NIT MOT Letter #24

退任にあたって

  • 近江 正幸
  • 2018年03月19日

日本工業大学専門職大学院の設立と同時に赴任し、3月で13年になります。社会人を対象に夜間と土曜日に開講され、専攻がMOT(技術経営)、しかも1年制という何もかもユニークな大学院で、会計学を教えることになりました。

初めは戸惑いました。同僚の先生方は、昼間は他の職場で役員やコンサルタント等として活躍している実務者教員が多数で、私のように長年、大学で教育職として働いてきた教員は少数でした。学生も平均40歳前後で、私よりも年を取っている人生経験豊かな院生も珍しくありませんでした。そして1年で学生が全て入れ替わり、夏休み、冬休み、春休みといったインターバルはほとんどなく、学期が終了するとすぐに新学期が始まるといった早いテンポに慣れるまで時間がかかりました。

しかし、同僚の先生方の学識・実務経験は素晴らしく、大いに触発されました。私も、昼間は全国漁業協同組合連合会(全漁連)・全国監査機構の監査委員長を務め、今年で10年になります。思いもかけず、いつしか私も実務家教員の仲間に入っていました。

また、学生の皆さんは勉強熱心で、授業内容を聞き漏らさないように集中する姿に、教える私も緊張した記憶があります。驚くことに、13年間の授業で、私語など聞いたことがありません。

私は、勉強という努力の力を信じています。無駄な勉強と感じていた分野やテーマが、後で非常に役立ったという経験を何度もしました。学生の皆さんは、大学院のカリキュラムを信じ、リカレント教育に大いに励んでください。きっと将来の人生に花が咲き、果実の収穫が待っています。

卒業生の皆さんに対しても、大学院は様々な方法で、皆さんの知的欲求に応えるエベントをこれからも提供し続けます。大学院を利用し、勉強を継続してください。

水産業改革が社会的な課題となりつつある昨今、漁業協同組合グループに対する監査の仕事も変革の波を受けつつあります。全漁連・全国監査機構の責任者として、もう少しの間、社会的貢献をしていく覚悟です。

私は3月末で大学院の専任教授を退任しますが、4月からは特任教授として会計学等を担当します。

卒業生や新しく入学する院生の皆さんとお会いできる機会を得られ、新学期が楽しみです。

次号(No.25)は 浪江 一公教授 が執筆予定です。

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