特定課題研究は1年間の学びの集大成です。修士課程の学位に値する論文であることに加え、実践できる研究成果を纏める立場を重視した指導を行います。研究テーマは院生が既に持たれている問題や課題・考えたいテーマをベースに決定します。
自身の経験から製造業、モノづくりに関する研究を主に指導します。院生が既に持つ業界(半導体産業、自動車産業、建築業など)の専門知識とMOTで学んだことからシナジーを引き出せるような指導に努めます。但し、新しい知見を得るための研究活動である以上、論理的なアプローチは必須です。例えば、新製品の開発、新しいシステムの開発、そして付加価値創出等、いずれの場合においても、事業競争要因とその背後にあるメカニズムの分析を通じ、自事業への理解を深めながら論理的にアプローチします。可視化にも拘ります。これは研究成果の実践的貢献力を高めるためです。自身の研究成果を自事業に持ち帰り、自社の経営トップ層や投資家の共感力を高められる様に研究成果を纏めて行きます。
特定課題研究の全体スケジュールに従いつつ、1-2週間に1回の個別ミーティングと2-3週間に一回の全体ゼミを基本に進めます。
10月上旬~11月中旬 現状分析・課題設定・研究計画 (テーマ、目的、背景、ゴール、アプローチ仮説、リサーチフレーム)
11月中旬~12月末 情報収集、論理的な検証、ゼミディスカッション (仮説と論証、中間発表の資料)
1月上旬~3月中旬 情報収集、分析、仮説検定のサイクル、実行のための成果のまとめ (成果まとめ)
自身の研究の拠り所となる先行研究論文や文献を引用し、専門知識、アプローチ方法、合理的な説明方法等の上質化に努めます。
特にゼミのディスカッションを重要視します。異なる業界に属するエキスパートであるゼミの仲間とのディスカッションは有意義です。教員や仲間から新しい気づきが得られます。
ゼミでは、仲間の研究を肯定的、否定的に意見していただきます。これは院生自身の実践的な分析力を高めるための工夫です。
副査も交えた中間報告、MOT卒業生や企業の方から意見を頂く機会を作ります。同一のテーマを異なる視点から意見を頂くことは特定課題研究の促進のみならず、大学院修了後の自身のスキル向上や事業活動においても有効です。産業界でのネットワーク作りも本大学院の特長であると考えています。
既存の問題や課題を解決する意欲の強い方。問題解決や課題解決の進め方に悩んでいる方。製造業、モノづくりに関する研究をしたい方。院生自身や自社の強みを活かした付加価値ビジネスを創出したい方。
2023年度の新任教授であり、大学・大学院での指導実績はありません。
専門分野は半導体です。国内電機メーカーで半導体(Si)デバイスの研究開発に従事しました。国内外の学会、社内外の講師等経験があります。
国内電機メーカーでデバイス研究開発、事業マネジメントを経験した後、研究開発型の会社を立ち上げました。
2016年からMOTで学び、イノベーションに関する研究を継続しています。固有知財に依存した事業の競争要因とその背後にある競争メカニズムの研究をしています。
開発エンジニアと経営者、大企業と中小企業のマネジメント、アカデミアとビジネス(創業と経営)の経験から、バランスを取りながら指導をさせて頂く予定です。
トピックス(以下参照)
・半導体事業の研究
・ハイテク産業の事業推進、経営持続性の研究
・事業競争の構造的な比較研究。垂直統合型と水平分業型企業の優位性の比較
・外部連携、相互補完的な水平垂直連携、エコシステムの実践
・デザインアーキテクチャ、モジュール構造化分析
・多変量解析