企業会計・ファイナンス基礎 PDF

Corporate Accounting / Finance Basics

単位数

2単位

開講学期

春学期

開講曜日・時限

水曜日・土曜日
※開講時限は授業カレンダーをご参照ください

位置づけ

会計・ファイナンス 基礎段階

区分

基幹科目

科目紹介

科目の重要性・必要性

ビジネスリーダーには、企業経営の実体の基礎をなす企業会計システムの重要性と本質を押さえることが求められる。
本講座は、事業の構造と特性を捉えた企業会計とファイナンスの関係を理解する「経営者のための会計」であり、MOTプログラムの中核(基幹科目)である。

科目の目的

本講座では、経営理念~経営戦略~事業計画の関係を深く理解したうえで、ビジネスリーダーが実践すべき基礎的な企業会計概念ならびに手法について解説する。
本講座では、財務会計概念を踏まえつつ、管理会計の重要性や企業経営における実践的意味合いについて理解を深める。また、新しい企業会計の取り組みとして、デジタル変革に取組む製造業での原価管理の事例を紹介する。
本講座を通じて、企業の生命線は利益ではなく資金繰りにあり、企業経営の維持持続の側面からもファイナンスの重要性を体得する。
「財務利益(会計利益)」に対比される「経済利益」の重要性、およびこの利益概念を用いた経営指標に着目しつつ、事業計画、予算・キャッシュフロー計画、利益計画を策定するために必要な各種手法、スキルを学習する。

到達目標

経営の視点から「企業会計」と「ファイナンス」に係る基本的な考え方や手法を実務上如何に使うか、を考えることを重視したい。
次の2点をはじめ企業会計・ファイナンスの基本となる考え方と手法の習得により、受講生自身の組織運営に適用し実践できる経営人材となることを目標とする。
(1) ビジネスリーダーとして習得すべき財務諸表の押さえどころの理解
(2) 業績を評価測定されることで、事業組織の構成員(社員)の行動を変えることに繋がる有効なアプローチ、その行動変容に至るプロセスの理解

受講してもらいたい院生

  • 経営の視点から「企業会計」と「ファイナンス」に係る基本的な考え方や手法を習得し、その実践を目指すビジネスリーダーや経営管理者
  • 日常、会計に直接関係しない院生にとっても有益な講座であり、受講をお勧めしたい。

授業計画

1 回

予習・復習時間

2時間

予習・復習

(予習)後掲の参考図書を事前に目を通しておくことが望ましい。
(復習)第1回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【本講義の全体像と狙い】

  • 企業会計とは何か? 
  • 企業会計システム、企業財務・ファイナンスの本質を考える。

2 回

予習・復習時間

2時間

予習・復習

(予習)第1回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第2回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【財務会計と管理会計】

  • 財務会計は法律に則って行う会計、管理会計は業績をあげるための会計?

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

3 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第2回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第3回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【財務諸表について】

  • 財務3表の構成と関係に関する基本を押さえる

4 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第3回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第4回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【利益と付加価値、キャッシュフロー】

  • 利益の概念、付加価値との違い、業績評価指標としての意義
  • 「勘定合って、銭足らず」とよく言う。 キャッシュフロー経営の重要性を理解する。
  • 中堅・中小企業の「資金繰り」に関して直面する問題点について考察する。
  • 利益とキャッシュフロー、そして管理会計システムとの関連を理解する。

5 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第4回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第5回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【原価計算(1)】

  • 原価計算は管理会計の基礎的情報。原価計算の方法を学び、あり方を考える。
  • 全部原価計算と部分原価計算
  • 直接原価計算、スループット原価計算

6 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第5回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第6回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【原価計算(2)ゲスト講演】

  • 製造業における原価計算に関して、ITを活用した事例を中心に新しい取組み等を紹介し、デジタル変革(DX)についても展望する。
  • 活動基準原価計算(ABC)と活動基準経営(ABM)

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

7 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第6回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第7回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【損益分岐点分析(1)】

  • 変動費と固定費
  • 損益分岐点分析、利益構造と損益分岐点分析の関係について考察

8 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第7回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第8回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【損益分岐点分析(2)】

  • 原価分解(固変分解)
  • 限界利益について考察

9 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第8回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第9回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【投資・事業の採算性(1)】

  • 時間価値、現在価値、将来価値、割引率について
  • 正味現在価値(NPV)と内部収益率(IRR)について

10 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第9回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第10回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【投資・事業の採算性(2)】

  • NPV法、IRR法の限界とその対策法について

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

11 回

予習・復習時間

6時間

予習・復習

(予習)第10回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第11回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【先進的管理会計事例・ゲスト講演】

  • 管理会計システムに関する先進的な取り組み事例を具体的に紹介する。

12 回

予習・復習時間

6時間

予習・復習

(予習)第11回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第12回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【ゲスト講演を踏まえての議論】

  • 取り組み事例を踏まえて、何を学んだか、自社への応用について
  • 課題レポートについて説明

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

13 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第12回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第13回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【計画とコントロール、業績評価と社員行動、利益を測定する組織単位の設定】

  • 実際の経営現場における中期経営計画や予算管理に代表される計画とコントロールに係る様々な課題について考察する。
  • 業績の評価測定と、事業組織の構成員(社員)の行動
  • 行動変容に至るプロセスを理解し、組織運営に活かすための考え方
  • 「事業部制組織」と「職能別組織」 利益を計算する事業組織のメッシュの粒度は?

14 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第13回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第14回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【企業財務・ファイナンス】

  • 企業財務の活動(資金調達→投資→分配)と適切な資金構成で調達を考察する。
  • 銀行や株式投資家の期待する収益率と価値創造
  • ビジネスリーダーとして押さえるべき4つのポイント:① 実態把握、② 対策立案(戦略、行動計画)、③ 管理(計画のフォロー、キャッシュ管理)、④ 金融機関などのステークホルダーとのコミュニケーション

15 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第14回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第15回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【講義総括・ディスカッション】

  • 講義全体をレビューし、理解内容を再確認する。

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

授業方法

講義と演習/ディスカッションで進め、企業会計・ファイナンスに係る自社の経営課題の認識を促す。改善検討を通じた相互啓発・理解も重視する。

テキスト

各回ごとにパワーポイント形式のテキストを配布する。

参考図書

林 總 『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』PHP文庫(ISBN978-4-569-67633-3)
稲盛和夫『稲盛和夫の実学-経営と会計』日経ビジネス人文庫(ISBN978-4-532-19006-4)

砂川伸幸『コーポレートファイナンス入門<第2版>』日経文庫(ISBN978-4532113681)

桜井久勝 『財務会計講義』中央経済社(ISBN 978-4502460616)

櫻井 通晴『管理会計』同文舘出版(ISBN978-4495161460)

林 健太郎、梅澤 真由『すぐわかる 中小企業の管理会計「活用術」』税務研究会(ISBN978-4793126802)
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ほか、適宜紹介する。

成績評価

評価の視点
評価
ウェイト
備考

課題レポート評価

60 %

課題レポート(適宜、理解度確認テスト)を通じ、内容理解の深度を確認するとともに、自社の経営実務への適用力について評価

授業(チーム演習、ディスカッション)への参画姿勢

40 %

合計
100%

受講生へ授業科目のアピールポイント、必要な基礎となる科目の履修や知識・スキル

企業会計は、「経営者のための会計」であり、MOTプログラムの中核(基幹科目)として、事業計画や業績評価の基礎となる考え方や知識を修得しましょう。

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