Marketing and distribution development strategies for manufacturing industries
企業の成長、存続に資する活動要素は多いが、とりわけマーケティングは欠くことのできない重要な要素である。
中小企業はマーケティング戦略の知見が大企業に比べ、十分ではないことも少なくない。
そのため、この領域を得意分野として掘り下げていくことは、企業活動を支援・指導する現場において、揺るぎない骨格を築く道筋となる。くわえて、ビジネスや経済活動の全容を理解する助けとなる重要な科目である。
小売、問屋など流通業のマーケティング戦略立案と、販売・営業に関わる支援・指導ができる能力を修得する。
・マーケティング戦略や具体的な営業戦術に関し、各回の授業でディスカッションを通じて理解する。
・業種特性や商品特性に応じたマーケティング戦略の考え方、ロジスティクスについて創案できる思考法を体得する。
中小企業の経営基盤を強化することは、日本経済の土台をグランドデザインするにも等しい喫緊の課題であるといえる。
現下の経営環境を改善するべく、中小企業を支援する意志をもって受講してもらいたい。
予習:マーケティング用語集などを読んでおく。
復習:中小卸売業の一般的な経営課題とその改善の方法について確認しておく。
マーケティング戦略(1)(講義とディスカッション)
・本科目の概要と授業スケジュールについて
マーケティングのパラダイムシフト(マーケティング1.0-3.0等)を理解し、コンサルタントとしてどのように流通業と関わっていくか、専門家に求められる要素について学ぶ。さらにマーケティングの定義および流通業におけるマーケティングの重要性について学ぶ。
連続授業であるため前回と同じ。
マーケティング戦略(2)(講義とディスカッション)
・経営環境・経営現状分析①
市場調査や製品計画、販売促進などの各分野で活用できるマーケティング理論(フレームワーク)について学ぶ。演習方法としては、フレームワークとしては、STP、4P、3C等のフレームワークを利用して戦略策定のため必要となる分析の概要について演習を通して学ぶ。
予習:業界分析と競合分析について、中小卸売業の企業群とポジショニングにについて考えておく。
復習:業界分析と競合分析について、中小卸売業の企業群とポジショニングについて整理しておく。
マーケティング戦略(3)(講義とディスカッション)
・経営環境・経営現状分析②
業界分析と競合分析について、中小卸売業の企業群とポジショニングについて考察しフレームワークを利用して学ぶ。
消費者行動(AIDMA/AISAS等)、商圏分析と自社分析について、商圏の考え方と評価について学ぶ。
連続授業であるため前回と同じ。
マーケティング戦略(4)(講義とディスカッション)
・販売分析の分析手法の把握
期間別売上高や地域別売上高など様々な実績資料を提示し、販売分析を行う。
演習方法としては、中小企業の実績資料を活用して実施。
・販売計画
平均在庫高や商品回転率など各種比率計算を通じて、次期の販売計画について学ぶ。
演習方法としては、中小企業の実績資料を活用して実施。
予習:中小流通業の経営課題について整理しておく。
復習:中小流通業の経営改善に資する戦略策定について整理する。
マーケティング戦略(5)(講義とディスカッション)
・中小流通業の経営改善に資する戦略策定
USP設定の重要性とケーススタディ、中小企業が包含する弱点を強みに変える戦略手法について解説。さらに流通業の位置付けと役割、機能性について、および流通業特有といえるマーケティング項目について学ぶ。
予習:中小企業のマーチャンダイジングについて整理しておく。
復習:中小企業のマーチャンダイジングについての戦略について整理する。
マーケティング戦略(6)販売分析と販売計画(講義とワークショップ)
・マーチャンダイジング戦略
マーチャンダイジングについて基礎知識と戦略について学ぶ。またサプライチェーンマネジメントとの関連について学ぶ。
演習方法としては、業界実例のケーススタディとして、医薬品業界の現状を取り上げ、理解を深める。
予習 : 中小流通業の仕入管理と仕入計画のポイントを考えておく。
復習 :: 中小流通業の仕入管理と仕入計画のポイントを整理する。
マーケティング戦略(7)(講義とディスカッション)
・仕入管理と仕入計画
仕入計画から情報、仕入れ先の選定、方法、発注について学ぶと共に値入計画についても学ぶ。
・在庫管理
在庫管理について統制の方法、分析、販売動向を把握した在庫管理などについて学ぶ。
予習:企業のセールスタイプ別によって異なる販路開拓ポイントを考えておく。
復習:企業のセールスタイプ別によって異なる販路開拓について整理しておく。
マーケティング戦略(8)(講義とディスカッション)
・課題企業の指導
売上不振の課題についての要因をあぶり出し、改善を目的とした販路開拓について故殺する。また企業のセールスタイプ別によって異なるバランスでの販路開拓を企図する。
有
全体へのフィードバック
予習:中小小売業の現状と課題について考えておく。
復習:顧客にとって魅力的な小売店舗とはどのようなものかを考えてみる。
マーケティング戦略(9)(講義とディスカッション)
・中小小売業のマーケティング戦略 (店舗コンセプト)
小売業の種類と形態、および機能性について整理する。さらに店舗設計、店頭と店舗内の演出、シェルフマネジメント、店舗内レイアウトの心理的戦略について学ぶ。
演習方法としては、中小小売業のケースを活用して実施。
連続授業であるため前回と同じ。
マーケティング戦略(10)(講義とディスカッション)
・顧客に愛されるための店舗づくりと価格設定
商品政策に関わる企画と棚割りについて学ぶ。また商圏やライフスタイルと関わる商品政策の考え方について学ぶ。さらに地方地場スーパーの集客手法改善策について演習を通して学ぶ。
予習:自身が顧客として小売店舗からどのような販促アプローチを受けているかを考えてみる。
マーケティング戦略(11)(講義とディスカッション)
・リアル店舗とEC店舗の販売促進活動
小売店の商材と情報システムについてPB商品の価値と商品企画の観点から学ぶ。
PB商品を企画する上で重要な商品パッケージと機能性について解説するほか、POSシステム、ICタグなど情報システムについて学ぶ。
復習:課題店舗のマーケテイング戦術について考えてみる。
マーケティング戦略(12)(講義とディスカッション)
・課題店舗の診断(リアル店舗の対ネット戦術)
店頭価格決定おける基本的な考え方、行動経済学に基づく決定法などについて学ぶ。
また価格弾力性とPSM分析、プロスペクト理論からリアル店舗の対インターネット戦術についても考察する。
予習:ロジスティクスの役割について整理しておく。
復習:講義内容を踏まえ、マーケティング戦略におけるロジスティクスの役割について確認しておく。
ロジスティクス(1)(講義とディスカッション)
・ロジスティクスの役割とマーケティング戦略
物流とロジスティクスの違い、活動における機能性(物流基本機能、調達・生産・流通・静脈物流、ビジネス・サプライチェーン・ソーシャルロジスティクス)、役割、マーケティング戦略をとの関係を整理する。出荷先・出荷元マップやロジスティックコストなど基本分析手法を理解する。またコンテナ革命、ロジスティクスの3悪、3PLなどロジスティクス業界の現状についても学ぶ。
連続授業であるため前回と同じ。
ロジスティクス(2)講義とディスカッション)
・ロジスティクスと顧客にとっての価値
典型事例として世界最大の「物流会社」であるAmazonをベンチマークし、その戦略性と将来展開を学ぶ。さらに、中小物流企業でありながらコロナ中も含めて急成長した事例を取り上げて学ぶ。
予習:ロジスティクスが顧客のどのような価値を実現しているかについて考えてくる。
復習 : 戦略的なロジスティクスとはどのようなものかを整理してみる。
ロジスティクス(3)(講義とワークショップ)
・中小物流企業におけるロジスティクス戦略
演習方法としては、DXの大胆な導入により業績を伸ばしている佐川急便のDX活用について事例をベンチマークとして中小物流会社の改善策について学ぶ。
連続授業であるため前回と同じ。
ロジスティクス(4)(ワークショップ)
・中小物流会社の改善事例
第13回から15回の講義を振り返り、事例をもとに中小物流会社の物流の一連の流れの最適化案をグループで考察するとともに発表し、講師講評を通じて理解を深める。
有
個別フィードバック
講義およびディスカッションとグループワークの組み合わせで行われる。
・地方地場スーパーUのケース
・中小物流会社Tのケース
講義は担当教員が作成したオリジナルテキストを使用する。(なお、資料によっては必要に応じOffice365に事前・事後アップする。)
小川孔輔 『マーケティング入門』日経BPマーケティング ISBN:978-4532133696
課題に対する理解と実践への姿勢 課題レポートへの取り組み努力と内容
40 %
授業への参画姿勢 積極的な発言と貢献、柔軟な発想力、各人レベルでの成長
60 %
本科目は、入学前に修得した知識を、的確な経営診断や具体的な改善提案へ応用できるものへと発展させることが狙いである。支援先の中小企業にとって真に役立つ支援・指導をすることを念頭に置いた、討議への積極的な参画を期待する。
シラバスの講義内容は、一部変更する場合がある。
変更の場合は、各教員の講義初日に改めて説明を行う。