(2)(講義とワークショップ)
・コンサルティングの進め方と留意点①
支援者としての心得からコンサルティングの基本を学ぶ。
・クライアントの経営システムの把握
経営システムを備えている企業と備えていない企業との違いについて学ぶ。それがコンサルティングプロセスとしてどう異なるかを理解する。
演習方法としては、ケースを活用して実施。
予習:前回のテキスト・講義内容を見直す
復習:伴走支援にかかる知識を見直し、ケース演習で議論した内容を自分なりに整理しておく
コンサルティングプロセス(3)(講義とワークショップ)
・コンサルティングの進め方と留意点②
コンサルティングの進め方について学ぶ。
具体的には、ファーストコンタクト(引き合い、予備調査、面談までの準備)、経営診断の視点(7S、経営機能における診断)、プロポーザル(プロポーザルの内容)、契約から課題解決、サポート、フォローアップの一連の流れについて学ぶ。演習方法としては、ケースを活用して実施。
連続授業のため、前回と同じ
コンサルティングプロセス(4)(講義とワークショップ)
・コンサルティングの進め方と留意点③
問題と課題の違いについて学ぶ。また課題を捉える視点(見える、探す、創る問題の違い)問題解決のプロセス問題発見のアプローチについて考察する。
演習方法としては、ケース問題を活用して実施。
有
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予習:ケース演習の与件文に目を通しておく
復習:様々なタイプの経営者ケースについて、支援プロセスを自身で振り返る
コンサルティングプロセス(5)(講義とワークショップ)
・中小企業へのコンサルティングアプローチ①
経営システムが明確な企業のコンサルティングプロセスの計画について、ファーストコンタクト、経営診断の視点、プロポーザル、契約から課題解決、サポート、フォローアップの一連の流れを学ぶ。演習方法としては、ケース問題を活用し、チームに分かれて実施。
連続授業のため、前回と同じ
コンサルティングプロセス(6)(講義とワークショップ)
・中小企業へのコンサルティングアプローチ②
第5回の続き。
経営システムが明確な企業のコンサルティングプロセスの計画を、ケース演習を通してチームで発表し、一連の流れの中でどこに留意点があるか講師講評を通じて理解を深める。
有
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予習:支援スキルの活用法を見直しておく。総合ケース演習の与件文を読む
復習:総合ケース演習について、自分の考えと他者の考えを比較しケースへの理解を深める
コンサルティングプロセス(7)(講義とワークショップ)
・中小企業へのコンサルティングアプローチ③
経営システムが明確でない企業のコンサルティングプロセスの計画を、ケース演習を通してチームで議論する。経営システムが明確な企業と比較して、経営者の問題課題認識を高めることが必要で、戦略、組織、プロセス、資源などの問題課題について如何に気づきを与えるかを理解する。
有
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連続授業のため、前回と同じ
【コンサルティングプロセス(8)(講義とワークショップ)
・中小企業へのコンサルティングアプローチ④(ワークショップ)
第7回の続き。
経営システムが明確でない企業のコンサルティングプロセスの計画を、ケース演習を通してチームで発表し、講師講評を通じて理解を深める。経営者の問題課題認識を高め、戦略、組織、プロセス、資源などをどのような順番で整備し、経営システムを構築するかのシナリオを理解する。
有
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【コミュニケーションスキル】
座学及びロールプレイング等の演習を含め実践的な技術の習得を図る。
【コンサルティングプロセス】
座学で支援プロセスについての知識を習得し、ケース演習を通じた個人、グループワーク、全体討議で知識の定着を図る
【コミュニケーションスキル】
講義は担当教員が作成したオリジナルテキストを使用する。(なお、資料によっては必要に応じOffice365に事前・事後アップする。)
【コンサルティングプロセス】
・小売業Bのケース(経営システムが明確な企業)
・飲食業Fのケース(経営システムが明確でない企業)
講義は担当教員が作成したオリジナルテキストを使用する。(なお、資料によっては必要に応じOffice365に事前・事後アップする。)
【コミュニケーションスキル】
末田清子・福田浩子『コミュニケーション学/その展望と視点』松柏社 ISBN:9784775401774
【コンサルティングプロセス】
適宜紹介する。
授業への参画姿勢 授業中の参画姿勢や他者とのコミュニケーション力を評価します。
60 %
発表や課題の内容 講義で学習した内容が、発表や提出課題に活かされているか評価します。
20 %
発表や提出課題の内容 聞き手や読み手を意識した言語表現、コンサルタントとしての適性を評価します
20 %
【コミュニケーションスキル】
コンサルタントは、中小企業との信頼関係をいかに早く築けるかでその後の進捗度合いが違います。中小企業の経営者から信頼される診断士になるためのコミュニケーションについて、皆で一緒に考えながら学びましょう。
【コンサルティングプロセス】
経営コンサルティングの現場は、人間同士が全人格で向き合う真剣な場です。支援者としては、人の機微にふれる繊細さと事業の方向付けをする思い切りの良さも必要です。授業では、学生同士の意見交換の場を多く取り入れていきます。コンサルティングのシミュレーションをするつもりで取り組んでみてください。
シラバスの講義内容は、一部変更する場合がある。
変更の場合は、各教員の講義初日に改めて説明を行う。