昨年の三月にこのレターで、故ピーター・ドラッカーが提唱する自分の強みを理解する方法について書いた。自分が一年間でやろうと思うことをメモにして、一年後に振り返り本当に実行出来たものが強みであるという内容だった。実際に昨年の正月にメモを作って今年の正月に振り返ってみた。どんなメモだったかはお恥ずかしいので省かせて頂くが、なるほどと思う気づきがあったので紹介させて頂ければと思う。
昨年の三月にこのレターで、故ピーター・ドラッカーが提唱する自分の強みを理解する方法について書いた。自分が一年間でやろうと思うことをメモにして、一年後に振り返り本当に実行出来たものが強みであるという内容だった。実際に昨年の正月にメモを作って今年の正月に振り返ってみた。どんなメモだったかはお恥ずかしいので省かせて頂くが、なるほどと思う気づきがあったので紹介させて頂ければと思う。
今年の正月には「両利きの経営」(チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン、東洋経済新報社)を再度読んだことに影響されて、「探索」と「深化」の視点で整理して振り返ってみた。この本は読まれた方も多いと思うが、イノベーションを起こすためには、自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする行為である「探索」と、成功しそうなものを見極めて、それを深堀し、磨き込んでいく活動である「深化」の両方が必要という内容が書かれている。
一年後の振り返りで分かったのは、「深化」のテーマは継続して取り組めているが、「探索」の方はほとんど取り組めていないということだ。「深化」については、自分が授業や研究などで取り上げたり、ビジネスで関わっている案件を発展させたり深めたりするテーマが書いてあった。一年間のスケジュールがあるテーマも多く結構取り組めていた。それに対して「探索」の方は、例えば「語学を学ぶ」というテーマがメモにあったが、昨年正月にテキストを買ってそのままになっている。「両利きの経営」には、目先の利益のためにどうしても「深化」が優先されてしまう、ということが書かれているがまさにその通りになってしまったようだ。「深化」出来たテーマが強みだといってしまえばその通りだが、それだとイノベーションを起こすかどうかは別にして新しいことが出来なくなってしまう。
自分が変わるためには予定表(時間の使い方)が変わらなければいけないという言葉がある。「探索」にもっと自分の時間を使うように何か工夫が必要なようだ。「探索」として新しく始めて継続して取り組めているテーマを考えてみると、新しい仲間が出来て定期的に声を掛けてもらってやっていることがあった。「深化」のテーマは自分がやってきたことであり仲間と一緒に取り組めている。それて対して「探索」の方は、仲間がいないため継続した取り組みにならないのではないかと思った。そこで今年は「探索」の方にも継続的に取り組むために、あることを始めることも含めてメモを作成した。
メモとその振り返りは、正月にちょっと考えてみるのにちょうど良く、強みの確認も含めて多くの気づきがあった。今年のメモの結果はまた来年にでも紹介したいと思う。