Leadership and Human Resource Management System
「人」と「金(報酬)」は、業界や企業規模に拘わらず企業人である限り、常に関係する要素である。経営者から社員までの一人ひとりが、この要素の理論や手法を一定レベルで理解することにより、企業成果に大きな影響を与えるだけではなく、自分自身の成長を実現することができる。
自分自身が企業で成果を発揮でき、やる気の高い人材になり、更に優秀な人材を輩出していくために必要な知識・考え方を実務で活用できるレベルまで習得することを目指す。そのためには、講義だけではなく、自分自身の経験や考えをベースにした議論や実践を通じて身につけていく。
企業に働く限りは直面する課題なので「リーダーとして成長したい」「人事の仕組みを知りたい」「自社の人事制度を見直したい」という院生に受講してもらいたい。
復習としてVUCAの時代における自分が所属する企業の方向性を考察し、その中で自分も含めて社員一人ひとりがどのような行動をすべきかを考える。自分が所属する会社・組織の人事的課題を特定する。
VUCAの時代における日本の直面する課題とリーダーシップの方向性:
VUCAとは「不安定さ(Volatile)」「不確実さ(Uncertain)」「複雑さ(Complex)」「曖昧さ(Ambiguous)」の頭文字をとったものであり、私たちを取り巻く状況を示す言葉である。この中で日本がどのような課題に直面し、今後の仕事の変化、リーダーシップの方向性について考察する。
有
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自分はどのようなリーダーなのかを考えておき、復習として自分のリーダーとしての現状と目指すべき方向について考える。
リーダーシップの体系:
リーダーシップという言葉は一般的に使用されているが、どのように現在のリーダーシップ論になってきたかの全体像を考察する。リーダーとマネージャーの違い、リーダーの役割、代表的なリーダーのあり方(例.サーバントリーダーシップ)などを学ぶ。
有
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リーダーシップの内容を受けて、リーダーとして必要な行動を考えておき、復習として自分自身がリーダーとして必要な行動を考えて実行してみる。
マネジメントスタイルの理解:
リーダーシップの体系をもとに、リーダーが構築している組織の風土や発揮している6つのマネジメントスタイルをベースに、自分のマネジメントスタイルを診断し理解する。
有
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優秀な人材に特徴的な行動を考えておき、復習として自分が発揮したいコンピテンシーを意識して行動し、周りの人の行動も観察してみる。
コンピテンシーとEQ:
行動のベースとなるコンピテンシーについて学習する。コンピテンシーの一部であるEQ(こころの知能指数)についても学習していきながら、VUCAの時代における求められるコンピテンシーを考察する。
有
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自分がどのように能力開発および育成されてきたかを振り返り、復習として自分自身および部下・後輩を育成するための具体的手法を考え実践してみる。
効果のある人材教育・育成:
人材教育・育成をどのようにしていけばよいのかを、能力開発の考え方、研修体系、能力開発プランも含めて考察する。
有
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今までに受けたことのあるコーチングを振り返り、復習として実際にコーチングを実施する。
コーチング Part 1:
コーチングの手法(対個人)を受講者間で実践しながら、プロのコーチのサポートも受けてコーチングのポイントを身につけていく。
有
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実際に行ったコーチングでうまくいったこと/いかなかったことを振り返り、復習として再度コーチングを実施して改善度合いを確認する。
コーチング Part 2:
Part 1の続きとしてコーチングの手法(対個人)を受講者間で実践しながら、コーチングのポイントを身につけていく。
有
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自分の所属する会社の人事制度を確認し、復習として仕事と人の観点から会社の人事制度を再度確認する。成果責任を確定する。
日本における人事制度の変遷と成果責任:
日本におおける人事制度の歴史を考察し、その中でも仕事をベースに評価しそれに報いる方向になっていったのかを考察する。現状の仕事に求められる成果(成果責任)を理解し、演習を通じて自分の成果責任を明確化する。
有
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自分自身の目標設定について振り返って課題を特定し、復習として自分の目標を設定してみる。
業績マネジメントの仕組み(目標設定):
業績マネジメントサイクルの目的・意味合いを理解し、「成果責任の目標化」「目標設定の方法を学びながら、演習として自分の目標を設定する。また、ダニエル・ピンクの影響を受けた目標管理制度を考察する。
有
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自分自身が経験してきた評価について振り返って課題を特定し、復習としてどのように評価をしたらよいかを考えてみる。
業績評価:
業績マネジメントの仕組み(業績評価)を理解することにより、演習を通じて実際の達成度評価の方法を学んでいく。業績評価で生じやすい問題を解決していく。
有
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自分の所属する会社の報酬の仕組みを確認し、復習として仕事と人の観点から報酬の仕組みを見直してみる。
報酬システムの仕組み:
年功賃金から、仕事の成果に対しての報酬システムに変化していく際に、成果測定に必要なものさし(ジョブサイズ)について、演習を通じてジョブサイズの測定方法を学ぶ。また、賃金の市場水準をどのように比較し、給与と賞与を社員の動機づけにどのように活用するかを考察する。
有
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自分が外部から人を採用するなら重視するポイントを考えておき、復習としてコンピテンシーをベースにしたインタビューを実施してみる。
成功する採用:
コンピテンシーをベースとした採用面接の手法を学ぶ。実際に採用面接の演習を行いながら、人材紹介会社の方も招いて討議していく。
有
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自分の所属する会社の就業規則を読んでおき、復習として再度読み直す。
労働基準法の基礎知識:
社会人として知っておくべき労働基準法について、実際に直面する課題である勤務体制・メンタルダウン・ハラスメントなども含めて学習する。
有
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ゲスト・スピーカーの経験から聞きたいことを考えておき、復習として自分の所属する会社に導入すべき内容を考えてみる。
ただし、全体の進行状況により13回までの内容をカバーする可能性もある。
ゲスト・スピーカー:
実際の企業で活躍している方をゲスト・スピーカーとして招き、他の企業での取組みについて共有・議論する。
注)授業の進行度合いにより、授業内容を変更する可能性あり。
有
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今までの内容を振り返り、不明な点や確認したい内容を明確にしておく。
全体の振り返り&まとめ
講義、双方向の議論、各受講生に対するリーダーシップ診断、実際のコーチング経験、ゲスト・スピーカーによる講演・質疑、最終レポート作成・提出
担当教員作成のパワーポイント資料を毎回配布する。
最強の「リーダーシップ理論」集中講義 著者:小野善生、発行所:株式会社日本実業出版社 ISBN-13: 978-4534050342
EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方、著者:ダニエル・ゴールマン他、発行所:日本経済新聞社 ISBN-13: 978-4532149758
[改訂新版]わかる! 使える! 労働基準法、著者:布施直春、発行所:PHPビジネス新書 ISBN-13: 978-4569826141
提出レポートの成績
50 %
授業の理解度、論旨の明快さ、内容の独自性、レポートとしての構成など
総合評価
50 %
参画度、理解度、積極性などですが、特に自分の経験や考えをベースとして多様な意見を出したかどうかは主要なポイントになる。また、その出した意見が他の院生への刺激となり、意見交換を通じて全体に貢献することを重視する。
組織に所属する限り、人事制度は常に接することが必要であり、何かしらの「不満」を抱えている人が多いという事実もある。「不満」も含めて共有し、社員のやる気を高めて成果の創出に結びつけるために取り組むべき方法も、チームとして考えていきたい。