研究科長
HiroshiShimizu
Question
技術経営に関連する2科目を担当しています(もう一科目は大学3年生向けの起業とビジネスプラン)。“技術を活かしイノベーションを実現する経営“が私の技術経営の定義です。そのためには組織経営と価値創出の枠組みが重要です。2科目を関連付けながら、これをどう実現するかを考えていきます。
「中小企業技術経営概論」では、組織経営や価値創出に必要な戦略、業務プロセス、組織、経営資源のそれぞれを理解し、それらを中小企業の特徴を活かし制約を打破するために如何に活用するかを学びます。
「経営システム構築」では、組織経営と価値創出を実践するために、中計など経営のPDSサイクル、事業戦略から機能戦略や、意思決定のためのイシュー分析、戦略・人・仕組みの3つの観点から企業の変革を如何に実現するかを学びます。
工学部の化学系学科を卒業後、プラントの設計者として研究開発、建設、運転やIT化推進など多様な業務に従事したのち、技術に強みのある経営コンサルティング企業で長く仕事をしました。製造業を中心に、IT企業や技術系サービス企業など多くの業種の企業の、全社、事業や技術の戦略、技術を活かすマーケティング、イノベーションを活性化する仕組み、業務プロセスの生産性向上、組織や文化の変革、グローバル展開の推進、M&Aや企業合併の支援など、300プロジェクトほどに関わりました。その幾つかの企業とは20年以上の付き合いで、内部の事を良く知る外部のアドバイザーのような立場で支援させて頂きました。
現在も国内のIT企業や中堅製造業、中国の自動車部品企業に対して、全社や事業の方針、組織の運営、具合的な技術・製品開発やマーケティングなどを支援しております。
これらの経験を活かして、皆さんの様々な問題についてその問題解決を一緒に考えていきたいと思います。
受講生の皆さんは多様な業種の企業に所属し、マネジメント、組織やチームのリーダー、担当者の3つの立場で仕事をしながら学んでいます。人によって違いがありつつも、何らかの割合で3つの立場に関わっているとも言えます。授業の内容も勿論ですが、異なる業種や立場を理解する事で相互に学びあう事を大切にしていきたいと考えております。
また技術経営は自然科学と人文社会科学の融合によるマネジメントの体系の面もあり多様な要素で構成されております。1年間で習得するためには、全体像を理解した上で体系的に学ぶ事も大切だと思います。
異なる業種や立場を理解し、技術経営の全体像を体系的に学ぶ事で、現在と将来の皆さんにとって必要なことが分れば、皆さんは自信を持って活動を広げていけると考えております。
Information
土曜日の12:40~14:10といたします。
技術系企業に対する技術と経営のコンサルティング(1990年より)で培った、技術・イノベーションマネジメント、グローバル戦略・展開、全社・事業・新規事業戦略、経営改革など技術経営全般
《現職》
・日本工業大学大学院 技術経営研究科 専任教授、研究科長
・2010年ビジネスエンジニアリング㈱ 社外取締役
・中国の自動車部品企業のCEOアドバイザー
《学位》
・学士
《経歴》
2006年より日本工業大学技術経営大学院で授業を担当。2010年より専任教授。2015年教務委員長、2020年副研究科長。2022年より研究科長。国内中堅製造業の監査役(現任)。中国の自動車部品企業のCEOアドバイザー(現任)
・2010年ビジネスエンジニアリング㈱ 社外取締役(現任)。
・1990年よりアーサー・D・リトル(ADL)に参画。2003年よりパートナー。製造業、IT企業、技術系サービス企業のイノベーションとグローバル化推進を支援。2015年よりシニアアドバイザー。
・1984年より東洋エンジニアリング株式会社で化学プラントのプロセス設計業務に従事。
・京都大学工学部合成化学科卒業
関連する参考資料を添付します。
▼講演資料
・講演タイトル:小よく大を制すー人モノ金の制約のある小規模企業・事業の成長戦略(「新時代の技術・イノベーション経営 セミナー」における講演)
・講演日:2023年3月15日