院生が研究活動を通して、自分なりの「技術経営」についての全体的なフレームを創りあげ、それを実践の中でブラッシュアップしていくことができるような成果達成あげてもらえるように指導していきます。研究テーマが広い領域のテーマであっても極めて限定された個別具体的であっても、修了後も長期的に活用ができかつ必要な改善・拡張が可能な研究成果をあげることができるように指導していきます。
経営活動同様、研究活動も当初想定していたものとはかなり異なる方向に進み、ある意味楽しみな成果を生み出すことが多いといえます。言い換えると、調査や検討を始める前から精緻な計画を立て、それに縛られ過ぎると、返って目的とする研究成果をあげられないことが多くなります。創発的な営みが求められているのです。
そこで、以下のようなプロセスで院生の主体的な研究活動をサポートしていくことにします。
1) テーマの研究目的・対象・方法の概略を検討・決定し、それに基づき文献調査や訪問調査などによりテーマに係る事項の実態把握を実施します。調査文献の探索についてもサポートします。訪問調査では事前にヒアリング内容を明確にしておくとともに、できるだけ同行しサポートします。結果は、その都度パワーポイントに整理していきます。
2) 上記結果に基づき、研究内容・方法の見直しを図り、必要とされる新たな調査、実態把握、シミュレーションなどを行います。
3) これまでの調査・実態把握・検討結果を基に、研究成果の取りまとめについて、その骨格(構成)を仮設定し、不足部分の調査・実態把握と検討を実施します。また、今回の研究活動では踏み込む事の出来なかった課題や領域について概略を明確にしておきます。
4) 最終的な取りまとめを行い、研究報告書(パワーポイント)として整理します。研究成果の今後の拡がり、新たな適用の可能性等についても考察しておきます。
5)完成した研究報告書(パワーポイント)を基に、プレゼンテーションの資料の作成と練習を行います。更に、文章化するを望む院生には文章化の指導も行います。
狭い範囲、限定された領域の情報や知識、考え方に囚われていると斬新的で効果的な解決策や方法論を編み出すことができません。そこで、マンツーマンによる指導に加え、定期的に進捗状況や研究遂行上の問題点を院生間で議論する場を設けます。修了生を交えての意見交換の場も設定します。
また、実際の企業について比較対照する事で問題点や解決策が見出されることが多々あります。そこで、相談の上、同じゼミの院生企業訪問に加え、他の企業訪問の機会も設けていきます。
1年間の学習・研究成果をまとめ上げるとともに、今後の自社の経営や担当部署のあり方について、多面的に検討しようという、意欲のある院生の参加を望みます。既に結論があり、その説明のための報告書を作成するだけでは、せっかくの機会を十分に活用できません。新たな方策を見出そうとしている院生の参加を期待しています。
本学で指導した特定課題研究のテーマや、中小企業大学校の中小企業診断士養成課程のコース(社会人対象)で、延べ約100名のゼミ論を指導した際の主なテーマを掲げておきます。
企業経営同様、納期は守らなければなりません。進捗チェックを頻繁に行い、期日までにまとまった成果をあげ、院生の皆さんの今後の活動に活かしてもらえるよう指導します。
本人の問題意識、想定している研究成果の活用方法を踏まえ、本人の考えていることを上手に引き出しながら、事業活動に活かせる研究成果をあげてもらえるように指導します。