NIT MOT Letter #51

備えよ 常に

  • 高篠 昭夫
  • 2020年09月12日

秋にMOTのホームページの改訂が行われ、教員紹介欄に一言メッセージが入ります。その一言メッセージに対して、即座に浮かんだのがこの一文でした。

これはボーイスカウト活動で知られている有名なフレーズです。「いつなん時、いかなる場所で、いかなることが起こった場合でも善処ができるように、常々準備を怠ることなかれ」という意味で、ボーイスカウト活動のモットーとなっているものです。

ボーイスカウトと聞くと街頭募金活動や野外キャンプ活動などを思い浮かべる方が多いと思います。ボーイスカウト活動はイギリス人のロバート・ベーデン=パウエル卿が1908年に創設した子供達向けの活動で、10歳以上を対象に子供たちの自主性を大切にし、グループ活動を通じて自主性、協調性、社会性、逞しさやリーダーシップなどを育てる青少年活動です。主な活動として、キャンプ(ロープの縛り方とか火の起こし方などサバイバル手法も学んだりします)、応急処置、ウッドクラフト、ハイキング、奉仕活動などがあります。これらの野外活動を中心としたプログラムを通じて人格・市民性・適合性・リーダーシップを習得していくようになっています。かく言う私も、小3年~6年の時にボーイスカウト活動に参加していました。そこで何度も復唱して覚えたのがこの「備えよ 常に」のフレーズでした。

近年、震災、集中豪雨や台風による水害・土砂崩れ、火災、爆発、交通事故など天災、人災が度々起こっています。自然災害は防ぎようがありませんが、災害が起こる前に、その災害から逃れるにはどうすればよいか?起こった時にはどう適切に対応すればよいか?どうすれば被害を最小限にくい止めることができるか?万が一の一に備える準備が常日頃から求められます。最近はこの「備えよ 常に」が災害に対する事前の心構えとして度々引用されます。まさしくリスクマネジメントに通じるフレーズです。

しかしこのフレーズは非常時の災害リスク対応のための言葉でなく、むしろ、日常生活、会社生活の色々な場面でも「備えよ 常に」が求められるケースがあります。

私自身のことで恐縮ですが、会社生活の中で「備えよ 常に」を強く意識したことがありました。会社に入社後、工場の生産部門に配属され、昼夜3交代の生産現場で仕事がスタートしました。現場で額に汗して働いている時に、工場の上司である技術職の管理職が職場巡回でやって来て、「出番は突然にやって来る。その時に備えて常に準備をしておくように。」と言われたことがありました。私もその言葉を契機に、英会話を始め、仕事に関わる技術論文を読み集め、技術報告書を4回/年出すことを心に決めて、“その時”に備える準備を始めました。“その時”はそれから2年後にやってきました。今から40年前のことです。

MOTで学んでいる院生たちも、近い将来の出番に備えて勉強していることと思います。「備えよ 常に」とは、今まさに前向きに、起こりうる色々なリスク、事態を想定して、冷静にそれに打ち勝つために備えるということです。それは「さあ来い!いつでも準備はできているぞ」という積極的な日頃の姿勢を示しています。私自身、これまでの出来事を振り返ってみると、色々な場面で「備えよ 常に」でその後の道が開けて行ったことが度々ありました。「備えよ常に」は明快な、分かり易い、短いフレーズですが、私はこの一文に重みを感じています。

髙篠昭夫

髙篠昭夫(専任教授)

専任教授(実務家教員)

次号(No.52)は 水澤 直哉 教授 が執筆予定です。

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