AkiyoshiOikawa
総合商社鉄鋼部門の国内営業から出発し、中国駐在、プラント営業、機械メーカーの中国営業企画と中国地域統括、医薬品原材料の販売、専門商社での経営企画・関連企業管理・M&A実施等の幅広い業界、業種での経験があります。また、個人では中小企業診断士として、M&Aのアドバイス、経営支援も行ってきました。業界、業種、社内外と多岐に渡りますが、30数年、常に中小製造企業と一緒にビジネスをやってきました。
長く中小企業、特に製造業と接していて、このところ中小企業の置かれている経営環境が大きく変りつつあることを実感しております。変化は、ある企業にはチャンスですが、ある企業には、大きなリスクになります。実際に、業績を伸ばしているところと存続の危機にある中小企業に二極分化しているように見えます。
日本工業大学MOTでは、当方が見てきた成功事例を、理論、先行研究に結びつけてモデル化して、受講生の皆様のビジネスに役立つようにしていきたいと思っております。
1年という短い期間ですが、今後のビジネス人生をより豊かにするための勉強を一緒にしていければと思います。
Question
「中小企業の成長とイノベーション」と「日本的経営と中小企業事業システム」を担当します。
日本の中小企業は、経済成長により、これまで受け身でも成長することが出来てきてましたが、昨今の日本経済の成長鈍化、構造変化により、自ら主体的に経営に取り組まないと成長どころか、存続すら難しい環境になっております。上記に科目では、中小企業の成長戦略について、「イノベーション」と勝つための仕組みである「事業システム」の考え方、実践方法について取り上げていきます。
暗い話題が多い中小企業ビジネスですが、需要の多様化、情報化の進展、ガバナンス強化といった環境変化によって、中小企業が大企業に打ち勝つことの出来る環境も整いつつありますので、こうした機会を取り込んだイノベーション、競争戦略、ビジネスモデルを紹介していきたいと思います。
総合商社の鉄鋼部門で、国内・海外販売の経験を皮切りに、環境プラントの中国営業、機械メーカーの中国販売企画・地域統括、医薬原料の輸入販売、専門商社での経営企画やM&A業務と幅広い業務を担当してきました。同時に、中小企業診断士として、小規模企業のコンサルティングやM&A、販売支援等にも携わりってきました。
これまでの仕事を振り返ってみると、常に中小企業と素材、加工といった分野と接点を持っており、中小製造業とのかかわりは、当方のライフワークになっていると思っております。
これまで製造業を中心とした中小企業とかかわってきて、中小企業は、高い技術力、低コスト生産、市場への対応力を有しているにもかかわらず、成長、収益向上のチャンスを逃してしまっていると感じております。一方、ちょっとした経営に対する考え方を変えるだけで、劇的に経営を改善した企業も見てきました。
MOTでは、こうした事例を研究し、モデル化、理論化をして、受講生の皆様への経営に活かせるよう心掛けていきたいと思います。
実務家ですので、実際のビジネスにも役立つような理論、事例のモデル化、理論の応用を心掛けて授業を進めていきたいと思っております。
ビジネスの役に立つような授業を進めていきたい一方、実務では効率を優先してしまうため、白か黒か、ゼロイチのステレオタイプの判断、結論に走りがちになりますが、折角のMOT大学院の学習の場ですので、複眼的な思考ができるようなディスカッションを心掛けていきたいと思います。同時に、データをベースにした科学的な思考も身に着けられる授業の工夫も考えております。実際の経営では、決断は必要ですが、0か1ではなく、1.5、1.2といった意思決定も求められます。
複眼的な思考と科学的な思考は、一見矛盾するように見えますが、不確実性が高く、情報が多い、現在こそ、こうした思考が経営には必要であり、即効性のあるシンプルな方法よりも、長く経営に活かせ、応用の効く、考え方、実践力を身に着けて頂き、企業や事業の成長に結びつけて頂きたいと思います。
Information
春学期:土曜20:00以降
夏学期:水21:40以降
競争戦略論、イノベーション理論、公共経済学、海外戦略、M&A、コーポレートファイナンス、IE(工程分析)、日本的経営、起業
【現職と主たる経歴】
ー総合商社の鉄鋼部門で国内販売、海外輸出ビジネスを手掛け、香港、中国に駐在。
ー環境プラントメーカーにて中国向け環境プラントのBOT案件、輸出案件を手掛ける。
ー金属加工機械メーカーで中国販売戦略の企画、中国現地法人の管理、地域統括会社の設立を行う
ー農薬、医薬品の専門商社で原薬・中間体の輸入。国内販売を行う。
ー非鉄関係の専門商社の経営企画部で、関係会社及び海外現地法人管理及び製造会社のM&A買収案件を手掛ける