(安田)
企業が「ありたい姿」を実現するためには、「人」という経営資源を適切にマネジメントし、一人ひとりにその能力を十分に発揮してもらうことが必要である。また、そのためには個人としての「人」だけでなく、「組織」という視点での組織能力の向上も必要不可欠である。特に経営環境が激しく変化する今の時代においては、自社の組織上の問題点を把握し、日々改善していくことがより一層重要になる。
本科目では、中小企業の組織上の問題をあぶり出し、改善策を立てるために必要となる知識・考え方や、人と組織に関する現状を総合的に把握し、今後の具体的な方向性を整理するための考え方を学習する。
(萬代)
近年組織の在り方が変化する中で組織目標を達成するため、人と組織に関する問題を発見し、その問題解決の具体的な方策について、適格な指導、支援ができるスキルの重要性や必要性が高まってきている。
(安田)
本科目では、中小企業の人と組織に関する問題を発見する能力、またその問題の解決に向けた具体的な指導・アドバイスができる能力を身につけてもらうことを目的とする。
(萬代)
本科目では、組織の在り方が変化する中で組織目標を達成するため、人と組織に関する問題を発見し、その問題解決の具体的な方策について、適格な指導、支援ができるスキルを習得することを目的とする。
(安田)
上記目的の下、具体的な到達目標としては、以下の4項目の理解とその活用能力の修得を掲げる。
①経営目標の達成および組織能力の向上を図るうえで、障害となる人と組織に関する問題を的確に発見できる能力を修得すること。
②明確化された人と組織に関する問題に対し、経営の全体最適を考慮した解決策を考え、また解決策の実現に向けた具体的なシナリオを策定できる能力を修得すること。
③中小企業経営における人と組織の問題の特質を理解し、それらを踏まえたうえで最適な解決策を考える能力を身につけること。
(萬代)
中小企業経営における人と組織の問題の特質を理解したうえで、戦略推進のための人材マネジメントシステムを再構築する考え方を習得することを目標とする。
中小企業に対する人事関連制度の策定支援や組織能力を向上させるための支援に興味のある院生に受講してもらいたいと考えています。
予習:企業経営理論の中で、人事・組織に関してこれまで学習した内容を振り返る。
復習:自社の人事・組織面の課題について考察する。
(安田)
組織診断の進め方(1)(講義とワークショップ)
・戦略と組織の関係性の整理
戦略と組織の関係性を整理するとともに、戦略がうまく立てられない企業の特徴、戦略を立てたが実現できない企業の特徴について学ぶ。チャンドラーの戦略と組織の関係も理解する。
予習:「良い組織風土」「悪い組織風土」について考える。
復習:自社の組織風土の特徴について考察する。
(安田)
組織診断の進め方(2)(講義とディスカッション)
・現状分析①
組織構造の設計原理、ファヨールの管理原則や基本的な組織構造論を理解した上で、マネジメントおける組織構造分析の重要性と着眼点のポイントについて、段階別に確認する。また組織運営の考え方と分析のポイントについて段階別に確認する。演習方法としては、ケース問題を活用して実施。
予習:組織文化の形成要因、組織学習、モチベーション理論について整理しておく。
復習:組織文化の形成要因、組織学習、モチベーション理論について整理する。
(安田)
組織診断の進め方(3)(講義とワークショップ)
・現状分析②
組織目標と業績の関係について、部門業績管理の効果と意義を、演習を通して学ぶ。また組織風土分析においても演習を通じて学ぶ。組織文化の形成要因、組織学習、モチベーション理論や職場集団のダイナミクスなども理解する。演習方法としては、ケースを活用して実施。
予習:中小企業の人事評価制度について整理しておく。
復習:中小企業の人事評価制度について整理する。
(安田)
組織診断の進め方(4)(講義とワークショップ)
・人事評価制度や職業能力評価基準
人事制度面の着眼ポイントとして、多様な人事考課の在り方や心理的な偏向による弊害など踏まえ、必要な人事評価制度や職業能力評価基準を踏まえた人材育成について学ぶ。演習方法としては、ケースを活用して実施。
予習:中小企業の人事制度面の着眼ポイントについて整理しておく。
復習:中小企業の人事制度面の着眼ポイントについて整理する。
(安田)
組織診断の進め方(5)(講義とワークショップ)
・評価シートの作成、評価者研修
人事制度面の着眼ポイントとして、組織構造にあった成果責任の設定、目標管理制度と人事考課制度の実際の運用を踏まえ、必要な評価シートの作成方法と評価者研修について学ぶ。演習方法としては、大企業と中小企業のケースを比較し実施。
連続授業なので前回と同じ。
(安田)
組織診断の進め方(6)(講義とワークショップ)
・現状分析③
第4回から第5回の学習内容を踏まえて、戦略と組織、組織の設計、組織目標と業績、人事制度と能力評価といった、組織や人事管理の分析の意義や着眼点について、理解を深める。
有
個別フィードバック
予習:人事制度と能力評価について整理しておく。
復習:人事制度と能力評価について整理する。
(安田)
組織診断の進め方(7)(講義とワークショップ)
・問題点の整理と課題設定
戦略と組織、組織の設計、組織目標と業績、人事制度と能力評価について、組織や人事管理の分析手法を使い、演習問題を通じて現状分析の整理改善の方向性についてグループで検討する。
有
全体へのフィードバック
連続授業なので前回と同じ。
(安田)
組織診断の進め方(8)(講義とワークショップ)
・改善案の検討
第7回の講義の続き。グループで検討した課題設定において、グループで改善案を作成し発表。その後講評。
有
全体へのフィードバック
予習:中小企業における人事制度や賃金制度の現状と課題について整理しておく。
復習:中小企業における人事制度や賃金制度の現状と課題について整理する。
(萬代)
人材マネジメント計画(1)(講義とディスカッション)
・人材面の経営課題の把握と中小企業の特徴①
中小企業における人事制度や賃金制度の現状と課題の把握を通じて、中小企業の経営の実際と組織の特徴について学ぶ。
予習:中小企業における労働生産性と職務評価の現状と課題について整理しておく。
復習:中小企業における労働生産性と職務評価の現状と課題について整理する。
(萬代)
人材マネジメント計画(2)(講義とディスカッション)
・人材面の経営課題の把握と中小企業の特徴②
中小企業における労働生産性と職務評価の現状と課題を通じて、中小企業の経営者や幹部の職務の実際と組織の特徴について学ぶ。
予習:大企業と中小企業の人材マネジメントの違いについて整理しておく。
復習:大企業と中小企業の人材マネジメントの違いについて整理する。
(萬代)
人材マネジメント計画(3)(講義とディスカッション)
・問題点の整理①
人材マネジメントについて、戦略に従った組織や人材像の設定、採用・配置、育成、評価とフィードバックの一連のプロセスを学ぶ。人材マネジメントに不可欠な、キャリアステップ、チームと個人の育成、後継者計画、組織風土の醸成などを含む。演習方法としては、大企業と中小企業のケースを比較し実施。
連続授業なので前回と同じ。
(萬代)
人材マネジメント計画(4)(講義とディスカッション)
・問題点の整理②
人材マネジメントシステムの再構築に向けた検討について、戦略に従った組織や人材像の設定、採用・配置、育成、評価とフィードバックの一連のプロセスについて現状把握と改善策検討について学ぶ。演習方法としては、大企業と中小企業のケースを比較し実施。
予習:人材マネジメントシステムの再構築において必要な要素を整理しておく。
復習::人材マネジメントシステムの再構築において必要な要素を整理する。
人材マネジメント計画(5)(講義とワークショップ)
・シナリオ作成①
人材マネジメントシステムの再構築に向けて、中小企業で重要になる、キャリアステップ、チームと個人の育成、後継者計画、組織風土の醸成などについて現状把握と改善策検討について学ぶ。演習方法としては、ケース問題を活用して実施。
連続授業なので前回と同じ。
(萬代)
人材マネジメント計画(6)(講義とワークショップ)
・シナリオ作成②
第5回目の続き。
人材マネジメントシステムの再構築について、事例を通じて、チームに分かれて改善の基本的方向性を検討する。 事例にそって中小企業で重要となるキャリアステップ、チームと個人の育成、後継者計画、組織風土の醸成などの実践的な問題解決を含む。
有
全体へのフィードバック
予習:事例についての改善の方向性について整理しておく。
復習:事例における問題解決の一連のプロセスを整理する。
(萬代)
人材マネジメント計画(7)(講義とワークショップ)
・シナリオ作成③
第6回目の続き。
人材マネジメントシステムの再構築について、事例についてチームに分かれて改善の基本的方向性を検討する。一連のプロセスと中小企業で重要となる問題解決を進める場合の生じる障害とその解消方法を検討する。
有
全体へのフィードバック
連続授業なので前回と同じ。
(萬代)
人材マネジメント計画(8)(講義とワークショップ)
・シナリオ作成④
第7回目の続き。
経営特性と組織風土、組織管理、人材管理のそれぞれの基本的方向を整理し、現状分析と今後の方向性についてチームに分かれてプレゼンテーション資料を作成し発表する。講師講評を通じて理解を深める。
有
全体へのフィードバック
(安田)
組織や人材マネジメントに関する基本的な考え方(理論、方法論など)と具体的な実務場面での適用(応用)の方法を講義と演習を交えて学ぶ。演習では、中小企業支援の実務で行う頻度の高いものをピックアップし、必要に応じて受講者間での討議も行いながら進めていく。
(萬代)
組織や人材マネジメントに関する基本的な考え方(理論、方法論など)と具体的な実務場面での適用(応用)の方法を講義と演習を交えて学ぶ。演習では、中小企業支援の実務で行う頻度の高いものをピックアップし、必要に応じて受講者間での討議も行いながら進めていく。
(安田)
・中小スポーツクラブFのケース(組織診断の進め方)
講義は担当教員が作成したオリジナルテキストを使用する。(なお、資料によっては必要に応じOffice365に事前・事後アップする。)
(萬代)
・食品卸小売業Bのケース(人材マネジメント計画)
講義は担当教員が作成したオリジナルテキストを使用する。(なお、資料によっては必要に応じOffice365に事前・事後アップする。)
(安田)
今野浩一郎・佐藤博樹『人事管理入門(新装版)』日本経済新聞出版 ISBN:978-4532135287
(萬代)
守島基博『人材マネジメント入門』日本経済新聞出版社 ISBN:978-4532110017
(安田)講義への参画度 講義の中で実施するグループ討議への積極的な参画と取りまとめ、積極的な質問や意見の表明、講義の中での発表内容などを総合的に評価します。
25 %
(安田)課題レポートの内容 課題レポートを1回出します。テーマ・提出方法については事前に指示します。
25 %
(萬代)講義への参画度 講義の中で実施するグループ討議への積極的な参画と取りまとめ、積極的な質問や意見の表明、講義の中での発表内容などを総合的に評価します。
25 %
(萬代)課題レポートの内容 課題レポートを2回出します。テーマ・提出方法については事前に指示します。
25 %
人や組織に関し、中小企業においては、大企業と異なる特徴・実態があるため、それらを念頭において受講していただきたいと思います。
シラバスの講義内容は、一部変更する場合がある。
変更の場合は、各教員の講義初日に改めて説明を行う。