MOTのための価値創造とリスク経営 PDF

Value Creation and Risk Management for MOT

単位数

2単位

開講学期

秋学期

開講曜日・時限

金曜日・土曜日
※開講時限は授業カレンダーをご参照ください

位置づけ

会計・ファイナンス 応用段階

区分

基幹科目

科目紹介

科目の重要性・必要性

ビジネスリーダーには、企業経営を通じ、社会のために付加価値を生み出し、企業価値を向上させること【価値創造活動】が期待されている。
多くの経営者は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)とGX(グリーン・トランスフォーメーション)の2つの経営環境変化に直面しビジネスモデルの見直しに迫られている。
経営を取り巻く環境は常に変化しており、経営者は事業計画達成を妨げたり、企業価値を棄損しうる潜在的なリスクを正しく認識・評価し、適切な対応を取ることが求められる。
事業計画策定の演習を通じて、企業経営における様々な意思決定に関して、「価値創造」と「リスク」の両面で理解を深める。

科目の目的

本講座では、事業計画の策定や実行に重点を置いて、経営者にとって身に付けるべき「企業価値、事業価値、技術やブランドの潜在的価値、その価値算定方法、これら価値に影響を与える因子を抽出し、企業価値の向上のための方法論」の枠組みの理解と手法の習得を目指す。
同時に、経営者として事業機会の追求や価値創造の取り組みにおいて、企業は社会の公器であることを自覚するとともに、事業活動に伴い直面する様々なリスクを、経済(会計)面、法律(規制)面、倫理面の3つの観点から捉え、事例を交えつつ、経営者にとって身に付けるべきリスクマネジメントの基本的考え方(思考法)、枠組み、手法の習得を目指す。

到達目標

価値創造経営に関する基本的な概念や枠組み、方法論(DCF法、資本コスト、価値評価手法等)を理解し、活用できることを目指す。同時に自社の置かれている経営環境の将来変化と、その潜在的なリスクを認識し、経営者にとって必要な高い企業倫理とリスクマネジメントの基本的な考え方を身に付ける。

受講してもらいたい院生

現在あるいは将来、経営戦略や事業計画の策定に関係し、ビジネスリーダーを目指す院生の受講をお勧めします。

  • 本講座は「価値」と「リスク」の2つの観点から事業計画を捉えた経営手法の習得
  • 現在あるいは将来、中長期経営戦略や事業計画の策定に関わる院生には重要な科目
  • 特に経営環境の変化が大きい業界や企業に関係する院生

 本科目の学習で得た価値創造とリスクマネジメントの考え方や手法を適用し、特定課題研究における経営戦略や事業計画・投資計画のリスクチェック、リスク評価(定量化)等を実践的に行うことが期待される。
 

授業計画

1 回

予習・復習時間

2時間

予習・復習

(復習)第1回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【本講義の全体像と狙い】

  • 「価値」とは何か? 
  • MOTと「価値創造」「リスク」の関係について

2 回

予習・復習時間

2時間

予習・復習

(予習)第1回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第2回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【付加価値について】

  • 付加価値創造プロセスと付加価値分析について

3 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第2回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第3回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【企業価値評価】

  • 企業価値の考え方と必要とされる背景
  • 「企業価値」と「事業価値」
  • 企業価値はどのように算出するのか?

4 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第3回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第4回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【資本コスト】

  • 「資本コスト」とは?
  • 企業価値と資本コスト

5 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第4回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第5回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【リスクマネジメント・プロセス】

  • リスクの認識・識別 /リスクの分析・評価/リスクへの対応
  • ERMと価値創造     

6 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第5回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第6回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【リスクマネジメント・プロセス】

  • 事業計画と、その阻害要因、不確実性(リスク)。そして、リスクへの対応について、ディスカッションを交えて考察する。 

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

7 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第6回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第7回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【ビジネスプランニングとシミュレーション】

  • 事業はなぜ失敗するのか?
     ⇒不確実な事業の計画・管理の理論「仮説指向計画法」

8 回

予習・復習時間

6時間

予習・復習

(予習)第7回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第8回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【ビジネスプランニングとシミュレーション】

  • M&Aの買収価格を自分の頭で考える
     (1) 分析・シミュレーション手法解説
     (2) グループワークとディスカッション

9 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第8回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第9回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【企業分析手法、事業計画作成】

  • 事業計画のベースとなる企業の実態把握、企業分析手法
  • 事業計画の策定について
  • 価値創造経営、技術価値、ブランド価値 

10 回

予習・復習時間

6時間

予習・復習

(予習)第9回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第10回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【グループ演習①】事業計画作成演習

  • 課題レポートの出題、並びに進め方について概要説明

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

11 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第10回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第11回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【銀行融資や株式投資家の基本スタンス】

  • 事業計画に対する資金提供者(銀行融資や株式投資家)の視点
  • クラウドファンディング活用の可能性
  • 資金調達に関するチーム演習

12 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第11回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第12回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【グループ演習②】事業計画作成演習

13 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第12回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第13回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【グループ演習③】事業計画の発表

  • 事業計画についてチーム毎に発表
  • 発表内容の審査演習

14 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第13回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第14回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【グループ演習④】事業計画の発表

  • 事業計画についてチーム毎に発表
  • 発表内容の審査演習

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

15 回

予習・復習時間

4時間

予習・復習

(予習)第14回配付資料を確認・復習し、今回の授業に臨むことが望ましい。
(復習)第15回配付資料を確認・復習することが望ましい。

授業内容

【講義総括・ディスカッション】

  • 講義全体をレビューし、理解内容を再確認する。

課題有無

課題フィードバック方法

全体へのフィードバック

授業方法

  • 講義とチーム演習/ディスカッションで進める。
  • 演習/ディスカッションを通じての相互啓発・理解も重視。

テキスト

  • 各回ごとにパワーポイント形式のテキストを配布。

参考図書

『財務3表一体理解法』 國貞 克則/朝日新書(ISBN 978-4022736840)
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『財務3表図解分析法』 國貞 克則/朝日新書(ISBN 978-4022736857)

『「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書』 小宮 一慶/PHPビジネス新書(ISBN 978-4569825298)

『ROIC経営 稼ぐ力の創造と戦略的対話』 あずさ監査法人 (編集)/日本経済新聞出版(ISBN 978-4532321857)

『入門 リアル・オプション』 山本 大輔  (著), 刈屋 武昭 (監修)/東洋経済新報社(ISBN 978-4492600986)

『投資戦略の数理モデル: リアルオプションの基礎と理論 (確率工学シリーズ)』 後藤 允/朝倉書店(ISBN 978-4254275742)

その他適宜紹介する。

成績評価

評価の視点
評価
ウェイト
備考

課題(レポート)を通じて、理解度の確認、自社の課題解決に向けての適用力を評価

60 %

授業(チーム演習、ディスカッション)への参画姿勢

40 %

合計
100%

受講生へ授業科目のアピールポイント、必要な基礎となる科目の履修や知識・スキル

企業会計やファイナンスの経験や知見のない受講者にとっても、関心を持ってビジネスリーダーとして押さえるべきポイントを理解しうる授業運営としたいと思います。

CONTENTS

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充実したMOT分野のエキスパートスタッフ、本大学院の教員をご紹介いたします。

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日本工大MOTとは

本大学院の5つの特徴や設立趣旨・目的などを掲載