オペレーションマネジメント基礎 PDF

Basic Operation Management

単位数

2単位

開講学期

春学期

開講曜日・時限

火曜日・土曜日
※開講時限は授業カレンダーをご参照ください

位置づけ

オペレーション管理 基礎段階

区分

中小企業経営コース コース重点科目

科目紹介

科目の重要性・必要性

オペレーションを蔑ろにすれば、会社は瓦解してしまうかも知れない。たかがオペレーション、されどオペレーション、である。本講義では、生産や品質などの主要な業務プロセスにおいて、オペレーションの基礎的なマネジメント手法を学び、製品・サービスを擁する事業の安定および創出する価値の向上を目指すことが重要である。また、具体的な失敗事例などからオペレーションマネジメントの注意点を学び、DX事例も含め、さらなる理解と深化をはかる。その上で、受講生が持つ実務へフィードバックを行い、ぞれぞれの事業に資することが必要となる。なお、本講義は製造業を中心に事例を進めるが、本講義で学ぶ原理原則は、いかなる業種にも応用可能な概念である。

科目の目的

本講義は、主要業務プロセスの視点からオペレーションマネジメントの基礎を学ぶことで、オペレーションマネジメントを俯瞰的に学び、いかなる業種のオペレーションマネジメントにも応用可能な力を身につけることを目的とする。

到達目標

オペレーションマネジメントにおける基礎知識を習得し、実務への応用が出来るレベルを到達目標とする。

受講してもらいたい院生

オペレーションマネジメントの基本的な流れを俯瞰、理解し、みずからの実務へ応用し、事業の安定、発展を目指したいと考える院生に最適である。

授業計画

1 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:オペレーションマネジメントについての疑問、学びたい点、身に着けたい能力、等を自分自身の経験を踏まえ、メモに作成して講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「オペレーションマネジメントとは」

M.ポーターのバリューチェーン(価値連鎖)を参考にして、価値創造の視点から、オペレーションマネジメントの全体像をイメージする。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

2 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等において、TPS(トヨタ生産方式)の概念が業務に取り入れられているか、その場合、具体的にどのような内容か、メモを作成して講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「TPSの基礎」

オペレーションマネジメントの基本となるTSPの基礎概念を学び、TPSの効果と、その本来の目的を考える。また、TPSのひとつであるJIT(ジャストインタイム)は、中小企業でも実行可能か、ディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

3 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社製品もしくは主要取引先等の生産方式、その利点と課題についてメモを作成し、講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「生産方式の基礎」

製品・LOTにあった柔軟な生産方式を構築しているか、ライン、ロット、個別、それぞれの代表的な生産方式の利点と課題を学ぶ。また、それぞれの方式に適する製品についてディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

4 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:一般的に、工程の設計は、生産技術が行うが、工程の製造技術と、製品の設計思想に多分な影響を受ける。自社もしくは主要取引先等では、製造技術と設計思想のバランスが取れているか、もしくは、いずれかが優勢か、メモを作成して講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「工程設計マネジメント」

工程設計に必要な、生産技術、製造技術、製品設計、それぞれの役割と課題について学ぶ。また、工程設計マネジメントの現実と理想について、生産技術をキーワードとして、ディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

5 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等の生産計画は、どのような要素とプロセスで策定されているか、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「生産計画マネジメント」

生産計画はバランスに始まりバランスに終わる。生産計画を、生産に不可欠な4大要素から策定されるバランスから理解する。また、受注生産と見込み生産の特徴、投入計画の際の留意点、等を学ぶ。さらに、講義内で示される例題に従い、生産計画のマネジメントについてディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

6 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等の購買は、どのような要素とプロセスで策定されているか、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「購買マネジメント」

購買行動は資金繰りに直結する。購買マネジメントを、SCM(サプライチェーンマネジメント)、ERM(エンタープライズリスクマネジメント)等の視点から基礎を学ぶ。また、講義内で示される例題に従い、購買のマネジメントについてディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

7 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等の在庫は、どのように管理されているか、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「在庫マネジメント」

棚卸資産回転率1.57以上になると倒産確率が増加する(白田・2019)。在庫マネジメントを、SCM(サプライチェーンマネジメント)、検収、製品在庫、材料在庫、仕掛品、マスタ管理、等の視点から基礎を学ぶ。また、講義内で示される例題に従い、棚卸回転期間を計算し、その結果についてディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

8 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等における品質マネジメントは、どのようになされているか、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「品質マネジメント」

品質保証は初動で決まる。品質マネジメントを、品質管理(QC)と品質保証(QA)の視点、等から基礎を学ぶ。また、講義内で示される例題に従い、品質不具合の初動対応について、ディスカッションを行う

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

9 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等の製造原価における予実差異は、どのように行われているか、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「製造原価マネジメント(1)」

その製造原価はリアルな原価か。製造原価マネジメントを、製造原価ボックス、標準原価と実際原価、予実差異、等の視点から基礎を学ぶ。また、講義内で示される例題に従い、製造原価についてディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

10 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等の、製造原価におけるVAやVEは、どのように行われているか、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「製造原価マネジメント(2)」

工程現場での執念に勝るものなし。製造原価マネジメントを、活動原価計算(ABC)、活動基準原価管理(ABM)、VA(バリューアナリシス)、VE(バリューエンジニアリング)、等から基礎を学ぶ。また、講義内で示される例題に従い、製造原価についてディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

11 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:自社もしくは主要取引先等の生産性向上は、どのように行われているか、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「生産性マネジメント」

out÷inのinをいかに最小化し、outをいかに最大化できるか。生産性について、付加価値に関する指標を取りあげ、基礎的概念を学ぶ。また、講義内で示される例題に従い、付加価値、等をとおして、生産性についてディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

12 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:一般的なVEの考え方について文献等で調べ、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「ゲストスピーカー講演(仮題)」

オペレーションマネジメントに関わる項目のエキスパートをお招きし、知見を紹介いただく。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

13 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:これまでの講義を振り返り、製造業以外への応用案を考え、メモを作成し講義に臨むこと。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「オペレーションマネジメントの全業種への応用とDX」

OPMは製造業だけに適用されるものではない。オペレーションマネジメントについて、多業種にわたり、中小企業の実践事例を取り上げ、オペレーションマネジメントの本質について、ディスカッションを行う。

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

14 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:ここまでの講義を通じての各自質問事項等をまとめる。
復習:講義を終えて気づいた事、疑問点、課題、等を事前課題に付加する。

授業内容

「プレゼンテーション」

ここまでの講義全体を振返り、重要なポイントのおさらいとして、プレゼンテーションをせよ(実務事例を使えない場合は大手企業などの一般的事例をもちいて分析をしても良い)

課題有無

課題フィードバック方法

個別フィードバック

15 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

予習:期末試験に向けての準備を行う。

授業内容

期末試験を行う。

授業方法

講義をとおして、質疑、グループディスカッションを行いオペレーションマネジメントについての理解を深化させ、さらにゲストスピーカーの講演を組み込む。

テキスト

毎回、講義資料を配布する。

参考図書

『ビジネス・ヒントの経営学』石井宏宗著(創成社)

 ISBN978-4-7944-2587-4 C3034

『生産マネジメント入門I』藤本隆宏著(日本経済新聞社)

 ISBN978-4532132057

『生産マネジメント入門II』藤本隆宏著(日本経済新聞社)

 ISBN978-4532132064

成績評価

評価の視点
評価
ウェイト
備考

講義内で毎回実施する「例題」を毎時終了時に提出

40 %

授業受講姿勢

40 %

授業中での建設的質疑、グループワークでのリーダーシップの発揮、率先したグループワーク結果の発表等を考慮する。

期末試験成績

20 %

合計
100%

受講生へ授業科目のアピールポイント、必要な基礎となる科目の履修や知識・スキル

本講義では、オペレーションマネジメントの入口から出口までの業務プロセス、理論、事例、ディスカッション等をとおして、オペレーションマネジメントの基礎を理解することが出来る。また、講師が持つオペレーションマネジメントの知見、とりわけ失敗事例を取りあげ、オペレーションマネジメントの留意点と本質的理解を試みる。受講生のターゲットは、オペレーションマネジメントの初心者を想定し、特別なスキルは不問である。本講義をとおして、参加者全員と共に、オペレーションマネジメントのあるべき姿について、考えを深めていきたい。

その他

期末試験を実施する。

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