Growth and Innovation of SMEs
2単位
春学期
金曜日・土曜日
※開講時限は授業カレンダーをご参照ください
中小企業マネジメント,中小企業経営者の在り方 基礎段階
基幹科目
国際化、情報化、高齢化等の進展により日本経済を取り巻く環境は激変しており、経済構造や企業間の取引構造の変化も激しく、日本経済の中での中小企業に求められる役割が大きく変わりつつある。役割が変わる中、これまでの下請体質に代表されるような「受け身」の姿勢では、成長は勿論、生き残りも難しい状況になっており、近年、日本の中小企業の経営は厳しい状況にある。
こうした環境下、中小企業が「存続」、「成長」していくためには、自らが主体的に考え、動き、顧客、市場を創造する「イノベーション」を起こし、実現する必要性がこれまで以上に高まってきている。
こうした中小企業にとって厳しい経済構造変化が起こっている一方、市場の成熟化によるマス需要の減少とニーズの多様化により、量産を前提とした大企業としての優位性も低下してきており、加えて、経営と所有を同一とする中小企業の経営は、自由度が高く、更に、中小企業の強みを活かせる環境になっており、中小企業の成長の機会も益々増加してきているとも言える。
一方、イノベーションというと何か「革新」を起こさなければいけないと思い込んでしまい、二の足を踏んでしまうことが多いが、本来のイノベーションで定義されている「実現可能であり、小さくとも有効なイノベーション」の実現方法、課題を学んで行く。
本科目では、イノベーションを体系的に学ぶことにより、如何にして中小企業が機会を掴んで、イノベーションを起こしていくのか、また、「イノベーション」を実現化し、如何にして「成長」に結び付けていくのかを学習していく。
本科目では、中小企業が存続、成長をするために必要な「イノベーション」を体系的に学習することを目的とする。イノベーションのマネジメント、具体的には、イノベーションを如何にして起こすのか、或いは、イノベーションの機会を如何にして捉えるのか、続いて実際にどのように事業化し、企業の存続、成長につなげていくのかを学んでいく。
「イノベーション」に関する理論、先行研究を体系的に整理をし、実際の中小企業ビジネスでの事例を紹介し、受講生が自身のビジネスで「イノベーション」を活かせるような知識、応用力を獲得を目指す。
また、売上、利益増加の成長を目的とした上場企業と異なり、株主からの圧力がなく、経営資源の限られる中小企業では、事業の目的やあるべき姿は多様であり、一元的な成長だけを求める企業とは異なる夫々の「あるべき中小企業像」を経営目標とすることができる。「あるべき中小企業像」に関しても検討を行い、中小企業の経営理念、存在意義、事業ドメインの設定の仕方も学習し、現状とあるべき姿のギャップを埋めるための手段として「イノベーション」も学習する。
また、イノベーション理論の先行研究を多く取り上げ、受講生の紹介していきたい。学習したイノベーション理論の先行研究は、秋以降の特定研究課題において、研究レベルを上げていく為には不可欠であることから同科目で、体系的に学んで頂きたい。
本科目により学習できること及び到達目標は下記とする。
⑴「イノベーション」に関する理論、先行研究の体系的な知識
⑵発生から事業化までの一貫した「イノベーション」のマネジメントを行う応用力
⑶中小企業のあるべき姿である「グローバルニッチトップ企業」実現への応用力
⑷公的機関や中小企業の支援制度を活用した経営革新(イノベーション)の実行
(5)イノベーションの実現を妨げる阻害要因(なぜ、自身の組織ではイノベーションが起きないのか、起きても実現できないのか)
本科目の対象となる院生は下記の通り。
⑴中小企業の経営者、後継者、幹部社員、幹部候補社員に該当する院生
⑵起業、或いは新事業創出することを目指す院生
⑶中小企業のコンサルタントやアドバイザーを目指す院生
⑷業務上、中小企業との関係が深い院生
⑸大企業で現在の事業展開に閉塞感を感じている院生
《日本の中小企業の現状と課題》
予習:日本の中小企業がおかれている現状に関する整理、今後の中小企業経営をどのような方向にもっていくべきかの整理。
復習:当初想定していた日本の中小企業の現状と現実の違いはどこにあったか。自社、関係する事業での今後とるべき施策を検討してみること。
《日本の中小企業の現状と課題》
国際化、少子高齢化、経済の成熟化、情報化の進展により中小企業は非常に厳しい状況に置かれている。近年、中小企業では、廃業数が起業数を上回る状況にあり、ものづくり日本経済を支えてきた中小製造業は、特に厳しい。また、業種を問わず、後継者不在いよる廃業も増えてきている。こうした日本の中小企業の現状を紹介するとともに、今後の中小企業経営の方向性について受講者に考えて頂き、討議する。
《中小企業の時代~中小企業の可能性~》
予習:今後の中小企業のあるべき姿について考えておく。また、直近の経営環境の変化において、中小企業経営のメリットがどこにあるかを各自で考えておく。
復習:学習した中小企業と大企業の違い、優位性、劣位性を考え、自社、関係事業で活かせる経営資源について考えてみること。
《中小企業の時代~中小企業の可能性》
厳しい環境に置かれている中小企業だが、一方、経済の成熟化により、多品種少量、マス需要の減少により、大企業のメリットを活かしにくい経済環境になっており、且つ、上場企業では、株主からの圧力もあり、ガバナンス、コンプライアンス対応といった本業以外の負担も増え、所有と経営が一致している中小企業の経営自由度が上がっており、中小企業が成長の機会を活かせる環境に変化しているという見方も出来る。
保有する経営資源が少ないといわれる中小企業だが、先代から事業を承継した優良中小企業では、蓄積された資金、信用もあり、且つ、アトツギベンチャーといわれるような優秀な後継者が経営層につく中小企業も増えている。このように、一概に、ヒト・モノ・カネ・情報が不足しているとは言えない中小企業も存在している。一色単に、中小企業という言葉でくくることなく、経営資源を持つものと持たないものの夫々の強みを活かした中小企業の成長の機会の検討を試みる。
厳しい経済環境の一方、増加する中小企業のチャンスに対して、自社内部の経営資源と外部の経営資源を活かし、中小企業が如何にして優位性を発揮するのか、優位性を発揮する為の戦略策定の考え方に関しての講義を行う。
第一回及び第二回の講義では、中小企業の現状と成長機会というが外部環境を学び、次回の講義では、成長を可能とするイノベーションの先行研究を学び、理論を学ぶことにより、非定型な環境にも対応できることを学んで行く。
《イノベーション理論・先行研究》
予習:イノベーションに関する理論、先行研究を参考図書を読み、理解しておく。特に、イノベーションの父と言われる「シュンペーター」の考え方について予習をしておくことをお勧めする。同氏の著作である「経済発展の理論」は難解なので、推薦図書の名和氏がシュンペーター理論を解説した「資本主義の先を予言した史上最高の経済学者 シュンペーター」を一読されることをお勧めする。
復習:学習したイノベーション理論、先行研究の要点を押さえておくこと。学んだイノベーション理論、先行研究は、秋以降の特定課題研究や修了後の実務にも有効となる。
《イノベーション理論・先行研究》
●イノベーションの理論とイノベーションの必要性
日本の中小企業にイノベーションが必要となっている背景を分析し、これまでのイノベーションに関する理論、先行研究を紹介しながら、本講義におけるイノベーション定義を明確化にしていく。今なぜ日本の中小企業にイノベーションが必要かについても考えていく。詳細は、下記となるので、事前に触れておくとより理解が深まると思われる。
イノベーション理論
・シュンペーターの新結合
・弱い紐帯理論(グラノベッター)
・イノベーションの7つの機会(ドラッガー)
・イノベーションのジレンマ(クリステンセン)
・暗黙知と形式知、SECIモデル(野中郁次郎、竹内弘高)
・両利き経営(ジェームスマーチ、オライリー、タッシュマン)
・ダイナミックケイパビリティー(DJティース)
・オープンイノベーション戦略(チェスブロウ)
・エコシステム(アドナー他)
《イノベーションが実現できない理由(わけ)》
予習:自社、自身の所属する組織で、なぜイノベーションの創出、実現が難しいのか、その課題を考えておく。
復習:自社、関係する事業でイノベーションが起こせない理由はなにかを考え、どのような仕組みを作ったらイノベーションが起きるかを考えておくこと。
《イノベーションが実現できない理由(わけ)》
・イノベーションの実現
イノベーションの事業化までの課題及びリスクについて検討していく。イノベーションを発生させることも容易ではなく、且つ、それを具体的な製品やサービスすることも、事業として市場に浸透させることも難しい。特に、大企業といった組織内では、イノベーションの阻害要因が多い。
本講義では、前講義で触れたイノベーション理論を基にして、イノベーションを如何にして実現し、商品化、事業化するかを事例を交えて学習をしていく。
《外部資源を活用したイノベーションの実現》
予習:受講生の携わる企業や事業でイノベーションを起こし、事業化するのに不足する経営資源を考えておく。
復習:⑴アライアンス戦略を実行するにあたっての注意点を考えておくこと。
⑵日本の中小企業に対して、政府は、国レベル、地方自治体レベルで様々な補助金、優遇制度を設けている。自社或いは関係する事業でどのような補助金、優遇制度があるとイノベーションを起こしやすいか考えてみる。
《外部資源を活用したイノベーションの実現》
●外部との提携
一般に経営資源が限られる中小企業では、自社で不足する経営資源を外部と提携し、弱みを補完する戦略をとることもある。イノベーションを起こすためのアライアンスについて、その実現可能性や効果、リスクについて考えてみる。
●支援機関・支援制度の活用
中小企業には、国、地方自治体が用意した様々補助金、優遇融資等の支援制度が存在している。こうした制度の具体例を紹介し、実際の活用方法にも触れる。
《イノベーションとしてのM&A戦略》
予習:近年、成長企業ではM&A戦略がとられていることが多く、重要な戦略のひとつとなっている。M&Aが有効な打ち手になっている背景、原因に関して、事前に考えてみること。
復習:M&Aのメリット、リスクを理解し、課題を行い、イノベーションとしてのM&A戦略の理解を深め、実践にも活かせるように学習を進めて頂きたい。
《イノベーションとしてのM&A戦略》
●イノベーションとM&A戦略
顧客創造を一気に獲得し、イノベーションを一気に実現できるM&Aという手法が日本の大手企業だけではなく、中小企業でもとられる事例が近年増加している。イノベーションという切り口での中小企業のM&A戦略の有効性、リスクについて考えてみる。
●M&Aの留意点
一方、折角M&Aにより獲得した会社の機能を活用できず、イノベーションを起こすことが出来ず、顧客創造ができないケースも多く見受けられる。M&Aによるイノベーションの留意点について講義を行う。
《質的経営と量的経営》
予習:個々の中小企業の存在意義、会社の目的を考え、経営理念、ビジョン、経営戦略の設定について考えておくこと。一方、会社の目的がない場合の経営では、どういった問題点が起きるかも考えておくこと。
復習:自社、所属する企業の経営理念が、実際の経営の実行に有効に活用されているかどうか検討してみること。
また、第13回、第14回の授業では、受講生の皆さんに下記の発表をして頂きます。その準備をお願いします。
⑴自社及び自身が携わる事業におけるイノベーションを活用した成長戦略(何をしなければいけないか)
⑵成長戦略を実行するための課題(戦略実行に必要となる経営資源とその手当)
《質的経営と量的経営》
●中小企業における会社の存在意義
中小企業における会社の存在意義について検討する。上場企業とは異なり、株主からの配当要求や経営への圧力がない分、経営の自由度が高いが、一方、会社の目的が明確ではないと場当たり的な経営となり、ステークホルダーからの信任を得られず、経営が不安定となることもあり、中小企業の経営においては、その存在意義、経営理念が非常に重要な役割を持つ。今回の授業では、会社の存在意義の検討、経営理念の設定から戦略への落とし込みについて考えてみる。
●「量的」成長と「質的」成長
「量的」成長とは、企業の売上、利益の増加を意味する一方、企業のあるべき姿にどれだけ近づくことができたかを物差しとする「質的」成長も中小企業ならではのひとつの経営目標といえる。中小企業が目指すべき「成長」関する考えかたについて「質的」な側面からも検討してみる。
《GNT企業~中小企業の理想像~》
予習:大企業でも構わないのでグローバルニッチトップ企業を探し、中小企業が、グローバルニッチトップを実現するのに必要な経営資源等を自分なりに考えておくこと。また、グローバルニッチトップ実現の難しさとリスクについても考えておくこと。
復習:学習したグローバルニッチトップ企業が、今後も継続して存続、成長していくためにはどのような経営戦略をとっていくべきか考えておくこと。
《GNT企業~中小企業の理想像~》
●グローバルニッチトップ企業の経営的特性と課題
「あるべき中小企業像」の理想としてグローバルニッチトップ企業を掲げている。このグローバルニッチトップ企業の事例に関して、その設立の背景やイノベーションについて考察する。グローバルニッチトップ企業の多くは高収益体質である反面、実現が難しく、代替する新技術・新製品の出現による経営的リスクを抱えており、その課題について討議する。
有
全体へのフィードバック
《ゲストスピーカー①》
予習:ゲストスピーカー(X氏)が経営する会社の事業をホームページ等で事前に調査し、どのようなイノベーションを起こし、会社を成長してきているか考えておくこと。
復習:ゲストスピーカー(X氏)のイノベーションは何だったか。それは、どういうきっかけで起こったかを考えておくこと。
《ゲストスピーカー①》
●事例研究Ⅰ(経営者によるプレゼン)
ゲストスピーカー(X氏)が経営する会社の説明を聞き、予察的に考えていた仮説的な企業像との比較を行う。
《ゲストスピーカー①》
予習:ゲストスピーカー(X氏)の講演内容を確認するとともに、グループ討議に入る前に問題意識を絞っておく。
復習:ゲストスピーカー(X氏)の会社がさらに成長をしていくためのイノベーションを起こす課題は何かを考えておくこと。
《ゲストスピーカー①》
●事例研究Ⅰの討議
ゲストスピーカー(X氏)の会社の実情を踏まえ、同社がどのようなイノベーションを実現し、会社を成長させたかを討議する。イノベーション成功の要因、現在および将来会社が抱える課題と克服方法などについてグループ討議を行いグループとしての意見をまとめ、プレゼンを行う。短時間ではあるが、ゲストスピーカーの今後の経営へ活きるような提言もまとめるようにしたい。
《ゲストスピーカー②》
予習:⑴ゲストスピーカー(X氏)のグループ討議を受けての成長要因、今後の課題に関してまとめておく。
⑵ゲストスピーカー(Y氏)が経営する会社の事業をホームページ等で事前に調査し、どのようなイノベーションを起こし、会社を成長してきているか考えておくこと。
復習:ゲストスピーカー(Y氏)のイノベーションは何か。そのイノベーションを引き起こした戦略、経営資源は何かを考えておくこと。
《ゲストスピーカー②》
●事例研究Iのまとめ
グループ討議を受けて、事例研究Iの企業への提言のまとめを行う。
●事例研究Ⅱ(経営者によるプレゼン)
ゲストスピーカー(Y氏)が経営する会社の説明を聞き、予察的に考えていた仮説的な企業像との比較を行う。
《ゲストスピーカー②》
予習:ゲストスピーカー(Y氏)の講演内容を確認するとともに、グループ討議に入る前に問題意識を絞っておく。
復習:ゲストスピーカー(Y氏)の会社が今後も成長していくための経営課題は何かを考えておくこと。
《ゲストスピーカー②》
●事例研究Ⅱの討議
ゲストスピーカー(Y氏)の会社の実情を踏まえ、同社がどのようなイノベーションを実現し、会社を成長させたかを討議する。イノベーション成功の要因、現在および将来会社が抱える課題と克服方法などについてグループ討議を行いグループとしての意見をまとめ、プレゼンを行う。短時間ではあるが、ゲストスピーカーの今後の経営へ活きるような提言もまとめるようにしたい。
《院生発表》
予習:これまでの授業で学んだ理論、事例、ゲストスピーカーの話をまとめ、自社或いは、自身の所属する企業ではどのようなイノベーションが必要か、イノベーションを起こし、事業化するにはどのような戦略が必要かを発表できるレベル迄にまとめておく。
復習:他発表者のイノベーション戦略の課題、実現性について考え、評価をすること。
《院生発表》
これまでの授業で学んだ理論、事例、ゲストスピーカーの話を参考にして、自社或いは、自身の所属する企業、組織ではどのようなイノベーションが必要か、実行可能か。イノベーションを起こし、事業化するにはどのような戦略が必要か各自検討し発表する。
《院生発表》
予習:これまでの授業で学んだ理論、事例、ゲストスピーカーの話を振り返り、自社或いは、自身の所属する企業ではどのようなイノベーションが必要か、イノベーションを起こし、事業化するにはどのような戦略が必要かを発表を準備しておく。
復習:他発表者のイノベーション戦略の課題、実現性について考えておくこと。
《院生発表》
これまでの授業で学んだ理論、事例、ゲストスピーカーの話を振り返り、自社或いは、自身の所属する企業ではどのようなイノベーションが必要か、イノベーションを起こし、事業化するにはどのような戦略が必要かの発表を行う。
《総括》
予習:前回の受講者の発表に対して、⑴斬新性、⑵自身の事業への活用方法、⑶課題に関する見解をまとめておく。
復習:同科目で得たこと、今後のビジネスでどのように活用できるかを考えておくこと。
《総括》
●受講者発表のまとめ
前週の講者の各自発表に対して、下記テーマに関して、フリーディスカッションを行う。
⑴中小企業がイノベーションを実現するための課題(なぜできないのか、自分達ならどうできるか)
⑵発表した会社、事業の課題は何か。また、課題解決のために今後取り組むべきことは何か。
●本科目の総括
理論、ゲストスピーカーの事例、受講者の発表等、本科目で触れた内容に関してのまとめを行う。日本の中小企業の成長を可能とする実践的なイノベーションの捉え方、考え方のまとめを行う。
イノベーションに関する理論、先行研究、モデルに触れながら、事例を紹介し、知識レベルを高めると同時に、講義内での討議、レポート提出等のアウトプットを受講者にしていただき、実際のビジネスへの応用ができるような実践的な講義を行う。
各回においてオリジナル資料を作成し、講義後に配布する。
「経済発展の理論(上)(下)」シュムペーター著 塩野谷祐一、中山伊知郎、東畑精一訳 ISBN 4-00-341471-3
「資本主義の先を予言した史上最高の経済学者 シュンペーター」名和高司著 日経BP社 ISBN 978-4-296-00076-0
「イノベーションと企業家精神」P.F.ドラッガー著 ダイヤモンド社 ISBN 978-4-478-00064-9
「イノベーションの考え方」清水洋 日経新聞出版社 ISBN 978‐4‐296‐11634‐8
*新書ですが、最近のイノベーションの考え方が分かりやすく説明されているイノベーションの入門書です。
「世界標準の経営理論」入山章栄著 ダイヤモンド社 ISBN:9784478109571
*ボリュームの大きい本なので辞書代わりに活用することをお勧めします。
「世界最高峰の経営学教室 1理論編」広野綾子著 日経ビジネス人文庫
ISBN 978-4296118540
「世界最高峰の経営学教室 2実践編」広野綾子著 日経ビジネス人文庫
ISBN 978-4296119103
*既に確立された著名な経営理論を、著者に改めてインタビューをして、振り返った時に不十分であったところ、時代の変化で適応しなくなってきたところ等を本人が解説をしてくれており、著書だけでは理解できない「行間」を埋めてくれ、経営理論の深い理解につながる書籍であり、参考にして頂きたい。概論的な位置付けて、参考になりそうな理論をこの本から探して、特定課題研究に活かすこともお薦めする。
「スモールビジネス・マーケティングー小規模を強みに帰るマーケティング・プログラム」岩崎邦彦 中央経済社 ISBN 978-4-502-58830-3
「遊ぶ鉄工所」山本昌作著 ダイヤモンド社 ISBN 978‐4‐478‐10371‐5
*GNT企業の経営戦略、中小企業の採用、人材育成に関する実例が学べます。
《講義では取り上げない参考図書》
「イノベーションの理由 ~資源動員の創造的正当化~」武石彰・青島矢一・軽部大著 有斐閣 ISBN 978-4-641-16392-8
*王道である技術革新によるイノベーションを学ぶことの出来る著名な書籍です。
授業理解・グループ討議における内容と積極性
60 %
授業理解では、講義内容の理解度、他者意見の理解度を評価する。理解度を反映する質問や自身の意見(コメント)の内容の適正性についても評価する。また、質問、提案等の授業への積極性を高く評価する。
課題レポートとプレゼン内容
40 %
提出する課題レポートやプレゼンの内容を評価する。内容の新規性、論理性、先行研究の理解度を評価する。また、プレゼンでは、資料のわかりやすさ、的確な内容説明等も加えて評価する。最後に予定されている院生の個人発表のウエイトは高い。
本科目は、受講者がイノベーションを起こし、事業化するまでの力を養っていただくことを目的としております。イノベーションは、実は日常の経済活動でも頻繁に起きており、事業を活性化、企業の成長を牽引しております。そもそもイノベーションとはどういうものなのか、過去から最新の先行研究や理論を紹介、体系的に学んでいただくと同時に、事例、ケーススタディーを行い、普遍的な理論に基づく演習を受講生の皆さんに行っていただき、実務でも応用できるような実践力を養っていきます。
昨今、経営戦略の主流がイノベーション理論に移りつつある背景も過去の経営戦略論にも触れながら、アカデミックな方向性も意識して学んで頂きたいと思います。
決まった答えを出すのではなく、受講生各人が、思考し、体系的な理論に基づいて、所与の条件の中、独自性があり、有効なアウトプットを実務で出せる実力を身にくけるよう講義を工夫していきたいと思っております。経営者の数だけ答えがあり、ひとつの回答がないのが経営であり、イノベーション戦略となります。
受講者数、受講者が務める会社等の業種のバラツキに応じて若干の授業内容やゲストスピーカーを変更することもある。また、ゲストスピーカーの都合によって講義日時が前後することもある。