MOT 働きながら技術経営が学べる1年制大学院 日本工大MOT

ファミリービジネスと事業承継

  • Family business and business succession
担当教員 平野 秀輔 専任・客員 客員 単位数 1単位
開講学期 夏学期 開講曜日・時限 木曜日 1・2時限
位置づけ 事業承継分野 応用段階
科目紹介
科目の重要性・
必要性
ファミリービジネスの定義として、「創業者一族が経営に関わっているか、もしくは非上場会社においては過半数を、上場会社においては三分の一以上の議決権をファミリーが支配している会社」、とすると中小企業はもとよりビッグビジネスでも多くがこれに該当する。分かりやすい例を挙げれば自動車関連では、トヨタ自動車、スズキ、BMW、Volkswagen等である。日本の上場企業のファミリービジネス比率は53.1% (※1)とされており、その総資産事業利益率や自己資本比率等は非ファミリービジネスのそれらより優位性があるともされている。 当然に非上場企業ともなれば(※2)、ファミリービジネス比率は一層高くなる。よって、中小企業のMOTを研究する本学院生には、ファミリービジネス特有の問題やその解決事例を知っておくことも重要と考える。
また、ファミリービジネスにおいて生じる事業承継は、形式的にはその当事者(承継されるオーナーと承継予定者)間の行為であるが、実質的にはその従業者、取引先、そのほかのステークホルダーにも影響が及ぶことが多い。よって、ファミリービジネスに所属している者のみならず、取引先にファミリービジネスがある場合にも、事業承継に関する知識は重要と考える。
科目の目的 本講義は、海外文献において定型となりつつある体系に基づいてファミリービジネス論を解説し、その各論点におけるイノベーションの可能性を示唆するものである。
 また、事業承継のパターンはその所有(ownership)と経営(management)がどのように引き継がれるかという観点から、
①非分離親族型(Non-separation/cognate model)
②非分離親族外型(Non-separation/non-cognate model)
③分離型(Separation model)
に分類されると考えているため、これら3つのパターンではどのようにそれぞれ事業承継が行われ、どのような成果もしくは問題点が生じたかを把握し、それぞれのパターンではどのような事項に関心を持ってそれを遂行すべきかを考察することも目的とする。
到達目標 ファミリービジネスの特徴をとらえ、その長所・短所を理解し、自らの研究や今後の業務に応用できる知識を習得すること。
事業承継の類型と考慮すべき点を理解すること。
受講してもらいたい
院生
・ファミリービジネスに在職する院生
・ファミリービジネスと取引を行っている院生
・事業承継に関心を持っている院生
授業計画
1回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 ファミリービジネスとついてのとらえ方。
ファミリービジネスの非ファミリービジネスの違い。
授業内容 ファミリービジネスの定義。
ファミリービジネスの非ファミリービジネスに対する優位性。
2回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 スリーサークルモデルの各領域に該当する者の特性を理解する。
分離型・非分離型の形態について理解する。
授業内容 ファミリービジネスへの参加者について特徴を説明する。
スリー・サークル・モデルについて説明する。
分離型・非分離型の特徴について説明する。
3回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 ファミリーとビジネスはどのような関係が望ましいかを考察する。
授業内容 ファミリーとビジネスの関わり合いについて説明する。
ファミリービジネスにおける人的資源管理とリーダーシップについて説明する。
4回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 ファミリービジネスにおける非ファミリーの外部機関(社外取締役・コンサルタント等)の有用性について理解する。
授業内容 ファミリービジネスにおける外部資源の利用。
ファミリービジネスにおける取締役会構成の留意点。
5回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 ファミリーとビジネスのガバナンスについて考察する。
授業内容 ファミリービジネスのガバナンスについて説明する。
6回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 事業承継の方法について考察する。
授業内容 事業承継の態様、法的環境について説明する。
7回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 事業承継の事例について考察する。
授業内容 事業承継ケースに基づいて解説する。
8回 予習・復習時間 4時間
予習・復習 これまでの内容を総括して、ファミリービジネスに対する考え方をまとめる。
授業内容 ファミリービジネスの運営及び事業承継時の留意点について総括する。
課題有無
課題フィードバック方法 個別フィードバック
授業方法 講義を中心とするが、受講生からの質問時間を多く設け、最終回だけではなく、各回にもディスカッションの時間を設けるようにする。
テキスト 指定しない。当方でレジュメを配布する。
参考図書 “Family Business, Key Issues” , Danise Kenyon-Rouvinez, John L. Ward, 2005
Palgrave. ISBN 978-1-4039-4775-8. (日本語版 「ファミリービジネス 永続の戦略 [同族経営だから成功する]」富樫直記 (監修), 秋葉 洋子 (翻訳)」,2007,ダイヤモンド社)
・“Family Business, The Essentials “, Peter Leach, 2011, Profile Books. ISBN978-1-86197-861-5.
・“The Modern Family Business, Relationships, Succession and Transition ”, Lorna Collins, Louise Grisoni, Claire Seaman, Stuart Graham, Dominique Otten, Rebecca Fakoussa and Johin Tucker, 2012, Plgrave. ISBN978-0-230-29791-3.
・“Knowledge and the Family Business, The Governance and Management of Family Firms in the New Knowledge Economy” Malio Del Giudice, Maria Rosaria Della Peruta, Elias G. Carayannis, 2011, Springer.ISBN978-1-4419-7352-8.
・“The Family Council Hand Book” Chiristopher J.Eckrich and Stephen L. Mcclure, 2012, Palgrave.ISBN978-0-230-11219-3.
・"Governance in Family Enterprises", Alexander Koebberle-Schmid, Denise Kenyon & Ernesto J. Poza. 2014. Palgrave. ISBN978-1-137-29389-3.
・「新事業承継税制のすべて」、右山研究グループ、2008、大蔵財務協会,ISBN978-4-7547-4291-1.
・「中小企業経営承継円滑化法と新・事業承継税制」、
神崎忠彦・柏原智行・笠間太介・出口徹朗,2009,金融財政事情研究会,ISBN978-4-332-11527-7.
 ・「非上場株式に関する相続税・贈与税の問題点」,平野秀輔,2014.白桃書房,ISBN978-4-561-46175-3.
 ・「財務管理の基礎知識 第3版」,平野秀輔,2017,白桃書房, ISBN 978-4561352150.
・ “Family Business Succession The final Test of Greatness”, Craig E. Aronoff, Stephen L.Mcclue and John L. Ward, 2011, Palgrave.ISBN978-0-230-11100-4.
・ “Comparative Succession Law Testamentary Formalities”, Kenneth G Reid, Mariusjde Waal and Reinhard Zimmermann, 2011 ,OXFORD university press.ISBN978-0-19-969680-2.
・ “Wealth Management Planning”, Malcolm James Finney, 2008, WILEY.ISBN978-0-470-72424-8.
・ “Foster’s Inheritance Tax”, Richard Wallington, 2012, Lexis Nexis.ISBN977-0-406-99812-5.
・ “Fachberater für Unternehmensnachfolge (DStV e.V)”, Baumann, Seer, Krumm, 2011, Erich Schmidt Verlag.ISBN978-3-503-13079-5.
・ “Erbschaftsteuer-und Schenkungsteuergesetz, Bewertungsgesetz Kommentar”, Viskorf, Knobel, Schuck, Wälzholz, 2012, NWB. ISBN978-3-482-51684-9.
・「中小企業の事業承継円滑化に向けて」、中小企業整備機構(事業承継協議会事務局)、2006、経済産業 調査会
・「事業承継 Vol.1」、事業承継学会、2012、文真堂. ISBN978-4-8309-4745-2.
・「中小企業税制の展開 租税法研究第38号」.租税法学会.2010.有斐閣,ISBN978-4-641-13075-3.
成績評価
評価の視点 評価
ウェイト
備考
ファミリービジネス論及び事業承継の形態についての理解程度を、授業時間中のディスカッションによって把握する。 50 % 毎回の講義は、できるだけ対話形式にし、受講生の発言機会が均等になるよう配慮する。
講義終了後のレポートにより、各受講生のファミリービジネスのとらえ方を判断する。 50 % 全8回講義終了後にレポート提出をさせ、それによって評価する。
合計 100%  
受講生へ 理解中心で授業を進めることに留意します。
その他 ※1 [ファミリービジネス白書企画編集委員会 2016]13頁
※2 [ファミリービジネス白書企画編集委員会 前出]80頁
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