Technology strategy and technology management
2単位
秋学期
火曜日・土曜日
※開講時限は授業カレンダーをご参照ください
技術・イノベーション 応用段階
中小企業経営コース コース重点科目
技術は製品・サービスを設計製造していく上で重要なことは言うまでもない。デジタル化の進展により技術は業種を問わず重要度が高まった。またオープンイノベーションの進展で、外部技術の活用も容易になって来ている。ただ技術を技術を活かしたチャンスは多いが、技術についてある程度の知見と獲得蓄積のイメージがないと、自分たちのチャンスとして捉えることが出来にくい。
最近では大企業がその組織とコストでは維持出来ない製品・サービスの縮小も見受けられるようになった。これらは中小企業にとって事業拡大のチャンスとなる。ただ多くの技術の組み合わせが求められる。中小企業は従来技術の研ぎ澄ましでの差別化を重視した傾向が強く、異なる技術の獲得蓄積は苦手と言える。このままではデジタル化も含めて多くの領域でチャンスを捉えられない事となる。事業拡大や生産性向上には技術の知見と獲得蓄積のイメージを持つことが重要である。
技術について知見を広め自分たちの機会を理解し、技術に関する戦略と獲得蓄積する技術マネジメントの方法論を持つことを目指す。
技術の領域を、金属・化学・無機材といった材料と3Dプリンター等の新加工・組立技術、デジタル・ロボット・AI・センサーを含む広義の情報技術、今後重要となるサステナビリティとエネルギー変換技術(関連する電気・機械技術)、職場で役立つ脳科学とバイオ技術、最適システム化技術の5つに分けて、これらの技術の概要と押さえ処や、インパクトについて理解を深める。また製品・サービスの方向性の技術戦略への展開方法や、自社の人モノ金の状況にあった技術の獲得蓄積方法について学ぶことを目的とする。特に外部の技術活用のための技術の提供元の情報収集や、修了生ネットワークの活用、時として自分が知見が少ない技術のコントロールも含めて実践的な内容をカバーする。
5つの技術の領域が自分達にとってどんなチャンスとなるのかを理解し、技術獲得蓄積の方針(技術ポートフォリオ)として企画すること。異なる技術の押さえどころを理解し、異なる技術の専門家と会話の切っ掛けを作れるようになる。それぞれの技術の領域に対して、自社の実情にあったアプローチで技術の獲得蓄積方法を構想出来るようになることを目指す。
技術経営として、広範囲な技術の知見と自機会を理解し、技術に関する戦略と獲得蓄積する技術マネジメントの方法論を持つことを目指す院生。(技術の専門性はなくとも押さえどころが理解できるように説明する。)
(予習)自社の製品・サービスと技術獲得の歴史を振り返る。特定課題研究での新製品・サービスや生産性向上への取り組みと必要な技術を整理する。
(復習)技術リストと技術ポートフォリオ作成(課題提出)。
【講義の全体像と狙い(技術はなぜ大切か、技術をマネジメントするとは)】
・中小企業の製品・サービス転換と技術獲得の関連の事例紹介。
・技術の基本の考え方と技術マネジメントの手法(技術を単位で考える、技術リストと技術ポートフォリオ、市場・技術マッチング手法(Market-Function-Technology))。
・知的資産としての技術獲得蓄積方法のタイプとアプローチ。 技術リストと技術ポートフォリオ作成演習。
有
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連続授業なので前回と同じ。
【技術の構造理解(製品構造と機能構造の分析)】
・第一回で説明したMFCの理解を深め、実践できる知識へと昇華させるために製品のモジュール分析手法について学ぶ。製品を構造的にモジュール分離する方法。製品を機能的にモジュール分離する方法。その二つの関係性から製品やサービスを最適化する方法、既存市場における優位なポジショニグの視点、イノベーション、新事業の機会を抽出する方法について議論する。
有
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(予習)ゲストスピーカーの企業のHPを閲覧し、技術と事業・製品の変遷を理解する。
(復習)ゲストスピーカーの事例から自社の技術獲得蓄積のための文化的な問題解決・人材育成とアプローチ方法を考える。(期末課題としてまとめて提出)
【技術をいかに獲得し蓄積するか】
・中小材料企業で事業・製品転換と技術獲得を推進した事例。材料・金型加工から異種加工技術、電子回路設計技術、シミュ―レーション技術、システム製品技術。人・物・金の制約を超えての技術の獲得と蓄積。技術獲得蓄積のための文化・人材とアプローチ方法。
・ゲストを交えてディスカッション。
有
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連続授業なので前回と同じ。
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有
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(予習)テキストを一読し自社にどんな異種材料・加工・組立技術が関連するかを考える。該当しない場合は身近なスマイルカーブの事例を考える。
(復習)自社はどんな異種材料・加工・組立技術の獲得蓄積が必要か。どんなアプローチ方法があるか。(期末課題としてまとめて提出)
【複数の基本技術の理解の大切さ】
・技術の融合が進む現在では、複数の基本技術を理解する事が大切である。人材派遣企業のキャリアコンサルタントとして4つの基本技術の導入研修を行うゲストスピーカーが複数の技術を理解することの意味合いを、世の中の製品・サービストレンド理解、その技術への落とし込みと人材のキャリアの視点で説明する。
・ゲストを交えてのディスカッション
有
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連続授業なので前回と同じ。
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有
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(予習)テキストを一読し自社にどんなIT化の機会、IT化を阻む要因があるかを考える。
(復習)自社はどんな広義の情報技術の獲得蓄積が必要か。どんなアプローチ方法があるか。(期末課題としてまとめて提出)
【デジタル化の進化を拒む障壁】
・デジタル/IT化による機会:現場のデジタル/IT化を阻むものは何か デジタル/IT化の成果の見極めが必要。
・ゲストスピーカ デジタル技術の動向:Web3.0、VR(メタバース、デジタルツイン:サイバーフィジカルシステム)。
・デジタル技術の活用について:データ出来ることの加速と計測の重要性 サイバーフィジカルシステム。 システム構築の変遷について:部品化と組合せ マイクロサービス、SBOM。
・ディスカッション :自社のデジタル/IT化の機会 現場のデジタル/IT化を阻むものは何か、どう解決するか。
有
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連続授業なので前回と同じ。
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有
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(予習)テキストを一読し自社にどんなサステナビリティとエネルギー変換の技術が関連するかを考える。
(復習)自社はどんなサステナビリティとエネルギー変換の技術の獲得蓄積が必要か。どんなアプローチ方法があるか。(期末課題としてまとめて提出)
【サステナビリティとエネルギー変換技術(関連する電気・機械技術)】
・サステナビリティとエネルギー変換の技術の押さえどころ。サステナビリティ:CO2低減かゼロか異なるモノの流れ。大きなエネルギ消費の食品領域とフードテック。新しい取引とブロックチェーン。エネルギー:300年のエネルギーの歴史を数十年で電気化
・水素化。
・クラスディスカッション。
有
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連続授業なので前回と同じ。
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有
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(予習)テキストを一読し自社にどんな脳科学とバイオ技術が関連するかを考える。
(復習)自社はどんな脳科学とバイオ技術の獲得蓄積が必要か。どんなアプローチ方法があるか。
・第1-12回の内容を踏まえ、自社はどんな技術の獲得蓄積が必要か。どんなアプローチ方法があるか。
・第1,2回課題の技術ポートフォリオと関連付けて検討する。(プレ期末課題)
【職場で役立つ脳科学とバイオ技術、最適システム化技術】
・脳科学とバイオ技術の押さえどころ。 職場の生産性と脳科学やバイオ技術。コロナをバイオ技術で理解。
・最適システム化技術の押さえどころ。新たなインフラの実現と最適システム化。
・海運の統合システムと最適化事例、ブロックチェーンは統合化のキーとなるか。
有
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連続授業なので前回と同じ。
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有
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(予習)第11回の復習と同じ。
(復習)クラスディスカッションをふまえて期末課題を充実させる。
クラスディスカッション
・プレ期末課題を参加者が発表し相互にクラスディスカッションを行う。
有
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連続授業なので前回と同じ。
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有
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予習・復習
・全体を振り返って期末課題を充実させる。
全体まとめ
・授業全体を振り返ってのまとめ。
有
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教員による理論・手法の説明と、ゲスト講演やケーススタディでのディスカッションで理解を深める。
課題の検討でそれらの理解を自社に適用して考えてみる。
各回ごとにパワーポイント形式のテキストを配布。
(この授業ではテキストは電子ファイルで事前に提供。紙のテキストが必要な場合は各自プリントのこと)
適宜紹介する。
評価方法1課題を通じた理解と自社への適用
60 %
期末課題リポートの内容
授業への参加姿勢
40 %
ディスカッションへの参画、ケーススタディへの参画、期末課題リポートへの取り組み努力、その他貢献。 チームディスカッションはイノベーション活動の基本と言える。自組織での活動のトレーニングとして、チームディスカッションを積極的に活用を心掛ける。
前述のように技術は手段ではあるが、技術の知見がないとその領域を自機会として捉えることが出来ない。一見自社とは関係ないと思われる技術の知見が世の中の変化を自機会として捉えるためには重要だと考えています。技術経営の学びの総仕上げとして「技術」についての理解を深めて頂ければと思います。
教員自身が限られた技術の専門性しかないが、多くの技術について専門家と話が出来る(と思っている)。技術の押さえどころを示していきたいと思います。
中小企業技術経営基礎の履修が望ましいが、未履修の場合は事前ガイドします。