博士(工学)

KazuyaOkamoto

岡本和也

趨勢変動が激しい今、自らが何をすべきだろうか

専任教授(研究者教員)
大阪大学招聘教授
東京都立大学客員教授
山口大学客員教授

Question

担当している領域・科目について教えてください。

デジタル時代の技術経営に関わる領域の3科目を担当しています。
まず、「研究・製品・事業開発プロセス論」では、企業やその組織における新事業開発および事業創造に向けて,企画、研究・開発から製品・事業化までの一連のプロセスの本質と理想像を,理論と実学の双方の視点で考えます。
次に、「価値創造とイノベーション論」では、「価値」という概念を明確にし、「価値創造」と「価値獲得」の2つの重要性を理解し、そのためのイノベーションの特性、つまりはその本質とイノベーションに関わるモデル・理論について、古典と最新の双方から議論します。
最後に、「デジタルMOT人材育成論」はVUCAの時代といわれる現在、デジタル技術により直面する経営課題を解決し、さらにはイノベーションを創出するデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた最新の講義といえます。デジタル技術と技術経営(MOT)との巧みな融合による高度人材育成は重要な位置づけといえ、本講義ではデジタルの基礎である2進数などの入門からわかりやすく解説します。
いずれの3教科も本学の他の講義の基礎となりえる教科といえます。

実務家時代にどのような業務に携わってきましたか?

業務の基軸は半導体にあります。
自社製品の半導体・光センサの設計製造を経て、先端半導体製造装置・検査装置の研究開発から事業化までを実践してきました。
また、米国現地法人副社長としての海外でのマネジメントの経験も有しています。事業において何より大切なのは、対象をシステムとして捉えることといえましょう。「当該事業が社会システムへ本質的な価値をもたらし、それが自社の収益に繋がるのであろうか」、を常に考えながら部門の素晴らしいメンバーと共に議論を交わしながら業務を推進してきました。
これらの経験知を活かし、院生の皆さんが直面する様々な課題に対しても、その解決手法をともに考え、実践していきたいと思います。

授業を行う際に大切にしている点は何でしょうか?

院生との会話です。
院生の皆さんは様々な業種・業態の企業に属し、経営者、マネージャー、チームリーダー、実担当者などの様々な立場での実務にありながら学んでいることと思います。
私自身、経験知を有する院生の意見を傾聴することにより学ぶことがとても多く、講義においても会話をし、時に夢を語り合いながら、「相互に学べる時間」を大切にしています。

入学を検討している方へのメッセージ

企業の大きさを問わず、事業創造を考える上で大切なことは、システムとして全体最適での価値を考えることでしょう。
例えば、DX といった言葉が人口に膾炙した今、その技術や事業について一過性の対応でなく、長期的な視野に立ち総じて自身や自社に本質的な価値があるのか、を熟考し進めることであると思います。
特に、現在のようなデジタル時代における思考においては、技術経営の重要性がより増しているように思います。
一年制で中小企業、大企業問わず、企画立案から事業化までの一連の学びが可能となる本学は、実務家教員と研究者教員から構成され、極めて多彩な学びが可能となります。
未来予測や過去の経験知はとても大切です。
しかし、最も大切なのは「今」をどう生きるかでありましょう。
この「今」の機会を活かして、皆さんにとって新たな飛躍がなされることを期待しています。
共に学べる機会を楽しみにしています。

Carpe diem(カルペ・ディエム) 今を大切に。

Information

スチューデントアワー

講義の時間を除き、月曜日から金曜日の17時~20時といたします。
他の曜日・時間をご希望の場合にはご相談ください。

専門分野

技術経営論(特に、研究開発戦略論・技術戦略論)
半導体システム工学
集積光学(光波集積回路)
電子光学

現職と主たる経歴

《現職》
・日本工業大学大学院 技術経営研究科 専任教授

《学位》
・博士

《経歴》
東京大学大学院工学系研究科修了。ハーバード大学経営大学院PMD修了。東京大学博士(工学)。
大手精密機械メーカーにて、内製CMOS半導体、光波集積回路の実用化開発等を経て、同社・開発部門ゼネラルマネジャーおよび米国現地法人・副社長。先端半導体製造装置および検査装置に関わる新事業創成の研究開発マネジメントを実践。
2005年大阪大学客員教授・特任教授、2009年内閣府総合科学技術会議・革新的技術推進アドバイザー、2014年エレクトロニクス実装学会理事、2015年文部科学省 科学技術・学術審議会専門委員、2016年山口大学大学院技術経営研究科教授、大阪大学招聘教授を兼任。
2017年山口大学大学院技術経営研究科・副研究科長。2018年日本学術振興会 研究開発専門委員会委員長(AI先端計測技術)。
2020年AI活用型システム創成委員会委員長、2021年文部科学省高等教育局大学設置・学校法人審議会専門委員。産業技術総合研究所(AIST)客員研究員、宇宙航空研究開発機構(JAXA)客員を歴任。
2023年より本研究科。同年7月、内閣府・外部有識者委員に就任。9月、日本金属学会・まてりあ論文賞を受賞。

 

併任:
大阪大学招聘教授(エマージングサイエンスデザインR3センター)
東京都立大学客員教授(大学院システムデザイン研究科)
山口大学客員教授(大学院技術経営研究科)

その他

研究業績(JST・Researchmapより):
学術論文(2023年現在) 87報
講演・口頭発表等(2023年現在、国際会議、国内学会) 110報
書籍等出版物 6件
その他外部発表(2023年現在) 18報
特許出願数(2020年現在、共願を含む) 170件以上:国内特許116件,外国特許:USP36件、PCT15件、EP6件ほか

 

著書:
「Introduction to MOT:R&D Management」(Asakura Publishing,2023)
「MOT 研究開発マネジメント入門」(朝倉書店2020)
「3次元システムインパッケージと材料技術」(シーエムシー出版2007)
など
 

主な公的外部委員:
AI活用型システム創成委員会(学振産学協力会・事業譲渡委員会) 委員長 
内閣府・外部有識者委員
ISSM, Japan Executive Committee Member 
IEEE EPS Japan Chapter委員 
エレクトロニクス実装学会 MEフェロー 
文部科学省 高等教育局 大学設置・学校法人審議会 専門委員 
(歴任)
日本学術振興会研究開発専門委員会 委員長 
日本学術振興会システムデザイン・インテグレーション第177委員会 副委員長 
文部科学省 科学技術・学術審議会(先端計測分析技術・システム開発委員会) 専門委員 
エレクトロニクス実装学会 理事 
技術経営系専門職大学院協議会(MOT協議会)幹事 
内閣府 総合科学技術会議 革新的技術推進アドバイザ
応用物理学会日本光学会 文献抄録委員 
など
 

所属学会:
日本経営学会
日本経営システム学会
応用物理学会
エレクトロニクス実装学会
日本金属学会
SPIE
IEEE(EPS、EDS)

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